モスカルディーニの話をしたついでなので、今日はタコの話。
タコは歯ごたえがあるので自然とよく噛んで食べることになり、そうすると満腹中枢が刺激されて、食事の量が減るんだそうですねえ。
しかもカロリーが低い。
血圧を下げて肝臓の働きを助けるタウリンや、コラーゲンも豊富と、かなり魅力的な食材です。
シチリアのゆでダコ
フィレンツェのホテル・ブルネレスキのレストラン、サンタ・エリザベッタの“タコのカンディート”
イタリアのタコ料理の代表的なものは、タコのサラダInsalata di polpoや、タコのアッフォガートPolpo affogatoといったところでしょうか。
サラダにする時は、じゃがいもやセロリが定番の組み合わせ。
このブログでもタコ料理は、こちら(ゆでダコとタコのカッチャトーラ)やこちら(タコのサラダとカルパッチョ)で紹介しています。
ちなみに、以前『タコ』のブログで吸盤が1列の砂場のタコについて書きましたが、これはモスカルディーニの一種のモスカルディーノ・ビアンコ(moscardino bianco/Eledone cirrosa)のこと。
(写真)
いわゆる普通のモスカルディーニ(ジャコウダコ)は、Eledone moschataという種類。
モスカルディーノ・ビアンコをマダコ(ポルポ)と間違えるケースも多いそうですが、そんな時は吸盤の列をチェック。
タコのアッフォガートは、ポルポ・アッラ・ルチャーナPolpo alla Lucianaとか、ポルポ・アッフォガート・アッラ・ルチャーナとも呼ばれます。
ルチャーナとは、ナポリの漁師町、サンタ・ルチーア地区のこと。
ポルポ・アッラ・ルチャーナのスパゲッティ
実は、伝統的なタコのアッラ・ルチャーナとは、タコの蒸しゆでの一種で、トマト煮ではありません。
でも、タコのトマト煮、つまりタコのアッフォガートのことをアッラ・ルチャーナと呼ぶ人が増えて、今ではトマト煮としてほぼ定着しているようです。
“タコのルチャーナ”はその名前からしてナポリ料理ですが、タコのアッフォガートは南イタリア各地にあります。
リチェッタも様々。
基本は、生のタコをタコから出た水分とトマトで蒸し煮にする、というもの。
アッフォガート(溺れた)という名前の通り、蓋をする前は溺れていないのに、料理が出来上がって蓋を取ったらタコが溺れていた!
↓タコのアッフォガートAffogato di polpo。
材料を鍋に入れてとろ火で3時間蒸し煮。
↓こちらのタコのアッフォガートは、まずオイルとにんにくでタコを炒めてからトマトを加え、35~45分煮ます。
↓そしてこちらは、アッラ・ルチャーナという名前のアッフォガート。
にんにくとプレッツェーモロをオリーブオイルでソッフリットにしてトマトのパッサータを加え、そこにタコを入れて30分煮ます。
タコのアッフォガートは煮汁も大切。
あぶったパンを添えてもいいし、スパゲッティのソースにしても美味しいですよね。
次回はタコのパスタのリチェッタです。
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』2008年3月号
“イカ、タコ”の記事の日本語解説は、「総合解説」08&09年3月号に載っています。
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ナポリでつくりました。たのの水分だけでにるのでなべのうえにおもしをのせて・・・じょうはつをふせぐようにしました。
返信削除italiamamaさん
返信削除なるほど重石ですか。
動画で鍋にオーブンシートをかぶせているのと同じ効果があるんですね。
ナポリのトラットリアで注文したら、小ダコが丸ごとどーんと出てきました。