2022年4月7日木曜日

パルミジャーノは大量生産の機械化されたチーズかと思ったら、いまだに昔ながらの手作業の、職人が造るアルティジャナーレなチーズでした。

今月の(CIR)のリチェッタ、1品目は“パルミジャーノのクリーム”です。
(CIR)の見方を軽く説明すると、各料理名の上には、『クチーナ・イタリアーナ』のこの料理の分類(Antipasti)と、このリチェッタの記事(L'ABC)があります。
(L'ABC)とは、基本のリチェッタ、という意味で、雑誌の記事は、初心者向けの詳細な解説付きです。
ちなみに7月号では、“トマトのグラティナーティ”もABCのリチェッタです。
パルミジャーノのクリームですが、『クチーナ・イタリアーナ』7月号の主役はマッシモ・ボットゥーラシェフ。そして彼が情熱注いでいるのが故郷モデナの食文化の普及。
モデナの世界的産物の一つが、パルミジャーノです。
パルミジャーノはモデナが誇る産物であるだけでなく、イタリア料理の基本の食材でもあります。
もちろんシェフの料理にも欠かせない食材で、シェフがその使い方を熟知している食材です。
本では、パルミジャーノをcroccante“焼き”、cremoso“クリーム”、etereo“泡”の各状態で使うリチェッタや、熟成状態の違いによる使い分けのリチェッタなどを載せています。

パルミジャーノの基礎となる4種の違いを説明するボットゥーラシェフ。

イタリア料理の基本中の基本は、パルミジャーノからスタートです。


生産サイクルの視点から見ると、そもそもパルミジャーノ作りは牧草作りから始まる。

牛乳が廃棄されるかもなんて話を聞くと、パルミジャーノみたいなチーズ造ればいいのに、と思うけど、そう簡単にはいかないんだろうなあ。

パルミジャーノの歴史。
パダナ平野の修道院で、大勢の巡礼者に提供するために、当時の最新の技術で、大型で日持ちするチーズを造ったのがはじめ。
1349年に生産者組合が誕生し、14世紀のボッカチオの『デカメロン』にも登場する、というのが生産者の自慢。1389年にはピサの商人によって、アフリカ、スペイン、フランスに輸出される人気のチーズになっている。
パルミジャーノと他のチーズの違いは、他のチーズの製造過程が時を経て機械化されていったにもかかわらず、パルミジャーノは昔ながらのカードを布を使って取り出すという人手によるアルティジャナーレな製法を保っている点。
あの布を使ってチーズを取り出す製法は、確かに、考えてみればかなりレトロな製法。あの様子が有名なのは絵になるからだけじゃなくて、パルミジャーノのアルティジャナーレな製法を象徴していたんですね。

パルミジャーノの製法。

有名なチーズだから完全機械化で大量生産されているんだろうと思ったけど、今だに昔ながらの手作業で造られているアルティジャナーレなチーズなのでした。
まあ、いつもスーパーで買う安い“パルメザン”は、まさに量産型のチーズなのでしょうが。

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