トリュフと共に貴重なきのことして人気があるのがポルチーニ。
ルニジャーナ地方やガルファニャーナ地方(どちらもトスカーナ)が上質ポルチーニの産地として有名。収穫は夏と秋です。
ちなみにガルファニャーナはファッロ(スペルト小麦)の産地としても有名。
トスカーナの森のポルチーニ。
動物の嗅覚より人間の視覚で探し出されることを選んだポルチーニは、胞子を広げるために人間が好む味のきのこになったのでは。美味しいはずだよね。
ポルチーニはソースにするととても美味しいきのこ。
落ち葉の下に生えているポルチーニはトスカーナでは最も貴重な森の実りとみなされてきました。
逆に栗は、豊富に落ちているものをただ拾えばいいだけなので、最も貧しい人々の食べ物とみなされ、その栄養価の高さから、栗の樹はパンの樹と呼ばれていました。
でも、両者はなかなか相性が良かったようで、トスカーナには栗とポルチーニのズッパという秋ならではの料理もあります。
粉質の栗にはズッパのつなぎとしての役割も。
栗とポルチーニのズッパZuppa di castagne e funghi porcini。
材料/2人分
栗・・400g
ポルチーニ・・中〜大1個
水か野菜のブロード・・150ml
2度焼きしたパン・・200g
にんにく・・1かけ
EVオリーブオイル、塩
飾り用ローズマリー
パルミジャーノ
・栗に塩少々を加えて40〜45分ゆでる。
・栗の皮をむく。
・ ポルチーニを角切りにし、油と塩少々で炒める。
・栗に水か野菜のブロードをかけて塩を加え、大きな栗は潰してクリーム状にしながら15分煮る。
・ポルチーニ(少量残す)を加えて5分煮て、塩味を整える。
・パンを崩してスープ皿に入れ、その上に熱いズッパをかける。
・取っておいたポルチーニをのせてローズマリー少々を散らし、油を回しかける。
さらに、なんでもフリットにするトスカーナの人々がポルチーニをフリットにしないわけがありません。セージのフリットと共にトスカーナの名物です。
フンギ・フリッティfunghi frutti。
材料
ポルチーニ大
レモン汁、塩、こしょう
卵・・2個
イタリアンパセリ、にんにく、パン粉
・ボールににんにくをこすりつけて卵を割り入れ、イタリアンパセリのみじん切り、塩、こしょうを加えて溶く。
・ポルチーニを縦にスライスしてレモン汁をかける。
・余分な水気をシートで取り、溶き卵とパン粉をまぶして油で揚げる。
衣は00番の小麦粉150g、生イースト3g、ビール175g、塩小さじ1/2を混ぜて30分休ませる。
揚げる直前に角氷を加えて冷やす。
もう一つ、トスカーナのパスタと言えばピチですが、ポルチーニのソースのピチもあります。
ポルチーニのピチpici coi porcini
秋の農民の料理は質素なもの、というイメージが出来上がりつつあるところに。ピチの登場。
トスカーナのパスタソースは実はあまり多くはありません。
それというのも、トスカーナのはパスタは軟質小麦粉と水のパスタで、ボローニャのタリアテッレと同じですが、ボローニャ風のミートソースはトスカーナではあまり一般的でないからかも。
トスカーナのミートソースはボロニェーゼと違って牛肉ではなく、猪、野ウサギ、鴨、ガチョウのソースなのです。そのベースにはフランス料理があります。
ピチの他にポピュラーなトスカーナのパスタ、パッパルデッレも、ジビエのソースをかけるために生まれたパスタ。
というわけで、ピチの話をする時は普通のパスタのイメージは一度しまっておきましょう。
・ポルチーニをスライスする。
・にんにくのみじん切り少々を油で軽くソッフリットにし、ポルチーニを入れてマジョラムとタイムを散らす。野菜のブロード小さじ1をかける。火を止めてバターを加える。
・00番の小麦粉と水をこねてパスタの生地にし、30分休ませる。
・生地をやや伸ばし、手に油をつけて生地に塗る。細く切り、1本ずつ転がしながら伸ばす。
・打ち粉をしてバットに広げる。
・ピチを5分ゆでる。
・ポルチーニにピチのゆで汁を加えて煮詰める。ピチを加えてなじませる。
もちろんスパゲッティもそうですが、ピチはつるつるかっこむパスタではないのでした。
トスカーナのパスタを調べていたら、なかなか面白そうなことがわかってきました。
ピチの話、次回に続きます。
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