北伊の、といってもロマーニャ地方ですが、ストリートフード。
この地方の名物ストリートフード、ピアディーナの仲間。
詰め物入りピアディーナです。
上の動画では、
トマトソース入りのロッソ、
ほうれん草入りのヴェルデ、
サルシッチャとじゃがいも入り
の3種類のカッソーネcassoneを紹介しています。
「総合解説」ではサルシッチャとじゃがいも入り、ほうれん草入りの2種類のカッソーネをミニサイズのカッソンチーニcasoniciniにアレンジしています。
伝統的なカッソーネはピッツァサイズ。
ピアディーナ→カッソーネ、クレッショーネ、ティジェッレは、
どれも同じ生地を薄く伸ばして同じ具を挟んで同じ形に閉じてテストで両面を焼きます。
ピアディーナは焼いた生地に具をはさむタイプ、残りは具を詰めて焼くタイプ。どうやら全てのルーツはピアディーナですね。
テストを使ったピアディーナ作り。
イタリアの地方料理のウンチクの本、『1001 スペチャリタ』によると、
ピアディーナは、発酵させない、オーブンでなくテストというテラコッタの皿で焼く、という点から、ピッツァよりもっと質素なパンのストリートフード、という立ち位置。
テストは中世に広まった道具ですが、ピアディーナには、もっと壮大な歴史があるのです。
主役は、アイネイアースというギリシャ神話に登場する半神の英雄。
彼はトロイ王の息子でしたが、木馬で有名なトロイ戦争に敗れて、お告げに従ってイタリアを目指して船で逃げます。
そしてたどりついた場所に町を作りました。
これが後のローマと言い伝えられています。
ギリシャ神話がからむとよく知っているローマの話とは大分違うのですね。
船で逃げていた時、アイネイアースは船員たちの飢えを満たすために、普段は皿として使っていた小麦粉と水で作った平らな丸い生地を食べることを許可します。
これがピアディーナのルーツだそうです。
もちろん諸説あり。
料理を乗せる皿がパンのルーツという話は、ピッツァの歴史あたりでよく登場するので、実は神話の世界の話だったとわかっても、ころっと信じちゃうなあ。
カッソーネについても書いてありました。
カッソーネはリミニや沿岸部で人気の食べ物で、内陸部ではカボチャ、じゃがいも、リコッタの具などもあるそうですが、最近は生ハムとグリル野菜、またはナポリのカルツォーネ風のモッツァレッラとトマトが人気。
ピッツァが人気になるにつれて、ピアディーナとピッツァが合体したピダーツァpidazaなるものも生まれたそうです。
ピアディーナの生地にピッツァ風トッピングをしたものです。
軽い気持ちでピアディーナの歴史を調べたのですが、ギリシャ神話の世界にどっぷり浸ることになるとは、想定外な壮大さ。
クレッショーネとティジェッレの話は次回に・・・。
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“ストリートフード”の記事とリチェッタは「総合解説」2017年3/4月号P.30に載っています。
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