2024年5月31日金曜日

生クリームを固める方法は今ならゼラチンだけど、昔のパンナ・コッタは羊の心臓の皮を塩水に長時間浸した。これはブロードが固まる煮凝りと同じ原理か・・・。

(CIR2月号)の今日の料理は“パンナ・コッタpanna cotta”です。
様々な文献で調べたのですが、情報はとても少ないです。
今回の記事(P.19)で分かったのは、エットーレ・ソンジャというシェフが、60年代にi tre citrronというクーネオで最初に星がついたレストランのメニューに加えたのが最初、という説があるようですが、他にも各説があるようです。
いずれも言えるのは、イタリア中のトラットリアやレストランで人気のドルチェで、外国にも広まり、イタリアを代表するドルチェの一つになった、ということと、ピエモンテのサボイア家系のドルチェだということ。サルデーニャ王のカルロ・アルベルトや、美食家の初代イタリア王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の好物だったそうです。

パンナ・コッタ

(CIR)のリチェッタはP.20。
このドルチェのポイントは、牛乳を固める、ということ。今なら板ゼラチンを溶かす、ですんじゃう話ですが、昔は、雄羊の左心室の皮を塩水に40時間浸すというとかいう、都会の家庭じや絶対に不可能な方法が一般的だったよう。これじゃ広まらないですよねえ。
でも、ブロードが固まる現象を考えると、豚足などコラーゲンが豊富な部位を煮込む、というのが一番身近な方法、というのも納得。アルトゥージを始めとするイタリア料理研究家の多くが無視していて、知られてきたのは最近、と言うのも納得です。
今回は、記事にも載せたパンナ・コッタやピエモンテの伝統料理を出すお薦め店の動画をどうぞ。
まずはクーネオのボッコンディヴィーノ。スローフードが誕生したオステリアです。

次はアスティのオステリア・デッラルコ。パンナ・コッタにトリュフをかけてますねえ。
この店は卵黄40個のタヤリンも名物なので、きっとトリュフは常時たっぷりあるのでしょう。とは言え、もったいない感半端な~い!


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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
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