今日の料理は(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)9月号から(日本語訳のリチェッタはP.6)、“アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノのトリコロール・スパゲッティ”です。
パスタの基本中の基本、アーリオ・オーリオのモダンでアバンギャルドなバージョン。
イタリアではアーリオ・オーリオがどう進化しているのかが垣間見れるような料理。
質素で庶民的であればあるほど人気があるのがイタリアの地方料理。
アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノはラツィオの定番パスタ。
シンプルで質素だけど、イタリアのパスタの基本が詰まった料理です。
一番重要なのはパスタ。
とにかくソースをクリーミーにするのがこの料理のポイント。なのでにんにくも潰してポマード状にしてフォンドに溶かして使います。
パスタはオイルを加えてマンテカーレしてゆで汁に溶け出た澱粉を乳化させます。
シンプルなパスタでもうんちくは山のようにあります。
アーリオ・オーリオが得意なシェフは、饒舌です。
ジョルジョーネシェフのアーリオ・オーリオ。
パスタの次に注目の食材はにんにく。
今月のリチェッタでは、ボギエラの黒にんにくを使っています。
黒にんにくとは発酵したにんにくで、韓国から伝わって、2000年頃に普及してシェフたちが注目しだしたまだ新しい食材です。黒いのが特徴で、さらにとてもクリーミーでブロードによくなじむにんにくです。甘いにんにくと呼ばれるほど甘く、旨味と酸味、微かな醤油の風味が感じられるにんにくです。
ボギエラの黒にんにくaglio nero di Voghiera。
ボギエラの黒にんにくはフェラーラ県(エミリア・ロマーニャ)のDOP製品。
白いにんにくもホイルで包んでオーブンで焼くと、黒にんにくのような黒くてクリーミーなにんにくになります。これをオイルと一緒に攪拌すると、最新のアーリオ・オーリオ・ペペロンチーノに。
にんにくはありふれた食材になっていたイタリアで、ボギエラの黒にんにくはちょっとしたセンセーションを引き起こし、特別なにんにくとして一目置かれるようになりました。それにしても、スペイン人が韓国から伝えたという話が広まってるなんて、まるでトマトの扱い。
シンブルな料理ほど、食材にはとことんこだわるのがイタリアのアルティジャナーレ精神。
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黒ニンニクは比較的新しい食材で三重県が発祥ですよ。
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