今月の(CIR)のリチェッタから、今日は、“ホームパーティー、家族と祝うクリスマス”(リチェッタはP.42〜)から、ウエルカム・パネットーネです。
クリスマスのドルチェの定番のミラノのドルチェ。
パネットーネはミラノだけでなくイタリア中に広まっています。
パネットーネ作り↓
クリスマスのパネットーネは、お祝いや健康を祈る意味を込めて家長が切り分けて客に配る。
そう言えば、以前パンのジンクスについて、“人を食事に招いた時、最初に席についてみんなのためにパンを切り分けると長生きする”なんて話を訳したことがありました。
確か、パンを切り分けるのは家長の役目なんですよね。
ウエルカム・パネットーネは、デザートのパネットーネにハムやチーズを挟んで、いわゆる“バネットーネ・ガストロノミコ”という甘くない前菜にしたものを細かく切り分けたもの。
パンをキリストの血肉とみなすキリスト教では、クリスマスにはパンを切り分けて振る舞うという行為にも意味が生まれるようで、このスタイルのパネットーネもイタリア中に広まりました。
ちなみにパネットーネの語源は一説によると“Pan de ton”、重要なパン、という意味。家長がサーブする大切なパンという古い伝説に基づいた名前だそうです(諸説あり)。
“ウエルカム・パネットーネ”というネーミングは初めて目にしました。ちなみに、イタリア語だとpanettone benvenuto。
『クチーナ・ミラネーゼ』には、パネットーネが全国区のドルチェになったのは、南イタリアで受け入れられたから、とあります。もちろん・アンジェロ・モッタのおかげでしょうが、南北の垣根を超えると、本当のイタリアを代表するドルチェになるんですね。
最近では、クリスマスの時期以外にも一年中パネットーネを食べるようになりつつあるそうです。
ミラノのパンと言えば、ミケッタmichetta↓
パンくずという意味のmiccaが語源。オーストリア・ハンガリー帝国にミラノが占領された時に伝わったしっとりしたパン(kaisersemmel)ですが、ミラノの湿気のために夜になるとべっちょりしてしまうため、いっそのこと中身をくり抜いてしまえ!と、して生まれたパン(本にも上の動画でもこう言ってるけど、多分諸説あるよね)。
動画によると、戦後、寒さに強い小麦がカナダのマニトバから入ってきて、このグルテンが多いマニトバ粉でミケッタを造ったら、柔らかくてクラムがない皮がカリッとした、オリジナルのカイザーゼンメルに近いミケッタができたのだそうです。
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