2024年5月29日水曜日

大統領官邸、クイリナーレ宮でアメリカ大統領夫妻に出したカムット小麦のトンナレッリには高度なおもてなしがたっぷり秘められていました。

(CIR2月号)から、今日は“大統領官邸の料理”の話です。
イタリアの大統領官邸は、ローマのクイリナーレの丘の上にある歴史的建物、クイリナーレ宮です。
記事にもある通り、クイリナーレ宮は世界最大の大統領官邸。ホワイトハウスの20倍だそうです。

現在の総料理長は、ファブリツィオ・ボーカ。


今回は、大統領官邸を取材したジャーナリストと写真家の本からの料理の再現ですが、一般市民にとって興味を引くのは、世界的な元首たちのエピソード。

リチェッタを紹介しているのはエリザベス女王、オバマ大統領、国際オリンピック委員会会長のために作られた料理。
調理のレベルは最高でも、大金をかけた料理ではなく、イタリアを現す旬の特徴的なものを使った料理です。
2014年3月27日のオバマ大統領夫妻に提供された料理は、“カムット小麦のトンナレッリ、ラグー・ビアンコがけ”

トンナレッリは別名キタッラ。アブルッツォの断面が四角いパスタです。
カムット小麦は古代小麦の一種で、ファッロの一種と考えられています。たんぱく質が豊富で、一般的な小麦より40%多いと言われています。
硬質小麦の祖先と言われるこの小麦は、アメリカ軍兵士がエジプトの墓の遺跡で見つけて、モンタナで農業を営む知人に送ったものでした。なので、アメリカでは知名度も高いし、親しみもある品種。この小麦の栄養価に注目したある農学者がこの品種を商標登録し、カムート・インターナショナルという会社を作り、カムット小麦と関連製品に関する権利と品質管理を独占的に行いました。そして世界的に知られる小麦に成長したのです。
カムット小麦のフレッシュパスタをアメリカ大統領夫妻に出すというのは、深~いもてなしの意味があったのかも、と思える1品です。

このパスタを食べた大統領夫妻は、その後、厨房までシェフに挨拶に行ったそうです。

カムット・インターナショナルの社長がインタビューに答えてました。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
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