2024年1月15日月曜日

カルナローリは“噛む”米。煮汁を吸いこみながら歯ごたえは保つ。

イタリアの米の話、続けます。
西洋では、米の歴史にアレクサンダー大王や十字軍が登場します。
知ってる米とは、ちょっと違う歴史なんですね。
(CIR/10月号)の記事にもあるように、米は世界的に研究が盛んになり、様々な名前の数々の米が造りには出されましたが、当時はまだ食文化の概念がない時代。
イタリアで造られた米があちこちで栽培されて米の品質の認識について、混乱も引き起こしました。

中でもカルナローリは日本のこしひかりのような大成功したブランド米。
イタリアにはリゾットという独特の米料理がありますが、カルナローリは、煮汁を吸いみながら歯ごたえは保つリゾットには最適の米。

始めてミラノでリゾットを食べた時、ナポリで初めてピッツァを食べた時の体験を思い出しました。
それまで食べたことのあるピッツァとはまったくの別物で、どうしてこの街のピッツァはこんなに美味しいのか感動し、他の街のピッツァは、イタリアと言えどもどうしてこんなに違うのか、不思議でした。
その後フランスでパスタを食べた時も、イタリアのパスタとはまったく別物で驚きました。
ミラノのリゾットは、日本の米の、それまでリゾットだと思っていたものとはまったく違いました。ミラノのリゾットは、米が一粒一粒主張していました。(CIRの記事にある通り)カルナローリは“噛むmasticare”米でした。それ以来、私のリゾットに対するイメージは一新されました。
カルナローリは、1945年にヴィアローネ種とレンチーノ種のハイブリッドを選別して作りだされた、イタリアの米の分類だと太くて長い米、スーペルフィーノ米を代表する品種です。リゾットの造り方を熟知している農家や研究者がリゾットのために作った米。

いまだにイタリアの米は混乱を引き起こしています。簡単には信頼できない、と考えている消費者もいます。リゾットの文化がないと活かせない米です。


カルナローリ・クラッシコはこれらの混乱を解決するためにも、必要性があって生まれた品種。カルナローリはカルナローリ・クラッシコとは違う米です。値段も違います。カルナローリ・クラッシコはお高いんだそうです。でも、安い食品は、食の大量生産、食品の工場化から生まれるものということは、そろそろ知れ渡っている時代。その違いを認識することが必要なのです。下の動画では、カルナローリ・クラッシコは米のサラダではなく、リゾット用に生まれた米、と主張しています。

次回はカルナローリのリゾットのリチェッタ。


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