2021年11月2日火曜日

パスタ・エ・ファジョーリは、豆ならベネト、パスタならナポリの名物料理。

豆のスープといえば、イタリアの国民食、パスタ・エ・ファジョーリpasta e fagioli。
北から南まで、各地に美味しいご当地パスタ・エ・ファジョーリがある。
豆と穀物の組み合わせは、栄養的にも美食的にも価値が高い。
多くのイタリアの農民料理のベースになっている料理だが、この料理の主役は、もちろん豆。
いんげん豆は、スペイン人がメキシコからヨーロッパに持ち込んで以来品種改良が繰り返され、約500種類が作り出されてきた。
美味しいいんげん豆がある地方には美味しいパスタ・エ・ファジョーリがある。
例えばベネトでは、イタリアで一番美味しいいんげん豆と言われるベッルーノ地方の皮が薄くて甘い豆、“ラモンlamon”が人気だ。
ラモン豆

イタリアの中でも豆好きで知られるのはトスカーナで、パスタ・エ・ファジョーリ好きで知られるのはベネト。というのも、ベネトにはラモンがあるから。地元以外には広まっていませんが、ベネト風パスタ・エ・ファジョーリはラモンを使うのが特徴。
パスタはマルタリアーティ、タリアテッレ、タリオリーニ、トゥベッティなどが知られているが、ロングパスタを折って加えても良い。パスタの本場ナポリには、munnezzagliaと呼ばれるパスタ・エ・ファジョーリ専用のミックスパスタがあるくらいで、人気の地方料理の1品になっている。
パスタが少量残ったら、それをパスタ・エ・ファジョーリ用に取っておくのです。
生麺の場合、北イタリアでは卵入り麺を使う。
パスタの代わりに米や大麦を組み合わせることもあります。
ナポリ風パスタ・エ・ファジョーリ↓。

ちなみにトスカーナ風はゾルフィーノという白インゲンを使う。
生の季節には生を使い、チーズの皮や豚の皮を入れてコクを出す。

ゾルフィーノのパスタ・エ・ファジョーリ

こうしてみてくると、パスタ・エ・ファジョーリはアレンジが自在で、地元の最良のものを旬の時期に使えば美味しくなる、ということがよくわかります。

各地のパスタ・エ・ファジョーリを食べ比べると、美味しい体験になるはず。

オリジナルの伝統に忠実な素朴な地方料理とシェフの自由なアイデアが詰まった洗練された1品のパスタ・エ・ファジョーリ。


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