アマルフィ海岸の話、その2。
『ヴィエ・デル・グスト』の記事、“アマルフィ海岸”の解説です。
今日はワインの話。
アマルフィ海岸は、ほとんどが切り立った絶壁で、平地はごくわずか。
そんな土地で、何かを栽培するのは大変です。
アマルフィ海岸の典型的な風景, photo by grazie davvero
農地はほとんどが狭い段々畑。
一番よい場所では、収入の多い野菜や果物を栽培し、ぶどうは残りの場所で育てるので、さらに悪条件。
ところが、この地形が幸いしたのか、ヨーロッパ中を襲ったフィロキセラの被害を、この地方は受けなかったのだそうです。
だから、樹齢の古い樹がたくさんあります。
アマルフィ海岸のワインと言えば、コスタ・ダマルフィ Costa d'Amalfi DOC 。
フローレ、トラモンティ、ラヴェッロの3つのソットゾーナ(ラベルに地名が表示できる地区)があります。
フローレは、こんな町。
平らな場所がない!
なんと面積の50%以上が斜面。
ぶどう畑も、低い場所と高い場所では標高が400m以上も違うので、ぶどうの熟し具合も上と下ではだいぶ違います。
そんな過酷な環境で造られているコスタ・ダマルフィ。
情熱がないとできないことですねー。
コスタ・ダマルフィには、赤、白、ロゼがあります。
赤とロゼは、アリアニコとピエディロッソが中心。
白は、ファランギーナとビアンコレッラが中心。
代表的な造り手は、マリーザ・クオモという名前で知られるグラン・フロール・ディヴィーナ・コスティエーラ。
マリーザさんと夫のアンドレアさんが経営するカンティーナです。
カンティーナのhpはこちら。
www.granfuror.it
代表的なワインは、白のフローレ・ビアンコ・フィオルドゥーヴァ Furore Bianco Fiorduva 。
こんなワイン。
www.granfuror.it/img/vini/fiorduva_b.jpg
素晴らしい組織と複雑なアロマのあるエレガントなワイン、
岩のミネラル分や地中海の低木の香り、太陽の強さのあるボディーが感じられるワイン、
など、専門家は、コスタ・ダマルフィの中では最高ランク、と高く評価しています。
フローレの断崖絶壁の地形は、“フローレのフィヨルド”と呼ばれているのですが、このワインの“フィオルドゥーヴァ”という名前は、フィヨルド fiordo とぶどう uva をかけているんだそうです。
つまり、海と大地、という思いが込められています。
赤のフローレ・ロッソ・リゼルヴァ furore rosso riserva も力作と評価されています。
コスタ・ダマルフィは地元の料理によく合うワイン。
アマルフィ方面へお出かけの際は、ぜひお試しを。
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関連誌;『ヴィエ・デル・グスト』2007年7/8月合併号
“アマルフィ海岸”の記事の日本語訳は、「総合解説」'06&'07年7月号、P.34に載っています。
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