でも、本には、必要な道具がない時にスパゲッティをゆでる方法なんてジャック・レモンでさえ知っている。と書いてあります。映画『アパートの鍵貸します』で水切りの代わりに彼が使ったのがテニスラケット。
かなり初歩的なギャグのようにも思えるけど、このシーンがイタリア人にこんなに受けていたなんて知らなかった。ワイルダー映画のジャック・レモン。
まあとにかく、パスタはゆでて湯を切る、それだけですが、
それが入門書によると、
・パスタ100gにつき1㍑の水を鍋に入れ、鍋は水とパスタを入れても湯が溢れないようなサイズを選ぶ。
・塩は沸騰を遅らせるので沸騰してから加える。リチェッタで指定がない場合、または高血圧の場合以外は水1㍑に対し、粗塩10g。
・湯が再沸騰したらパスタを入れる。鍋の中央でパスタを束ねてコボーネcovone状になるように入れて麺が鍋の底でくっつかないようにする。
・表示時間の2分前に取り出して硬さを見る。ゆで汁を少量残して水気を切る。
・スーゴがバターやチーズを加えるリチェッタや水分が多い場合はパスタを鍋に戻して乳化させるようにマンテカーレする。必要ならゆで汁を加える。
・マンテカーレしない場合はスープチューリンに入れてたっぷりスーゴをかけて必要ならおろしチーズ少々をかける。残りはテーブルで各自が好みでかけるようにサーブする。
これが言わば教科書通りのパスタのゆで方ですね。
パスタを束ねて湯に入れてばっと広げるのは、“コボーネ”と呼ばれるスタイル。
コボーネは刈り取った麦の穂を束ねたもの。稲刈り後のお米によく似てます。
麦のコボーネ↓
つまり、保守的なちょっと古い方法。
今時のシェフたちは、次々に新しいオリジナルの方法を考え出しています。
パスタが大衆食から上品なレストランの食事になった影響が、こんなところにも現れています。
詳しくは次回に。
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