2025年9月13日土曜日

トリュフの生存戦略にどっぷりはまったのは人間。

アルバの白トリュフの話をして思い出しました。ピエモンテで一番重要で来場者の多い食のイベント、アルバの白トリュフ国際見本市は、現在開催中。10月11日~12月8日まで開催されています。
トリュフが解禁されるのは、9月末から1月末まで。webページはこちら
アルバに行くなら、この間です。

アルバの白トリュフ国際見本市、今年は95回め。





白トリュフ。


その香りで動物を虜にして掘り起こさせ、食べられることによって遠くに運ばせる、というトリュフの生存戦略は、豚より人間にはまったよう。多分逆らうのは無理。無駄な抵抗はやめてどっぷりトリュフにはまるしかない。
トリュフ犬に最適、と言われているのはラゴット・ロマニョーロという犬種。子犬の頃から訓練する。毎年この時期になるとかしこいワンちゃんがトリュフを探している様子を見たくなります。日本のワンちゃんはここ掘れワンワンと教えますが、イタリアのわんこは掘りながらquarda qui guarda qui/ここ見て、ここ見て、と教えます。

わんこと一緒に行うトリュフ狩り。


個人的には、トリュフ犬に匹敵するのがトリュフをサーブするカメリエーレだと思ってます。


タヤリンの白トリュフがけ



緊張してレストランのテーブルに座っているお上りさんの世界中の観光客を前にして、トリュフを削るカメリエーレは、やけに堂々としてかっこよく、得意げに、時価の白トリュフを景気よく、永遠に削り続けるのです。いったいこれでいくらになるの・・・とおびえて、もういいです、と言いたくなるのをぐとこらえる、多分、みんなそうだよね。しばらくすると、ようやく満足したのか、カメリエーレはトリュフを削るのを終了します。でも、その瞬間気が付きました。このトリュフを削りかけるパフォーマンスも含めて、この料理は完了するのです。なので、ある意味、このパフォーマンスの瞬間は、この料理のピークなのでした。香りを味わうという、とても象徴的な食材、トリュフは、料理を味わっている空間を特別なものに変身させます。そこにカメリエーレの洗練された所作が加わると、一生残る体験になります。オ―バーなようですが、レストランからの帰り道、星で覆い尽くされたアルバの夜空を見上げた時の感動は、今でも覚えています。

ちなみに、料理に加えるトリュフの適量は、黒も白も9~10g。

アルバの注目シェフ、リストランテ・ピアッツァ・ドゥオモのエンリコ・クリッパ。



ピエモンテの人はみんなベテランカメリエーレやトリフォラウみたいで美食意識がすごく高い。

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