今日はアスコリのオリーブの話。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事の解説です。
アスコリ(マルケ州)のオリーブについては、以前(2008.10.1のブログ)に一度書きましたが、今日はちょっと情報を追加です。
アスコリ名物のオリーブ料理、“オリーヴェ・アッラ・アスコラーナ olive all'ascolana (アスコリ風オリーブ)”は、塩水漬けのグリーンオリーブに挽肉のラグーがベースの具を詰めて、小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて揚げたもの。
オリーブを一回り大きくしたサイズで、指でつまんで食べる典型的なストリートフード。
一度食べると誰もがやみつきになってしまう味。
アップで
ロスティッチェリーアのアスコリのオリーブ
オリーヴェ・アスコラーネを5ユーロ分買う動画
↑
ずいぶん美味しそうに食べてますねー。
このアスコリ風オリーブに最も適しているオリーブ、と言われるのが、オリーヴァ・テーネラ・アスコラーナ・デル・ピチェーノ Oliva Tenera Ascolana del Piceno という品種です。
“テーネラ”とは、「柔らかい」という意味。
その名の通り、果肉が軟らかいのが特徴。
アスコリ種のオリーブはイタリア各地で栽培されている食用オリーブで(オイル用にもなります)、実の大きさが普通のオリーブの2倍ぐらいあり、果肉が厚いのが特徴。
『ラ・クチーナ・イタリアーナ』の記事にもある通り、3つのタイプがあります。
“ドゥーラ(ハード)”、“セミドゥーラ(セミハード)”、そして“テーネラ(ソフト)”の3種類。
中でも“テーネラ”は最上質のオリーブとみなされています。
さらに、“テーネラ”はDOP製品。
つまり、産地がアスコリ・ピチェーノ周辺に限定されている品種です。
アスコリ風オリーブは外国にも知られている代表的なイタリア料理の一つですが、“テーネラ”タイプのアスコリのオリーブを使った生粋の本場の味は、実は、地元以外では滅多に味わうことができないんだそうです。
その最大の理由は、オリーヴァ・テーネラ・アスコラーナは生産量が少なく、地元以外にはほとんど出回らないから。
“テーネラ”は、皮が薄いためにデリケートで傷みやすく、収穫に機械を使うことができないので、作るのが大変。
スローフードの後援食材にも指定されています。
本物のアスコリ風オリーブを食べるなら、アスコリ・ピチェーノに行くしかない。
でも、せっかくアスコリ・ピチェーノまで行って、“テーネラ”タイプではないオリーブのアスコリ風オリーブを食べても意味がないですよねえ。
とは言っても、ロスティッチェリーア(揚げ物やローストなどの総菜屋)やレストランでは、どんな品種のオリーブを使っているかまでは表示していないだろうなあ。
一番確実なのは、塩水漬けのオリーブを買うことでしょうかね。
もちろん、DOP製品のoliva tenera ascolanaであることをしっかり確認して。
塩水漬けのオリーヴァ・テーネラ・アスコラーナ
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関連誌;『ラ・クチーナ・イタリアーナ』'06年11月号
“オリーヴァ・テーネラ・アスコラーナ”の記事は、「総合解説」'06&'07年11月号、P.27に載っています。
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店で「これはオリーヴァ・テーネラ・アスコラーナですか?」なんて言ったら、「おぬし、やるのう」と思われるんでしょうかね。いいこと聞いちゃった(笑)今度言おう。へへへへ。
返信削除くるりさん
返信削除テーネラだったらいいけど、もしテーネラじゃなかったら、ちと気まずいかも~(笑)
そうかも〜(笑)
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