2022年6月19日日曜日

アサリのシャラティエッリならナポリでも、広まりそう。

きのうは、シャラティエッリのナポリのパスタとしての違和感の話をしようと思っていたら、逃げたアサリなんて名前のボンゴレのリチェッタを見つけてしまい、すっかり横道にそれてしまいました。
でも、アサリが高くて買えない時は、アサリを使わずにアサリ風味にするのがナポリ人です。
なのでミックスシーフードの生パスタは、たぶん、アマルフィでバカンスを過ごすようなお金持ちのための料理、と考えられても不思議はない。
この料理をもっとナポリ人向きにするには、どうしたらいいのか、
その答えが、『グランディ・クラシチ

という、イタリア郵便が出版した面白いイタリア料理の本にありました。
この本は傑作なのにすぐに売り切れたので、残念ながら今は手に入りませんが、イタリア人が自ら選んだ定番イタリア地方料理の本です。
この本のシャラティエッリは、“アサリのシャラティエッリ”Scialatielli con vongoleです。
リチェッタはアマルフィのトラットリア・リスポリtrattoria Rispoliという店のもの。


それでは本のアサリのシャラティエッリScialatielli con vongoleのリチェッタをどうぞ。

材料/4人分
《パスタ》
セモリナ粉・・500g+打ち粉
イタリアンパセリのみじん切り・・大さじ1
卵・・2個、塩
《ソース》
砂抜きしたアサリ・・500g
パキーノ・トマト・・10個
にんにく・・1かけ
イタリアンパセリ・・1房
EVオリーブオイル、塩

・パスタを作る。小麦粉をフォンタナに盛り、卵、イタリアンパセリのみじん切り、塩少々を加える。水を少しずつ加えながらこねてしまった均質の生地にする。
・丸めて布巾で覆い、最低30分休ませる。
・軽く打ち粉をした台で薄く伸ばし、巻いて幅0.5㎝に切る。打ち粉をした台で休ませる。
・その間にフライパンでにんにくを油でソッフリットにし、くし切りにしたミニトマトとアサリを加える。強火で熱して貝を開ける。パスタをアルデンテにゆでてソースのフライパンに加え、1分なじませる。皿に盛り付けてイタリアンパセリのみじん切りを散らす。

ミックスシーフードじゃなくても、安定のナポリ感。
これがアマルフィ版になるとこうなる↓

シャラティエッリのスーゴに何を入れるかは自由。下のリチェッタは小ダコ(モスカルディー二)のシャラティエッリ。

タコもナポリの象徴的な食材です。今月の(CIR)のシャラティエッリはズッキーニのクリーム、アサリ、ムール貝のスーゴでした。ズッキーニはミキサーにかけてクリームにして、アサリとムール貝のシャラティエッリに加えます。野菜のソースのシャラティエッリもありです。

メインの食材が逃げちゃうのは南イタリアの料理いうわけでもなく、ロンバルディアのベルガモには、逃げた小鳥Uccelletti scappatiという豚肉料理もあります。


材料/
豚ロース肉・・600g
薄くスライスしたパンチェッタ・・100g
厚切りのパンチェッタ・・100g
バター・・70g
セージ、塩、こしょう

・ロース肉を薄く切って平らにする。
・その上に薄切りのパンチェッタと小さくちぎったセージをのせて粗挽きこしょうをたっぷりかけ、インボルティーニに巻く。
・厚切りのパンチェッタを細く切る。これをインボルティーニに入りて巻いてもよいし、ここではセージと一緒に他のインボルティー二との間にはさんで串に刺す。
・付け合わせのソフトポレンタを約45分煮る。または付け合わせはじゃがいものピューレでもよい。
・スピエディーニをバターを熱したフライパンで強火で焼いてポレンタの上に盛り付ける。

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イタリアの料理月刊誌の日本語解説『(CIRクチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ)
Riso
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