2024年3月22日金曜日

リグーリアのサラダの女王、カッポン・マーグロは、船の上で何か月も過ごしてきた海軍の船員たちを出迎える歓迎のご馳走でした


(CIR2021年12月号のリチェッタは)各州のクリスマス料理。
今日はリグーリアの料理、カッポン・マーグロのテリーヌCappon magro in terrinaです(リチェッタはP.9)。
なかなかインパクトのある名前の料理ですよね。
リグーリアの歴史的スペチャリタで、サラダの女王。
クリスマスらしく、魚と野菜のサラダで肉類は入りません。
カッポンとはcappone/カサゴのこと。
カサゴを使う、またはカサゴが入るような豪華な、という意味です。
様々な食材を使うので、下ごしらえが大変な、手間のかかる、ある意味では日曜日の料理です。
カッポン・マーグロ

この料理には、リグーリアならではの背景があります。
つまり、海洋国家ジェノヴァを擁するリグーリアでは、一家の主が海軍の船員だったのは珍しくはなく、例えばこの料理にも乾パンが使われています。

実は昔、リグーリアまで行ってレストランの厨房でカッポン・マーグロを作るところを見学させてもらったことがありますが、実は、シェフもこの料理について歴史や背景をあまりよく知りませんでした。
海軍の船長の帰宅を祝う料理だそうですよ。そりゃ、今時の人は知らないですよねえ。海軍の船員たちは何ヵ月もの間、船の上で乾パンと干ダラを食べていたそうです。
そんなお父さんを歓迎するための精一杯のご馳走だったんですね。
ただ、ここにも時代の流れがあって、今ではカッポン・マーグロは豪華なパーティー料理じゃなくて、一人前サイズでサーブされる料理になったそうです。

例えば下の動画のアスピック。さらに(CIR)のリチェッタはテリーヌです。カラフルな食材を重ねるので、かなり華やかな料理。ポイントはスイスチャードの鮮やかで濃い緑の葉とサルサ・ヴェルデ。緑色とよく合う料理なんですね。

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(CIR)は『クチーナ・イタリアーナ』と『サーレ・エ・ペペ』という2冊のイタリア料理の月刊誌のリチェッタと記事を日本語に翻訳した約50ページの小冊子です。
価格は1冊\900(税・送料込)、1年12冊の定期購読だと15%引きの\9200(税・送料込)になります。紙版と、ネット上にupするPDF版があります。PDF版の価格は\800/号、定期購読は\7700/1年12冊です。料理雑誌も販売しています。

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