今日のお題はワイン。
“グレコ・ディ・トゥーフォGreco di Tufo”です。
(CIR/クチーナ・イタリアーナ・レジョナーレ2020年5月号の記事P.21)には、活発で優美で辛口の、海の料理によく合う、80年代半ばにはイタリアで一番人気の白ワインだったとあります。
一時はトレンドワインになったのですが、次第にブームが去り、ここ数年は一部の生産者の努力でその率直でエレガントな魅力が再評価されるようになってきた。
とあります。
なんだか聞いたことがあるワインです。
そもそも、グレコ・ディ・トゥーフォはカンパーニアのアベッリーノ県のイルピニア地方のワイン。
カンパーニアのワインがブームになったことなんてあったかな・・・。
そういえば、昔、そんなことがあったような・・・。
アベッリーノは、カンパーニアの緑の心臓部だって。
余談ですが、私がナポリの外に出るきっかけになったのは、巨大なカセルタ宮殿。
ナポリはスリが横行するスペイン地区の界隈しか知らなかった当時の私に、ベルサイユ宮殿を模して造られた巨大な城の庭園の泉は、美しすぎて現実のものとは思えず、ひたすら感動したのでした。
カセルタ宮殿↓
イルピニア地方の代表的なワインは、タウラージtaurasi。
1993年に南部のワインで初めてDOCGになったワインです。
そして2003年に同じくアベッリーノで造られているフィアーノ・ディ・アベッリーノとグレコ・ディ・トゥーフォがDOCGに加わります。
タウラージ↓
昔は、南イタリアのワインは評価が低かったのでした。そんな時代に、イルピニアの可能性を信じて、地元のブドウ農家に収穫量が多くて育てやすいぶどうではなくて、アリアニコ、グレコ、フィアーノを栽培するように指導して、収入を保証したワイナリーがあったのです。
マストロベラルディーノMastroberardinoです。
そしてこのぶどうの特徴は、皮や搾り滓を加えないで醸造してもタンニンの渋みがあること。
そのため、マイルドな植物性脂肪と複雑な動物性脂肪のどちらにも合うワインになります。
白肉や春の野菜がベースの田舎風イタリア料理とか、白より赤を組み合わせる子羊のコストレッタやナポリ料理のミネストラ・マリタータなどにも合うそうです。
次回はこの料理の話。
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