2024年8月13日火曜日

パスティエーラのベースはパスタ・フロッラ。笑わない王妃たちを笑顔にしたという都市伝説が残るドルチェ

ナポリの、そして今ではイタリアの復活祭を象徴するドルチェになったパスティエーラの話、続けます。
そもそもパスティエーラpastieraには、「昨日のパスタpasta di ieri」という意味があります。
パスティエーラのベースはパスタ・フロッラ、“pasta frolla”。最低2日前に作ります。

作ってから最低二日たつと記事が締まって崩れにくくなり、風味も一番強くなります。
付け合わせのお薦めはジェラートやオレンジソース。

アマルフィのミノーリのパスティッチェリーア・サル・デ・リーソは、カンパーニアの大人気パスティッチェリーアの1つ。パティシエのデ・リーソは、デリツィエが大成功した人物。このドルチェも、一度食べたら虜になります。

デ・リーソのパスティエーラ

パスタ・フロッラの説明は、動画の最初の部分。
パスティエーラには、グラノ・コットという主役がいるのでつい流してしまいがちですが、このパスタ・フロッラは、パスティエーラのベース。

デリツィエ御殿のパスティッチェリーア・サル・デ・リーソ



イタリアのパティシエの巨匠、イジニオ・マッサーリのパスタ・フロッラ。専門家はフロッラって言うんですね。


クロスタータのベース、パスタ・フロッラの動画はたくさんあります。

パスティエーラは都市伝説がたくさんあるドルチェ。例えば、ブルボン家のフェルディナンド2世の妻、マリア・テレジアは「決して笑わない王妃」と呼ばれていました。そんな王妃でもパスティエーラを食べた時は思わず微笑んだそう。それを見たフェルディナンド2世は、「次に妻の笑顔を見るのは来年の復活祭まで待たねばならない」と言ったそうです。
マリー・アントワネットの姉で両シチリア王でブルボン家のフェルディナンド1世の妻、マリア・カロリーナ・ダズブルゴは、いつも夫と喧嘩が絶えなかったのですが、パスティエーラを一切れ食べると笑顔になったといいます。

パスタ・フロッラは手の熱が伝わらないように手早くこねる生地。熱が伝わると伸ばしにくくなり、焼いた後に堅くなるので、焼く前にアルミホイルに包んで冷蔵庫で最低1時間~1日休ませます。

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