2023年12月28日木曜日

田舎風ごった煮のズッパのリグーリアのブッリダは、マルセイユのブイヤベースになると洗練された魚のスープになり、さらにその先に魚のしゃぶしゃぶがあった。生魚のブッリダは寿司のイタリアンロールまであと一歩。

今日のイタリアの定番地方料理は、リグーリアのブリッダです。
聞いたことないなあ・・・。こんな料理です。↓
(CIR)10月号のリチェッタはP.16

ズッパ・ディ・ペッシェの一種。
ブリッダburidda。

田舎風ズッパにありがちなゴッタ煮ですが、
ブッリダの語源はアラビア語という、なにやらインターナショナルな異文化の影響が感じられそうな料理。材料の豊富さからはご馳走感が伝わってきますが、見た目が田舎風で残念。
という訳で、この伝統料理を現代風にするには、どうしたら良いでしょうか。
(CIR10月号)のリチェッタは、かなり大胆な解決策です。魚を生のまま盛り付けて、魚の粗で取った熱いブロードに浸して軽く火を通して食べる、しゃぶしゃぶ方式です。煮汁と魚を別々に盛り付けるマルセイユのブイヤベース方式をさらに進めて、ズッパの時より10倍はご馳走に見えます。

そういえば、マルセイユはプロバンス、リグーリアとは海岸線続き。ブイヤベース風アレンジは、当然の結果。そこから生魚のしゃぶしゃぶが生まれるなんて、革命的(CIR)10月号のリチェッタはP.16。生のイカやスカンピを皿に盛り付けた姿は、あと少しで次の進化系、寿司です。
マルセイユのブイヤベース。

ブロード・ディ・ペッシェ。

ガンベロ・ロッソと生魚の盛り合わせ。生魚の盛り付け方がヨーロッパ風。

イタリアのスーパーの寿司の充実具合にびっくり。近所のスーパーよりはるかに充実してる。イタリアン・ロールちゅうもんがあるんだって。モッツァレラとアボカドとトマトと生ハムの巻き寿司なんて、超ありそう。

いつの間にか、世界が生の魚を食べるようになってるんだなあ。


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2023年12月27日水曜日

祝日やお祭りのパスタ、カネロニ。具はたっぷり、イタリア料理にしては珍しく、リッチさを心がけながら作るご馳走パスタ。アブルッツォのスクリッペッレはフレンチとイタリアンがミックスされた料理。

北へ南へと、今月の(CIR)のリチェッタは、飛び回ってますが、今日の料理は、きのうのパスタつながりで、シチリアのパスタ。
“シチリア風カネロニCannelloni alla siciliana”です。(CIR10月号)のリチェッタはP.10。

そもそもカネロニは、シチリア語ではcannidduniとか言うらしいですが、お祭りや祝日、日曜日のリッチな料理。

ほうれん草とリコッタのカネロニ。

ほうれん草とリコッタの具を乾麺に詰めるカネロニ。もっとリッチな具なら、牛肉とカチョカバッロなど。モダンバージョンはパスタじゃなくてクレープに詰めます。

カネロニは、パスタの分類でいうと、詰め物入りの生麺のパスタ、パスタ・リピエーナpasta ripiena。代表的な詰め物入りパスタはラビオリ。四角や三角、丸、半円形などが一般的ですが、カネロニはベースの四角い平らな生地、パスタ・リッシャを巻いて筒形にしたかなり現代的なパスタ。

ラグーを詰めたカネロニ。

クレープのカネロニ。

フランス料理の影響がパスタにまで及んでいる例の一つですが、クレープの他に、シュー生地もパスタの世界に入り込んでいます。クレープはカネロニ以外にも、細く切ってタリアテッレにしてブロードに入れたりします。アブルッツォでは、スクリッペッレscrippelle と呼んで地方料理の中にしっかり入り込んでいます。

スクリッペッレ。

ブロードによく合います。


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2023年12月26日火曜日

ラツィオとシチリアのカリフラワー料理。

今日の料理は、カリフラワーのイン・パステッラcavolfiore in pastella(リチェッタはCIR10月号P.16)。
ラツィオの伝統料理です。
今日の料理は、珍しくチーズが入らない料理。
カリフラワーは、シチリアちてうイメージで、ラツィオの名物野菜だったというイメージはあまりなかったけど、改めてラツィオ料理を調べてみると、ちらほらカリフラワー料理が見つかりました。そういえば、ロマネスコなんて野菜もありました。

ナイフとフォークで食べるカリフラワーのフリッター。

世界的に人気のカリフラワー料理6品。

ラツィオのカリフラワー料理と言えば、アンチョビ風味。
にんにくとアンチョビを熱したオリーブオイルをゆでたカリフラワーにかけてなじませるシンプルな1品。


パスタにも応用できる。


シリアのカリフラワー料理、まずはカターニアのカリフラワーのアッフォガート。
白いカリフラワーを赤ワインで溺れさせるという、グルメで知られるカターニア人の超絶美食感覚に満ちた1品。

シチリア風カリフラワーのパスタ。アンチョビのパスタにレーズンと松の実、パン粉、サフランが加わります。
シチリアでカリフラワーは白だけではなく、緑と紫のカリフラワーもあります。



紫カリフラワーのリガトーニrigatoni con cavolfiore viola

カリフラワーのパスタのバリエーションはトマト入りとトマトなしのロッサとビアンカ





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2023年12月25日月曜日

牛は北から南まで、あらゆるところで飼育されてるけど、マッターホルンにもいた。

今日の料理は、“コストレッタ・アッラ・ヴァルドスターナCostoretta alla valdostana。”
長い名前だけど、地元(ヴァッレ・ダオスタ)では、短く“ヴァルドスターナ”と呼びます。
(CIR10月号)のリチェッタは、P.21。
コストレッタはこの地方の人気料理。
と言うか、ミラノ風でおなじみコトレッタはイタリア料理でも最も愛されている肉料理。

コトレッタ・ミラネーゼ。

ヴァルドスターナ。

ヴァルドスターナは別名ポルタフォーリオ。ハムとフォンティーナをはさみます。
今回、(CIR)の伝統的なリチェッタでは豚ロースを使い、モダンなリチェッタでは子牛肉を使っています。
ヴァッレ・ダオスタでは、子牛肉で作り、骨付きも骨なしも両方あります。
そもそも、安くない肉を使う料理だったので、庶民の間ではあまり広まりませんでした。
ヴァッレ・ダオスタで肉と言えば、豚肉かジビエで、牛は処分しなければならない時だけ捌いて塩漬けにして保存しました。牛肉を食べる習慣がなかったのです。
ヴァッレ・ダオスタはイタリア最小の州です。
モンブランやマッターホルンといった4000m級の山々で知られています。

ヴァッレ・ダオスタ。

マッターホルンの三角形の山頂部分の姿、覚えておいてそんはない。

牛肉を食べる習慣がなかったこの地方で、牛肉を食べるようになったのは、観光客が訪れるようになったためです。
子牛肉を使った名物料理まで誕生しました。

ヴァッレ・ダオスタの料理。


ヴァルドスターナと並ぶ名物料理、“フォンドゥータfonduta”。

この料理やヴァルドスターナに欠かせないチーズがフォンティーナです。このチーズのラべルに描かれている山の姿は、マッターホルンの山頂。
この地方の牛は雲の中で飼育されてるんだって。食べてるものが違うから、平野のチーズとは明らかに違うと、物静かだけどプライドと自信に溢れた発言。こんなに大事に育てている牛を食べるなんて、ありえない・・・。


今日はここまで。
おまれはアオスタのクリスマスマーケット。


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2023年12月23日土曜日

ピッツォッケリはロンバルディアのそば粉のパスタ。アルティジャナーレの製品は職人が細長い包丁でカットする。

(CIR10月号のリチェッタ)から、次はピッツォッケリです。
ロンバルディアのバルテッリーナ地方のテーリオの料理です。
そば粉とサボイキャベツのパスタ。

加えているチーズはカゼーラ主体で硬質チーズも加える。
テーリオのアルティジャナーレのそば粉のパスタ。イタリアではパスタ打ちはかつては女性の仕事のイメージ。

ヴァルテッリ―ナのピッツォッケリの旅。

ヴァルテッリ―ナの名物チーズ、カゼーラCasera。北の山のチーズ。

ヴァルテッリ―ナではカーチョ・エ・ペペと言ったらカゼーラとこしょうのことだって。


フライパンに山のバターとパスタのゆで汁を温めて溶かし、そこに山の香りがするおろした若いカゼーラとゆでたパスタを加えてマンテカーレします。そして皿にレードルとトングでニード形に盛り付けます。よく見たら、サボイキャベツもじゃがいもも入ってない、まさにヴァルテッリ―ナ風カーチョ・エ・ペペ。

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2023年12月22日金曜日

トリュフの香りにはさからえない。トリュフ犬も人間も、一緒なのです。

今月の(CIR2021年10月号)のリチェッタは、“各地の定番料理をモダンにアレンジする”というテーマですが、
はからずも、各地のド定番料理の盛り合わせになっています。
ベネトのチケッティの次は、ウンブリアのど定番。ノルチャ風スパゲッティ(P.11)です。
これはつまり言い換えれば、トリュフのスパゲッティです。

さらに言うなら、トリュフさえ手に入れば超簡単なパスタ。

きのうのノルマ風パスタと比べると、仕上げに大きなリコッタ・サラータを卓上でおろしながらかけるのは同じ。目の前でおろしながらかけるというのは、インパクト大きいんですねえ。
個人的にはスパゲッティよりタリオリーニ。トリュフはこのくらいたっぷりかける。
始めてアルバでトリュフのパスタを食べた時は、出てきたトリュフは小さかったものの、それがカメリエーレの手にかかると魔法のように無限に削りかけられるので、いったいいくらになるのか・・・、とビビってました。
でも、翌日になると、トリュフの香りが忘れられなくて、もっと食べたい、もっとかけて、となるのです。2~3日で消えるだろうと思っていたのですが、日本に戻ってからもこの状態は続き、結局トリュフオイルを購入してパスタに垂らして、ようやくおさまりました。
その後、トリュフのことを詳しく知り、これがこの菌糸体の生存戦略だと知り、まんまとトリュフ犬なみにその罠に引っかかった・・・と、トリュフのすばらしさに感嘆したのでした。
トリュフは、出会っちゃうと多分一生追い求めることになるので、最初が肝心です。このパスタは上にたっぷり削りかけるまでがリチェッタ。

下の動画はおばあちゃんから教わった、伝統的ウンブリアのトリュフのタリオリーニ。
トリュフは包丁で刻んでにんにくアンチョビと一緒にオイルに入れてソッフリットにします。
トリュフはウンブリアの宝ぐらい言うかと思ったら、“トリュフはウンブリアの未来”だって。半端じゃないですね。


イタリアでトリュフ犬と言えば、ラゴット・ロマニョ―ロ種。



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2023年12月21日木曜日

シチリア料理にはパルミジャーノよりリコッタ・サラータ。

イタリアのおろして使う硬質チーズの話をしてます。
最初はパルミジャーノとグラナ・パダーノの話をしていたのですが、イタリアの硬質チーズに欠かせないのがペコリーノ。
で、ペコリーノの話をするなら避けては通れないのがリコッタ。
さらに、リコッタにはおろして使うタイプのリコッタがあります。
その代表がリコッタ・サラータ。




リコッタ・サラータは、リチェッタには度々登場するチーズでも、北イタリアではあまり見かけることがなく、リコッタ同様、謎なチーズでした。ところがシチリアに入ったとたんに、そこらじゅうでリコッタ・サラータを売っていて、シチリア料理には欠かせないチーズ、ということを実感しました。

リコッタ・サラータ。

リコッタ・サラータは、羊乳のホエイを加熱して凝固させ、水分を切ってプレスし、塩を加えて熟成させたもの。
心地よい塩気と酸味があり、7~40日熟成させたものはおろして使う。他の硬質チーズと比べてカロリーが低い。
お薦めの料理はプーリアを象徴する料理、チーメ・ディ・ラパのオレッキエッテ。


リコッタ・サラータはシチリアの名物。リコッタ・サラータは、リコッタを保存するために加工したもの。シチリア料理には欠かせないチーズで、シチリアの名物パスタ・パスタ・アッラ・ノルマにも仕上げにリコッタ・サラータをおろしながら散らします。

パスタ・アッラ・ノルマ。

ナスとトマトのパスタにはリコッタ・サラータ。


そもそも硬質チーズをとりあげたきっかけは、北イタリアのチーズ、アジアーゴでした。
中央イタリアの硬質チーズ、ペコリーノ・ロマーノは、アマトリチャーナなどに合います。



次回はそろそろ今月のリチェッタに戻ります。


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2023年12月20日水曜日

リコッタ・ロマーナはリコッタの最上級品。ところで、羊(ペーコラ)のミルクって、見たことある?


今日のお題は、きのううっかり脱線しかけたリコッタについて。
リコッタは羊飼いの国から生まれたイタリアが誇る乳製品。

チーズを作った時に残ったホエイを再び熱して作る“リコッタ(二度煮る)”という製法がそのまま製品の名前になっている。チーズではなくミルクの二次加工品と分類されている製品。
ミルクからはチーズとリコッタができるので、リコッタは明らかにチーズではない。
加熱する時の温度は70~75℃以上、熱によって固まった白いカードがすべて表面に浮かび上がったら掬い取って切り株形の水切りの役目もある型に入れる。

もう少し詳しく説明すると、ホエイはまず50~60℃に熱し、こに加えることが認められている添加物は同じ羊の全乳を総重量の15%以内のみ。これによってクリーミーで柔らかいリコッタになる。さらにそのあとすぐに90℃に熱し、軽く沸騰させる。これによって乳清タンパクが固まり、小片状になって表面に浮かび上がる。5分ほど加熱すると全部の乳清タンパクが固まるので、これを集めて取り出し、切り株形の型に入れて8~24時間乾燥させる。

紀元前2世紀のローマでは、牧畜業の規則が色々定められていた。羊のミルクの利用方法は

3種類に分類されていた。宗教用の飲み物、チーズ、リコッタだ。

リコッタはイタリア各地で造られていて、産地によって特徴が違う。その中でもリコッタ・ロマーナは上級品として知られる。DOPを獲得した唯一のリコッタでもある。

現在のリコッタ・ロマーナDOPは、ラツィオ州の羊の全乳を使うことが法律で定められている。生産過程もすべて州内で行う。製造期間は11月~6月が中心で、羊の品種はサルダ、シチリアーナ、コミザーナ種など。ミルクの個性に影響を与える飼料は10%が干し草や穀物などで、90%が牧草。リコッタ・ロマーナ特有の、コクと甘みの中に軽い酸味がある味は、ラツィオの牧草から生み出される。
リコッタ・ロマーナの特徴は、パールホワイト色、とても軽いアロマ、締まっていても口の中でとろけるような柔らかさ。きめが細かく、甘みのある味で様々な料理に使うことができる。特にドルチェ、中でもカカオやコーヒーを使ったドルチェスに向く。ワインは軽いロゼと白。同じラツィオ州のものとの相性がよい。

昔ながらのリコッタ作り。

リコッタ・ロマーナ。

そもそもなぜリコッタが出てきたのかと言うと、おろして使うチーズの話をしていたのでした。よくよく考えると、山羊のチーズ(カプラ)じゃなくて羊(ペーコラ)のチーズですよ。馴染みないですよね。
羊のミルクのチーズ。

山羊のミルクからチーズ作り。山羊には全部名前付いてるんだって。


いやミルクの状態になると、もう完全にどっちがどっちか分からない。
この状態でもうわからない。答えはペーコラ。



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2023年12月19日火曜日

牛乳から造るパルミジャーノと羊のミルクから作るペコリーノはどちらもミルクを長期間保存するためのチーズだけど、チーズにするミルクの量は全然違った。それは出来上がったチーズの大きさからも一目瞭然。

パルミジャーノとグラナ・パダーノは、よく似ているけど、どう違うのかが問題になるチーズ。
とりあえず、パスタ・コッタという製法で造られる長期熟成が可能なチーズ、ということは分かりました。
そもそも長期熟成させる、というのは、牛乳を1滴たりとも捨ててはいけないというベネディクト会の修道士の厳しい教えのために数か月から数年の熟成に耐えて長期間食べることができるチーズとして考え出されたもの。

グラナ・パダーノの発祥地、キアラヴァッレの修道院。

チーズの優れた保存性のためにパルミジャーノとグラナ・パダーノは世界中に広まりました。グラナ・パダーノは世界で一番売れているイタリアのチーズ。
パルミジャーノとグラナパダーノは、どちらもポー河沿岸で造られていますが(パルミジャーノはポー河右岸のモデナ、マントヴァなど、グラナ・パダーノはボローニャなどレノ河左岸)、生産地区や牛の餌などは厳格に定められていて、生産者にとっては特徴もはっきり違うチーズです。
パダナ平野は13世紀頃、開拓が進んで水と牛の餌となる草が豊富にありました。そのため乳牛の飼育が盛んになります。
パダナ平野で飼育されているのはペッツァ―タ・ロッサという品種の牛。


 ペコリーノ・ロマーノの原料はもちろん羊のミルク。

一方、ペコリーノは、中型なのに長期熟成させるチーズ。牛乳ではなく羊のミルクから作ります。
羊はかなり野生が残った家畜で、授乳期間、つまりミルクを出す期間は放牧されている羊の群れが栄養価の高い餌を探せる春から夏の間に凝縮されています。
夏の終わりになると、羊は妊娠の準備のためにミルクを出さなくなります。
そのため、ミルクを保存する必要が生まれました。
羊のミルクは羊が食べる餌や季節によって味が違います。
古代ローマ人にも愛されたペコリーノ・ロマーノは、20世紀初めにローマとナポリの生産者がラツィオと気候の似通ったサルデーニャで製造を始めたのをきっかけに、その産地は大部分がラツィオからサルデーニャへと移りました。ヨーロッパで最初にDOPが認められた羊のチーズだが、外国の市場で偽物が最も出回っているチーズ。

ペコリーノ・ロマーノ。


パルミジャーノとグラナ・パダーノの違い。

イタリアならではの羊のミルクの硬質チーズ、リコッタ・サラータ。


リコッタとリコッタ・サラータの造り方。


リコッタ・サラータはおろして使うチーズだけど、パルミジャーノとは違う分類のチーズなので、今日はここらへんで。

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2023年12月18日月曜日

イタリアのパスタ・コッタのチーズは、パスタ、トマトと並ぶイタリアが誇る食材。

アジアーゴの話から、続いてお題は、おろして使うチーズについて。
おろしてつかうチーズというと?
もちろん、500種類あると言われるイタリアチーズのトップ、パルミジャーノ・レッジャーノとグラナ・パダーノです。
つまり、硬質チーズはイタリアの典型的なチーズなのです。
硬質チーズを使いこなすには、その長所を知らなくては。
おろして使う硬質チーズは、料理にコクと複雑な味わいを与え、パスタやリゾットを白く覆い、オーブンで焼けば香ばしい色がつきます。
シンプルな料理ほど、使うチーズによって味が変化します。なので、チーズのタイプや熟成具合などを料理に合わせて適切に選ぶことが大切。
それともうひとつ大切なのが、今さらですが、あらかじめおろしておかない、ということ。乾燥したり余計な香りを吸い込まないようにするためです。
レストランでおろす前のチーズが出てきたら、チーズの熟成具合やメーカーを客が確認することができるので、好感が持てる行為、とみなされます。

イタリアのチーズ。


つまり、硬質チーズは、パスタやトマトと同じくらい大切なイタリア料理を構成している要素です。硬質チーズの造り方は、イタリア料理の基礎知識。
上の動画では数々のイタリアチーズの名前が挙げられていますが、今回注目したいのは、その製法です。
イタリアのチーズのトップはパルミジャーノとグラナ・パダーノ。グラナと呼ばれるポー河沿岸のチーズたちです。そして次はゴルゴンゾーラ。“パスタ・クルーダ”から造られるチーズです。一方、グラナは“パスタ・コッタ”から作られます。
さらに南伊のリコッタ、カプリーノ、ペコリーノといった羊乳のイタリア発祥のモッツァレラやカチョカバッロなどの“パスタ・フィラータ”チーズがあります。
パルミジャーノ、グラナ・パダーノ、そしてペコリーノ。いずれもパスタ・コッタの製法で造られる硬質チーズです。

パスタ・コッタのチーズ。

チーズにはパスタ・クルーダpasta cruda、パスタ・セミコッタpasta semicottaパスタ・コッタpasta cottaの3種類あります。
カード(凝乳cagliata)は細かく砕いたり、加熱することによってホエイを失います。パスタ・コッタは水分を出したカードから造るチーズで、長期間の熟成が可能です。



パルミジャーノの熟成は最低12ヵ月。22ヵ月以上熟成させると複雑な風味になります。
20ヵ月熟成させたものには溶けたバターのミルク香やフレッシュフルーツのアロマが感じられます。熟成が進むにつれてこれらの要素は少なくなり、スパイス香やくるみなどのドライフルーツの香りが強くなる。生地はよりもろくなり、チロシン(アミノ酸)の結晶ができる。味はバランスが取れ、口溶けがよく、風味が持続する。

パルミジャーノの大使として知られるのは、パルミジャーノと同郷で故郷の食文化の普及に力を入れているイタリアを代表するアルタ・クチーナのシェフ、マッシモ・ボットゥーラ。

マッシモ・ボットゥーラ・パルミジャーノ

パルミジャーノの料理にも情熱を注いでる。

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