シチリア料理の話で、偶然見つけたシチリアのグルメ系ユーチューバーが、一番好きなシチリア料理はカポナータとパルミジャーナだと言っていました。
それ以来、この2品が頭から離れません。
オーブン焼きのパルミジャーナのことは猛暑の中で考えるのにはちょっと抵抗があるので、まずはなすのカポナータ。↓
カポナータとパルミジャーナの共通点は、なすです。
イタリア語でなすはmelanzane。
シチリアの方言ではmulinciana(ムリンチャーナ)。
なすはシチリア料理に最もよく使われる野菜。
カポナータとパルミジャーナ以外にも、コトレッタ、フンゲット、ベッカフィーコなどの料理があります。
でも、シチリアを代表するなす料理の傑作は、やっぱりカポナータ。
カポナータの味付けは、シチリア人好みの甘酢っぱい“アグロドルチェ風味”です。
サービス温度は温かくても冷たくてもよく、前菜にもコントルノにもなります。
作りたてより室温に冷ましたほうが美味しいのでなすが旬の夏には最適の料理。
ナスの下ごしらえ↓
種がないですねえ。日本で見慣れているなすとは違う種類のよう。
辛味は塩を降ってアクを出すと消える。時間がない時はアク抜きの必要がない丸なすを使う。皮には風味やビタミンなどの栄養素が豊富に含まれているのでむかない。
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そもそもこの料理は、なぜカポナータと言うのか、といのはずっと謎です。
比較的有力な説は、語源は(魚のホウボウpesce cappone)ペッシェ・カッポーネで、もともとはホウボウにアグロドルチェなソースをかけた貴族の料理だった、というもの。
で、庶民の間では高価なホウボウの代わりにナスで作ったこの料理が流行った、という痛快な話。
なすはアラブからシチリアに伝わった野菜で(原産地はインド)、起源千年頃、アラブ人の医者、イブン・ブトラーンがなすを食べると憂鬱な気分が誘発されると警告し、多くの人が、それを信じていたという不遇の野菜だった。
イタリアではまずリグーリア以外の北イタリアに広まり、トスカーナやラツィオからナポリに伝わって、さらに南イタリア全域、つまりイタリア中に広まった。
特に人気だったのが、カラブリアとシチリア、つまりアラブの影響が強かった地方。
トルコやギリシャ、レバノン、エジプトといった国の料理になすは欠かせません。
アゼルバイジャンの農家のなす料理、トルコの有名なナスの肉詰め料理、カーニヤルクKarniyari↓
わんこに癒やされた〜。
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