今日はビールの話。
なんでも、イタリアのビール業界は活況を呈しているようで、あらゆるタイプの消費者をターゲットにしたビールが次々と造り出されています。
そんなわけで、クチーナ・イタリアーナ誌は、ビールの消費者を4つのタイプに分類して、それぞれにお勧めのビールを紹介しています。
1.ビール通→一般的なビールにはあまり興味がない。
2.ビール通でない人→サッカーを観ながら喉の渇きを癒すためにビールを飲む
3.女性→アルコール度が低くワインより気軽に飲めるのでビールを飲む
4.セリアック病の人→グルテン過敏症などでビールが飲めない
あなたはどのタイプですか?
1の人は、傾向として、珍しい、小さな造り手、古い醸造方法、複雑な香り、特別なモストのスパイシーなビールを求めています。
ベルギーや北欧産が人気ですが、イタリア産なら、モンテジョーコのラ・ムンミアLa Mummiaがお勧め。
↓
ラベルに描かれている通り、ムンミアとはミイラのこと。
長期間寝かせていることの隠喩です。
ランビックスタイルのサワーエール。
バルベーラに使った数種類のバリックで3年寝かせてから瓶内で再発酵。
スプマンテのような泡、ワイン香、野の花の香り、デリケートな柑橘フルーツ風味、エレガントな酸味、最後にくる塩気。
テイスティング動画
モンテジョーコのhp
ピエモンテの造り手で、2005年創業。
地元のワイン用のバリックを使っているのが特徴。
イタリア産のサワーエールではナンバー1と言われていて、もうアメリカには輸出しています。
下の写真は同じくモンテジョーコのビール、デーモンハンター。
↓
アルコール度8.5%。
濃い琥珀色、イギリス産ホップを使ったアングロサクソン系ビール。
ドライいちじく、カラメル、ベリーの香り、強い味。
ベースとなるビールはルーナruna。
ベルギースタイルのペールエール。
こんなビール→写真
クラフトビールは色んな種類があって楽しいですねー。
今晩は地ビール飲むかなあ。
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“ビールと消費者”の記事の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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2014年11月27日木曜日
2014年11月25日火曜日
ペペロナータ&Co.
今日はペペロナータの話。
いや~、ペペロナータpeperonataによく似た料理って、イタリア各地にあるんですねー。
ペペロナータとミートボール。
↓
リチェッタの動画はこちら。
パプリカ、玉ねぎ、トマト、にんにく、オリーブオイル、塩の6つが基本の材料。
ペペロナータのリチェッタに地中海の野菜やハーブを加えれば、アレンジは自由自在。
「グランデ・エンチクロペディア」によると、
ラツィオには、パフリカの皮をあぶってむいてから煮るバージョンがあるそうです。
ペペロナータは煮る時間が長いのが難点ですが(しかも翌日のほうが美味しい)、こうすると調理時間が短縮できます。
てっきり南イタリアの料理かと思っていたら、「グランデ・エンチクロペディア」にも、「リチェッタ・ディ・オステリーア・ディ・イタリア」にも、元々はエミリア地方の料理、と書いてあります。
とすると、このピアチェンツァのルスティサーナrustisanaは、ルーツ候補ナンバー1。
↓
同じくパプリカが主役ですが、ペペロナータより色んな野菜が入ります。
さらに、“リチッタ・ディ・オステリーア・ディ・イタリア”シリーズの「リチッタ・レジョナーレ」では、ペペロナータのリチェッタを提供しているのは、アスティ(ピエモンテ)のアグリトゥーリズモ。
それというのも、アスティは、クアドラータ・ダスティquadrata d'Asti という品種のピーマンの産地として有名なんです。
肉厚のクアドラータ・ダスティ
↓
なすが主役だとパレルモのカポナータcaponata。
↓
カポナータのリチェッタの動画はこちら。
地中海野菜のごった煮は、ナポリだとチャンフォッタcianfotta。
リチェッタの動画はこちら。
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“ペペロナータとその仲間”のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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いや~、ペペロナータpeperonataによく似た料理って、イタリア各地にあるんですねー。
ペペロナータとミートボール。
↓
リチェッタの動画はこちら。
パプリカ、玉ねぎ、トマト、にんにく、オリーブオイル、塩の6つが基本の材料。
ペペロナータのリチェッタに地中海の野菜やハーブを加えれば、アレンジは自由自在。
「グランデ・エンチクロペディア」によると、
ラツィオには、パフリカの皮をあぶってむいてから煮るバージョンがあるそうです。
ペペロナータは煮る時間が長いのが難点ですが(しかも翌日のほうが美味しい)、こうすると調理時間が短縮できます。
てっきり南イタリアの料理かと思っていたら、「グランデ・エンチクロペディア」にも、「リチェッタ・ディ・オステリーア・ディ・イタリア」にも、元々はエミリア地方の料理、と書いてあります。
とすると、このピアチェンツァのルスティサーナrustisanaは、ルーツ候補ナンバー1。
↓
同じくパプリカが主役ですが、ペペロナータより色んな野菜が入ります。
さらに、“リチッタ・ディ・オステリーア・ディ・イタリア”シリーズの「リチッタ・レジョナーレ」では、ペペロナータのリチェッタを提供しているのは、アスティ(ピエモンテ)のアグリトゥーリズモ。
それというのも、アスティは、クアドラータ・ダスティquadrata d'Asti という品種のピーマンの産地として有名なんです。
肉厚のクアドラータ・ダスティ
↓
なすが主役だとパレルモのカポナータcaponata。
↓
カポナータのリチェッタの動画はこちら。
地中海野菜のごった煮は、ナポリだとチャンフォッタcianfotta。
リチェッタの動画はこちら。
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“ペペロナータとその仲間”のリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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2014年11月20日木曜日
ナポリのフリット
ナポリのフリットの話、続けます。
今月の「総合解説」の“ナポリのフリット”の記事では、ピツッェッレのほかに、アランチーニやクロッケ、パンツァロッテイなどのリチェッタも紹介しています。
そこで、これらを食べることができるナポリの有名なフリッジトリーアを1軒ご紹介。
フリッジトリーア・ヴォーメロです。
↓
揚げ物をコーン形に巻いたシートに入れて売るのは、欧米ではよく見かける光景。
イタリア語では、このシートのことをcuppetielloクッペティエッロといいます。
下の写真はちょっとお上品な一品。
揚げポレンタことscagliozziスカッリオッツィも、冬のフリッジトリーアの名物。
↓
パスタの揚げ物は、frittatine di pastaフリッタティーネ・ディ・パスタ(またはマッケローニ)。
残り物のパスタを使えば本格的。
なんだか、スプマンテ飲みたくなってきたなあ。
最後に、ナポリのフリットのおすすめ本は、その名もフリット・ミスト
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ナポリのフリツトのリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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今月の「総合解説」の“ナポリのフリット”の記事では、ピツッェッレのほかに、アランチーニやクロッケ、パンツァロッテイなどのリチェッタも紹介しています。
そこで、これらを食べることができるナポリの有名なフリッジトリーアを1軒ご紹介。
フリッジトリーア・ヴォーメロです。
↓
揚げ物をコーン形に巻いたシートに入れて売るのは、欧米ではよく見かける光景。
イタリア語では、このシートのことをcuppetielloクッペティエッロといいます。
下の写真はちょっとお上品な一品。
揚げポレンタことscagliozziスカッリオッツィも、冬のフリッジトリーアの名物。
↓
パスタの揚げ物は、frittatine di pastaフリッタティーネ・ディ・パスタ(またはマッケローニ)。
残り物のパスタを使えば本格的。
なんだか、スプマンテ飲みたくなってきたなあ。
最後に、ナポリのフリットのおすすめ本は、その名もフリット・ミスト
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ナポリのフリツトのリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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2014年11月17日月曜日
ナポリのフリット、ピッツェッレ
今日はナポリのフリットの話。
ナポリ料理には様々な名物フリットがありますが、なぜか北イタリア、ましてや外国にはあまり広まっていないようです。
“ナポリのフリット”のシンボルの一つが、“ピッツェッレ”ですが、これもちょっとマイナー。
別名、ピッツァ・フリッタとも呼ばれます。
ナポリでも貧しい地区のストリートフードとして誕生した一品です。
ヴィットリオ・デシーカ監督の1954年の映画『ナポリの黄金/L'oro di Napoli』には、ナポリの道端で揚げピッツァを売る男が登場します。
奥さんは若きソフィア・ローレン。
こんな色っぽいおかみさんが揚げ物売ってる裏路地、ちょっと絵になりすぎ。
この夫婦は、生地を伸ばすのが奥さんで、揚げるのがご主人の仕事。
一般的にはピッツァイオーロのご主人が生地を伸ばすのですが、この映画の場合は、この設定が伏線になってます。
ちなみに、なじみ客の支払いはつけが普通。
一説には、8日たったピッツァと同じ値段、つまり格安で売ったので、今食べて8日後に払う、という意味の別名で呼ばれていたとか。
ナポリのピッツァには、よく知ってる焼いたピッツァとは別の顔があったようです。
食べると美味しいけどね。
現代版ピッツェッレ。
↓
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ピッツェッレを含むナポリのフリツトのリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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ナポリ料理には様々な名物フリットがありますが、なぜか北イタリア、ましてや外国にはあまり広まっていないようです。
“ナポリのフリット”のシンボルの一つが、“ピッツェッレ”ですが、これもちょっとマイナー。
別名、ピッツァ・フリッタとも呼ばれます。
ナポリでも貧しい地区のストリートフードとして誕生した一品です。
ヴィットリオ・デシーカ監督の1954年の映画『ナポリの黄金/L'oro di Napoli』には、ナポリの道端で揚げピッツァを売る男が登場します。
奥さんは若きソフィア・ローレン。
こんな色っぽいおかみさんが揚げ物売ってる裏路地、ちょっと絵になりすぎ。
この夫婦は、生地を伸ばすのが奥さんで、揚げるのがご主人の仕事。
一般的にはピッツァイオーロのご主人が生地を伸ばすのですが、この映画の場合は、この設定が伏線になってます。
ちなみに、なじみ客の支払いはつけが普通。
一説には、8日たったピッツァと同じ値段、つまり格安で売ったので、今食べて8日後に払う、という意味の別名で呼ばれていたとか。
ナポリのピッツァには、よく知ってる焼いたピッツァとは別の顔があったようです。
食べると美味しいけどね。
現代版ピッツェッレ。
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ピッツェッレを含むナポリのフリツトのリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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2014年11月13日木曜日
イエージ
今日はイエージの話。
イエージと言えば、ヴェルディッキオ。
ヴェルディッキオ・なんちゃら・なんちゃら・イエージ、のイエージです。
ヴェルディッキオはイタリアの代表的な白ワイン、またはぶどう品種。
メイド・イン・イタリーのぶどうシリーズの切手。
マルケ代表。
↓
なんとこのワイン、「イタリアワイン界のみにくいあひるのこ」と呼ばれていたんだそうです。
つまり、あひるのこは、品質を追求した一部の有名生産者の力によって、白鳥になって世界に飛び立っていったんですねー。
ちなみにフルネームは、ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージDOC。
ヴェルディッキオのことは知っていても、カステッリ・ディ・イエージのことは全然知らない、のでは?
イエージはもちろん町の名前。
イエージの城(複数形)というからには城がたくさんある地方なのか。
なんでも、強力な王がいたのではなく、大領主の城を中心に開けた集落が集まった共同体なんだそうです。
つまり城下町の集まりですねー。
城下町というのは防御のために町を壁で囲む形に発展していくそうですが、イエージの城々も壁で囲まれています。
城の数は12とも14とも16だったとも言われて、ちょっとあいまい。
でも、共通点は、そのレンガの色。
マルケのこの地方のレンガはパンの皮の色と呼ばれているそうです。
パンの皮の色のイエージの壁。
↓
壁の上には通路があって屋根つき柱廊のようになっています。
その上は3~4階建ての住居部分。
カスカテッリ地区の大きな集落の一つが、クプラモンターナ。
こんな町→動画
小さな集落の一つ、モッロ・ダルバはこんな町→動画
マルケのは丘陵地帯で、海風を受けるため、オリーブやぶどうがよく育つと言われています。
ヴェルディッキオには、カステッリ・ディ・イエージと、マテリカという、2つの有名なDOCがあります。
この2つは、個性が全く違うワインなんだそうですが、その違いを生む最大の要因も海風。
カステッリ地区は海風を受ける比較的海に近い場所にあって、マテリカはもっと内陸にあります。
イエージが海に近いというイメージはなかったけど、イエージの壁は、トルコの海賊の襲撃から守るという目的もあったそう。
町の前を流れている川をさかのぼって来たのかなあ。
とにかく、海風によって、同じヴェルディッキオでも一段とフレッシュで、フルーティーでフローラルで繊細な風味が生まれるんだそうです。
一方、海の影響が少ない内陸のマテリカのヴェルディッキオは、頑丈なボディーを持った、長期熟成に耐える、なめらかなコクを持ったワインになるそうです。
マルケ名物、オリーブのアスコラーナでもつまみながらヴェルディッキオ飲めたら幸せだな~。
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グルメガイド“イエージ”の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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イエージと言えば、ヴェルディッキオ。
ヴェルディッキオ・なんちゃら・なんちゃら・イエージ、のイエージです。
ヴェルディッキオはイタリアの代表的な白ワイン、またはぶどう品種。
メイド・イン・イタリーのぶどうシリーズの切手。
マルケ代表。
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なんとこのワイン、「イタリアワイン界のみにくいあひるのこ」と呼ばれていたんだそうです。
つまり、あひるのこは、品質を追求した一部の有名生産者の力によって、白鳥になって世界に飛び立っていったんですねー。
ちなみにフルネームは、ヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イエージDOC。
ヴェルディッキオのことは知っていても、カステッリ・ディ・イエージのことは全然知らない、のでは?
イエージはもちろん町の名前。
イエージの城(複数形)というからには城がたくさんある地方なのか。
なんでも、強力な王がいたのではなく、大領主の城を中心に開けた集落が集まった共同体なんだそうです。
つまり城下町の集まりですねー。
城下町というのは防御のために町を壁で囲む形に発展していくそうですが、イエージの城々も壁で囲まれています。
城の数は12とも14とも16だったとも言われて、ちょっとあいまい。
でも、共通点は、そのレンガの色。
マルケのこの地方のレンガはパンの皮の色と呼ばれているそうです。
パンの皮の色のイエージの壁。
↓
壁の上には通路があって屋根つき柱廊のようになっています。
その上は3~4階建ての住居部分。
カスカテッリ地区の大きな集落の一つが、クプラモンターナ。
こんな町→動画
小さな集落の一つ、モッロ・ダルバはこんな町→動画
マルケのは丘陵地帯で、海風を受けるため、オリーブやぶどうがよく育つと言われています。
ヴェルディッキオには、カステッリ・ディ・イエージと、マテリカという、2つの有名なDOCがあります。
この2つは、個性が全く違うワインなんだそうですが、その違いを生む最大の要因も海風。
カステッリ地区は海風を受ける比較的海に近い場所にあって、マテリカはもっと内陸にあります。
イエージが海に近いというイメージはなかったけど、イエージの壁は、トルコの海賊の襲撃から守るという目的もあったそう。
町の前を流れている川をさかのぼって来たのかなあ。
とにかく、海風によって、同じヴェルディッキオでも一段とフレッシュで、フルーティーでフローラルで繊細な風味が生まれるんだそうです。
一方、海の影響が少ない内陸のマテリカのヴェルディッキオは、頑丈なボディーを持った、長期熟成に耐える、なめらかなコクを持ったワインになるそうです。
マルケ名物、オリーブのアスコラーナでもつまみながらヴェルディッキオ飲めたら幸せだな~。
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グルメガイド“イエージ”の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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2014年11月10日月曜日
マテーラ
今月の「総合解説」のグルメガイドで紹介している街は2つ。
その一つが、バジリカータ州のマテーラ。
その洞窟住居は世界遺産だし、現実離れした幻想的な光景を、ぜひ一度見てみたいと思って訪れる人も多いはず。
かくいう私も、その一人でした。
町の中を歩き回って不思議な世界だなあ、などと感じ、コジャレたレストランに入ってオシャレな町だなあ、なんて思って、今度はこの中のホテルに泊まりたいなあ、なんて無邪気に思っていました。
でも、グルメガイドのマテーラの話は、ショッキングな話から始まりました。
「マテーラのサッシ地区は、国の恥として解体する法律も認可され、数百人の住民はみじめな極貧の生活を送っていた。
家畜と一緒の家に住み、子供の死亡率は第三世界なみだった・・・。」
国の恥と言われてたなんて。
現在の観光地化した町しか知らないと、とても信じられません。
とても楽しげなミニマテーラの動画。
1963年のマテーラ
さらに昔のマテーラは、こんなに活気あふれる町でした。
動画
詳しい町の歴史はwikiでもどうぞ。
こちら。
バジリカータは、イタリアの中でも何故か一歩引かれているような州です。
バジリカータのことを語る時は、外国のように他人事な雰囲気。
というか、そもそも滅多に語りません。
地方料理に関しても、圧倒的に情報不足です。
多分、一番有名なマテーラ名物、パーネ・ディ・マテーラ。
動画
こんなに美味しいものができるんだから、素晴らしい食文化があるはず。
このパンの歴史にも、マテーラの浮き沈みは影響していました。
町が栄えていた頃は、このパンは各家庭で生地を作って町の共同かまどで焼いていまいした。
ところが、サッシが消えるにつれてこの習慣も消滅します。
ただ、素晴らしいのは町と同じで、このパンも復活するのです。
数件のパン屋さんによって伝統が守られて、完全に消滅することはなかったんですね。
2019年の欧州文化都市(wiki)に選ばれているマテーラ。
町の発展にも一層弾みがつくことでしょう。
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“マテーラ”のグルメガイド記事の日本語訳は「総合解説」2012年7月号に載っています。
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その一つが、バジリカータ州のマテーラ。
その洞窟住居は世界遺産だし、現実離れした幻想的な光景を、ぜひ一度見てみたいと思って訪れる人も多いはず。
かくいう私も、その一人でした。
町の中を歩き回って不思議な世界だなあ、などと感じ、コジャレたレストランに入ってオシャレな町だなあ、なんて思って、今度はこの中のホテルに泊まりたいなあ、なんて無邪気に思っていました。
でも、グルメガイドのマテーラの話は、ショッキングな話から始まりました。
「マテーラのサッシ地区は、国の恥として解体する法律も認可され、数百人の住民はみじめな極貧の生活を送っていた。
家畜と一緒の家に住み、子供の死亡率は第三世界なみだった・・・。」
国の恥と言われてたなんて。
現在の観光地化した町しか知らないと、とても信じられません。
とても楽しげなミニマテーラの動画。
1963年のマテーラ
さらに昔のマテーラは、こんなに活気あふれる町でした。
動画
詳しい町の歴史はwikiでもどうぞ。
こちら。
バジリカータは、イタリアの中でも何故か一歩引かれているような州です。
バジリカータのことを語る時は、外国のように他人事な雰囲気。
というか、そもそも滅多に語りません。
地方料理に関しても、圧倒的に情報不足です。
多分、一番有名なマテーラ名物、パーネ・ディ・マテーラ。
動画
こんなに美味しいものができるんだから、素晴らしい食文化があるはず。
このパンの歴史にも、マテーラの浮き沈みは影響していました。
町が栄えていた頃は、このパンは各家庭で生地を作って町の共同かまどで焼いていまいした。
ところが、サッシが消えるにつれてこの習慣も消滅します。
ただ、素晴らしいのは町と同じで、このパンも復活するのです。
数件のパン屋さんによって伝統が守られて、完全に消滅することはなかったんですね。
2019年の欧州文化都市(wiki)に選ばれているマテーラ。
町の発展にも一層弾みがつくことでしょう。
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“マテーラ”のグルメガイド記事の日本語訳は「総合解説」2012年7月号に載っています。
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2014年11月6日木曜日
リグーリア料理
今日はリグーリアの話。
下の2枚の写真は、リグーリアの世界遺産にも登録されている町、ポルトヴェーネレです。
リグーリアのリヴィエラと呼ばれる沿岸部は、現実のものとは思えないような美しい風景が続きます。
次の写真はジェノヴァを海から見た風景。
都市の背後に山が迫っています。
海と山にはさまれた細い土地がリグーリアです。
海には立派な港ができて、リグーリアは、海を向いて外の世界とつながってきました。
沿岸と内陸は、距離的には近いのに、コミュニケーション的には遠く隔たっています。
ジェノヴァの町と内陸を結ぶ鉄道、ジェノヴァ-カゼッラ鉄道
内陸にちょっと入っただけで都市部とはまったく違う顔。
↓
沿岸の大都市と内陸を結ぶ小さな鉄道です。
リグーリアの沿岸部を観光で訪れると、きれいだなあ、で終わってしまいますが、今月の「総合解説」には、
「リグーリア料理は、一般的なイタリアの地方料理とは違って、歴史ではなく、地形が作った料理だ」
という深~い一文があります。
リグーリアの地形は、平地が少ない。
畑も山の急斜面に作らなくてはならないのでこんな状態。
↓
こんな段々畑では、リグーリア中の需要をまかなうだけの収穫は、とうてい望めません。
そのため、リグーリア人は、あるものなら何でも工夫して使う、という技を発達させました。
天性の節約家で、ゼロから奇跡的なまでに美味しい料理を作り出すのがリグーリア人気質なんだそうですが、これは時には、ケチと呼ばれます。
さらにもう1つ、耕すだけでも大変そうな畑ですが、地中海の恵みを受けた温暖な気候のおかげか、オリーブをはじめとする作物は、上質なものができます。
なので、沿岸と内陸が出会った時、素晴らしい化学反応が起きるのです。
ついでに言えば、西がフランス、北がピエモンテで、洗練された食文化の影響もたっぷり受けました。
そんなドケチで多面性を持つリグーリア人が作った傑作料理の一つが、フィオーリ・ディ・ズッカのリピエーニです。
これが、こうなります。
フィオーリ・ディ・ズッカ料理は色々ありますが、花を、一般的な食材を使ってボリュームのある一品料理に変えてしまうという観点で見ると、なるほど、よく工夫されています。
きれいなところだけ見ていても、本質は分らない。
チンクエテッレ。
きれいだけど、暮らすのは大変かも。
リヴィエラ・ポネンテ(西海岸)の内陸部を紹介する動画→こちら。
そういえば、リグーリア料理の話をするとき、エントロテッラ(内陸部)というワードは欠かせません。
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“フィオーリ・ディ・ズッカ、リグーリア風”のリチェッタと記事の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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下の2枚の写真は、リグーリアの世界遺産にも登録されている町、ポルトヴェーネレです。
リグーリアのリヴィエラと呼ばれる沿岸部は、現実のものとは思えないような美しい風景が続きます。
次の写真はジェノヴァを海から見た風景。
都市の背後に山が迫っています。
海と山にはさまれた細い土地がリグーリアです。
海には立派な港ができて、リグーリアは、海を向いて外の世界とつながってきました。
沿岸と内陸は、距離的には近いのに、コミュニケーション的には遠く隔たっています。
ジェノヴァの町と内陸を結ぶ鉄道、ジェノヴァ-カゼッラ鉄道
内陸にちょっと入っただけで都市部とはまったく違う顔。
↓
沿岸の大都市と内陸を結ぶ小さな鉄道です。
リグーリアの沿岸部を観光で訪れると、きれいだなあ、で終わってしまいますが、今月の「総合解説」には、
「リグーリア料理は、一般的なイタリアの地方料理とは違って、歴史ではなく、地形が作った料理だ」
という深~い一文があります。
リグーリアの地形は、平地が少ない。
畑も山の急斜面に作らなくてはならないのでこんな状態。
↓
こんな段々畑では、リグーリア中の需要をまかなうだけの収穫は、とうてい望めません。
そのため、リグーリア人は、あるものなら何でも工夫して使う、という技を発達させました。
天性の節約家で、ゼロから奇跡的なまでに美味しい料理を作り出すのがリグーリア人気質なんだそうですが、これは時には、ケチと呼ばれます。
さらにもう1つ、耕すだけでも大変そうな畑ですが、地中海の恵みを受けた温暖な気候のおかげか、オリーブをはじめとする作物は、上質なものができます。
なので、沿岸と内陸が出会った時、素晴らしい化学反応が起きるのです。
ついでに言えば、西がフランス、北がピエモンテで、洗練された食文化の影響もたっぷり受けました。
そんなドケチで多面性を持つリグーリア人が作った傑作料理の一つが、フィオーリ・ディ・ズッカのリピエーニです。
これが、こうなります。
フィオーリ・ディ・ズッカ料理は色々ありますが、花を、一般的な食材を使ってボリュームのある一品料理に変えてしまうという観点で見ると、なるほど、よく工夫されています。
きれいなところだけ見ていても、本質は分らない。
チンクエテッレ。
きれいだけど、暮らすのは大変かも。
リヴィエラ・ポネンテ(西海岸)の内陸部を紹介する動画→こちら。
そういえば、リグーリア料理の話をするとき、エントロテッラ(内陸部)というワードは欠かせません。
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“フィオーリ・ディ・ズッカ、リグーリア風”のリチェッタと記事の日本語訳は、「総合解説」2012年7月号に載っています。
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2014年11月4日火曜日
テオ・ムッソのバラデン
前々回のブログで紹介した手作りスピリットの記事では、テオ・ムッソという人物も紹介しています。
この人、イタリアのビッラ・アルティジャナーレ(クラフトビール)の一番有名な造り手なんだそうです。
テオ・ムッソ氏の別名は、パパ・デッラ・ビッラ・アルティジャナーレ。
一人の天才の出現によってイタリアの美食業界に革命が起こったかのような、手放しの褒め称えようです。
ビールはワインにできないことができる、ということを、彼のビールによってイタリア人は発見したようです。
彼のビール工房の名前はbaladinバラデン。
webページはこちら。
ビール以外にも、ソフトドリンクからパネットーネまで、手広くやっています。
ワインとビールの融合も彼の取り組んでいるテーマの一つ。
下の写真はファッロとオルゾから造ってワイン用の樽で寝かせたバーレーワインという分類のビール、『ルーネ・リゼルヴァ・テオ・ムッソ2010』。
アンテイノーリ、リヴィオ・フェッルーガなど、イタリアの大手ワイナリーとの共同生産。
写真はノルウェーのオスロでの発表会の模様。
↓
自作のビールについて語るテオ・ムッソ氏
ルバーブやアマルフィのレモンなどから造ったソフトドリンク、“スプーマ・ネロ”、カラブリアとガルダ湖のチェードロから造ったチェドラータなど、とにかく自由奔放で繊細な発想が次から次へと湧き出ている人のようです。
バラディンのソフトドリンクのCM?
↓
最新作は、国産ホップを使ったイタリア初の100%イタリア産のビール、その名もナツィオナーレ。
このビールのテイスティング動画はこちら。
何をやっても成功してしまうまさに時代の寵児。
でも、ビッラ・アルティジャナーレの造り手は彼だけではないようで、というかむしろ、彼の成功に触発されて、続々面白い造り手が表れているようです。
目が離せないですねー。
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“自家製スピリッツ”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年7月号に載っています。
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この人、イタリアのビッラ・アルティジャナーレ(クラフトビール)の一番有名な造り手なんだそうです。
テオ・ムッソ氏の別名は、パパ・デッラ・ビッラ・アルティジャナーレ。
一人の天才の出現によってイタリアの美食業界に革命が起こったかのような、手放しの褒め称えようです。
ビールはワインにできないことができる、ということを、彼のビールによってイタリア人は発見したようです。
彼のビール工房の名前はbaladinバラデン。
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ビール以外にも、ソフトドリンクからパネットーネまで、手広くやっています。
ワインとビールの融合も彼の取り組んでいるテーマの一つ。
下の写真はファッロとオルゾから造ってワイン用の樽で寝かせたバーレーワインという分類のビール、『ルーネ・リゼルヴァ・テオ・ムッソ2010』。
アンテイノーリ、リヴィオ・フェッルーガなど、イタリアの大手ワイナリーとの共同生産。
写真はノルウェーのオスロでの発表会の模様。
↓
自作のビールについて語るテオ・ムッソ氏
ルバーブやアマルフィのレモンなどから造ったソフトドリンク、“スプーマ・ネロ”、カラブリアとガルダ湖のチェードロから造ったチェドラータなど、とにかく自由奔放で繊細な発想が次から次へと湧き出ている人のようです。
バラディンのソフトドリンクのCM?
↓
最新作は、国産ホップを使ったイタリア初の100%イタリア産のビール、その名もナツィオナーレ。
このビールのテイスティング動画はこちら。
何をやっても成功してしまうまさに時代の寵児。
でも、ビッラ・アルティジャナーレの造り手は彼だけではないようで、というかむしろ、彼の成功に触発されて、続々面白い造り手が表れているようです。
目が離せないですねー。
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“自家製スピリッツ”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年7月号に載っています。
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