そしてピアディーナにそっくりで具を挟んで焼くカッソーネ。
ピアディーナにそっくりと言えばクレッシェンティーナcrescentinaとティジェッレtigelle。
ティジェッレ
モデナのクレシェンティーナ専門店
生地は小麦粉、水、塩、オリーブオイルかラード、イースト。
どちらも小型のフォカッチャの一種。ピアディーナとの違いは、ピアディーナが具をのせて半分に折って食べるのに対して、モデナ名物のストリートフード、クレッシェンティーネは、焼いてから2枚に切って具をはさむ、というあたりでしょうか。
ティジェッレは上の動画で紹介しているようにティジェッラという、“花びらが6枚のバラの形”がついた型を暖炉で熱し、そこに生地を挟んで焼きます。
比較的最近までこの方法が用いられていましたが、鉄や金属製で電気で加熱する方法が普及してモダンな製法が広まるとあっという間に姿を消してしまいました。
当時の具は刻んだ豚のラルドにローズマリーとにんにくのみじん切りを加えたペストを塗り、パルミジャーノを散らして食べました。
つまりメインはラルド(背脂の塩漬け)です。
生ハムやサラミよりずっと安くてボリューミーな食材でした。
その他の具は、肉の煮込み、サルーミ、チーズ、ジャムなど。
具をのせる、はさむ、塗る、と、形によって違いが生まれたんですね。
『1001スペチャリタ』によると、
クレッシェンティーナはモデナの山の食べ物で、現在ではモデナ地方を象徴する名物になっていて、あらゆるバールやリストランテ、収穫祭で出しているそうです。
ティジェッレに入れて焼くと直径12cm、厚さ1~2cmのフォカッチャになりました。
今ではティジェッレで作っている人は人間国宝なみの貴重で頑固な職人。
ティジェッレを使わなければバイトでも焼けます。
さらに複雑なことに、ボローニャのクレッシェンティーナはモデナではニョッコ・フリット、パルマではトルタ・フリッタと呼ばれる全く別の食べ物でした。
そう、生ハムの相棒ですね。
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“ストリートフード”の記事の日本語訳は「総合解説」2017年3/4月号P.30~に載っています。
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