2022年1月30日日曜日

スパゲッティはなじまなかったアルタ・クチーナの世界のパスタの主役は、シェフの想像力が惜しみなく発揮されるパスタ・リピエーナ。

ちょっと確認ですが、今取り上げている(CIR/5月号)の料理はエビのラビオリです(日本語のリチェッタはP.6)。
軟質小麦が育つ北イタリアは(ポー河沿いには有史以前から軟質小麦が生えていました)、地中海の国イタリアで、地中海に面していない地方。
そこでエビのパスタというのは、かなり異色なパスタだったのです。
では、北イタリアで一般的なパスタ・リピエーナとは、なんでしょう。
イタリア家庭料理の入門書、『マンマミーア

によると、どうやらカボチャのトルテッリのようです。
中でもマントバのカボチャは有名。

マントバのカボチャのトルテッリTortelli di zucca mantovani by  ristorante la Locanda delle Grazie

シェフによるとマントバのカボチャは締まっていて水気が少なく、風味が強いそうです。
・カボチャは丸ごとオーブンで焼いて冷まし、皮と種を取ります。
・粉にした、または刻んだアマレッティ、グラナ・パダーノ、ナツメグ、リンゴのモスタルダを加えて乾いた詰め物にします。
・生地は軟質小麦粉と硬質小麦粉3対1の割合。小麦粉①㎏につき卵8個でこねて2時間休ませます。薄くのばしたらギザ刃のカッターで正方形に切り、中央に詰め物を置いて長方形に折って閉じます。
・これをゆで、一人10~12個ずつセージバターであえます。


マッシュできるカボチャと違って、エビは叩いて粘りを出しています。
スカンピとエビのラビオリ↓

パスタ・リピエーナ用の生地は薄くのばしますが、これは南イタリアの小麦、硬質小麦の苦手なこと。南にはパスタ・リピエーナはほとんどありません。かなりの御馳走で、家庭料理では例外的。

ところが、家庭料理とは正反対のイタリア最高峰のアルタ・クチーナのリストランテ・グループ、レ・ソステの本、グランディ・リストランティ・グランディ・シェフ

は、かなりのシェフがパスタ・リピエーナを紹介しています。

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