2022年2月13日日曜日

エオリア諸島のケッパー。

(CIR2020年5月号)の記事、「鶏肉とうさぎ肉」の最初のリチェッタは、“鶏肉のエオリア風”(P.28)でした。レモンやオリーブといった地中海の食材と一緒にオーブンで焼く1品です。リパリのケッパーが入っていれば完璧なエオリア風だったかも。

エオリアはシチリアのそばの地中海の群島の一つの島の名前です。群島は7つの島々から成る世界遺産で、火山で有名なストロンボリ島やマルバジアで有名なリパリ島などがあります。
観光の島だけど、一度シチリアに入って、さらに船で島に渡らなくてはならず、カプリなどのナポリの島と比べると、かなり行きにくい場所。

イタリア料理は大きく南と北に分かれますが、南はさらに、本土と島に分かれます。
大きなシチリアやサルデーニャなどの島は南イタリアを構成する要因になっていますが、その周辺にある小さな島々には、独特の気候条件や歴史があり、個性的な食文化を生み出してきました。
エオリア諸島もそんな島々です。

エオリア諸島はエアコンのおかげで日本では抜群の知名度ですが、この島々の名物は、ケッパーです。
これらの島では、ケッパーとマルバジーアが経済を支えてきました。でも、観光ブームが訪れて、重労働のケッパー栽培から転職する人が相次ぎ、北アフリカ産の安いケッパーも入ってきて、収穫量は急激に減少しているそうです。


エオリア諸島で一番大きな島、リパリのケッパー

2番目に大きな島サリーナの特産物もケッパー。エオリア諸島に行ってケッパーを買わずに帰ってくる人はいない。


ケッパーは苦いのでそのまま食べることはできない。トラパニの海塩で60日間塩漬けにして苦みを抜く。その間、発酵しないように毎晩かき混ぜる。

ケッパーの使い方。

ケッパーの苦みが抜けるとポリフェノールが増え、抗酸化作用が増す。この作用を生かすために、料理に加える時は、最後に加える。ケッパーは塩漬けと酢漬けがあり、塩や酢を洗い流してから使う。
ケッパーの実、ケッパーベリーはイタリア語ではククッチョcucuccioと呼び、昔は収穫の時期に遅れたもの、とみなされていた。甘酸っぱい味が好まれたルネサンス時には、レーズンやオレンジの果汁と混ぜてソースとして使った。ケッパーの産地ではチョコレートやジェラートにも加える。


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