2024年4月1日月曜日

トリュフを削りかけるパフォーマンスは料理のクライマックス。信じられないくらい山盛りにするのが基本。

キャビアとトリュフの話、続けます。
今日はトリュフ。
ゴージャスな食材のイメージがある両者ですが、イタリア人にとっては、シンプルな目玉焼きでも、トリュフを散らすと、あっという間にクリスマス料理になっちゃうそうです。

目玉焼きのトリュフがけ
トリュフ料理のクライマックスはカメリエーレがお客の前で料理にトリュフを削りかける場面。私はアルバのレストランでこれをやってもらいましたが、トリュフのことは値段が時価な食べ物、ということ以外何も知らず、観光客丸出しで、目を点にして、カメリエーレがトリュフをいつまでも削りかけているのを目を真ん丸にして見守っていました。最初は景気いいかけかただなあ、なんて余裕で見てましたが、次第にお、おおすぎ~、いいかげんやめて~と焦り出しました。でも、さすがにもうやめてとは言えない。どきどきしちゃいましたが、もちろん、一口食べると、もうすっかりトリュフの生存戦略に組み込まれていました。その後、この量も普通だったことを知り、トリュフを削りかけるというこれだけのことがすんごいパフォーマンスなのだと知りました。下の料理とのギャップが大きいほど、インパクトも大きくなります。

卵焼きのトリュフがけ

    (CIR2021年12月号)のキャビアとトリュフのリチェッタは(P.25~)は、どちらも、じゃがいもと組み合わせています。“じゃがいものタルタルのキャビアのせ”は、マッシュポテトにベルーガ・インペリアル・キャビアをのせた1品。じゃがいもなのに貴族感マシマシです。
一方トリュフは、“じゃがいもトルティーノの卵のポシェとアルバの白トリュフがけ”。

インペリアルキャビア

ポテトのタルタル


もう一品はモッツァレラのスプーマとブリニ添え。世界中でキャビアはブリニで食べます。

トリュフは地下にできるきのこで、あの香りで、リスや野ウサギ、猪の鼻を刺激して、地面を掘り起こさせ、トリュフを別の場所に運ばせる高度な生存戦略です。
栽培できない、というのも生存戦略なのでしょうか。
古代の人は、トリュフはゼウスが聖なる木、オークの根元に落とした稲妻から生まれる、つまり神の贈り物と考えていました。
イタリアでは、様々なトリュフができます。
トリュフには白と黒があって、加熱して使うフランスに多い黒、加熱せずに使う、イタリアのトリュフの代名詞、白が有名ですが、イタリアには色も香りも、旬の時期も違う様々なトリュフがあります。

アルバの白トリュフのディーラー

あの時の私を含むお上りさんの観光客たちがアルバのレストランの顧客なんですね。

業務連絡です。
もうすぐ(CIR2022年1月号)を発売します。
2022年の定期購読が始まりますが、その前に、住所に変更があった方は、至急ご連絡ください。
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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

現在、2021年の号を販売中です。それ以前の号と、旧総合解説はシステムの変更のため販売を終了しました。
現在販売している(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)のバックナンバーは、2021年1~12月号です。
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