2021年7月27日火曜日

ブイヤベース、パエリヤ、リゾット・ミラネーゼはヨーロッパの三大美食国の名物料理。その共通点は、サフラン。

赤い金、と呼ばれる食材、サフラン。
かつてはトリュフやキャビアに匹敵する貴重品だった。
ペルシャ語の「サハファラン=黄色」が語源で、サルデーニャでは今でもサフランで絹を染めて祭りの時に頭にかぶる飾りを作る。
サルデーニャのサフラン↓

料理では、中世には子豚やジビエの串焼きを覆う金箔の代わりにサフランを使うようになり、色だけでなく、香りも料理に加わった。
パスタ、チーズ、バター、リキュールにもサフランが使われ、今ではヨーロッパの三大美食国を代表する料理に欠かせないスパイスとなっている。
つまり、フランス、スペイン、イタリアそれぞれに、サフランが欠かせない有名な料理がある。
答えは、フランス(マルセイユ)のブイヤベース、スペイン(バレンシア)のパエリヤ、イタリア(ミラノ)のリゾット・ミラネーゼだ。
ブイヤベース↓

パエリヤ↓

リゾット・ミラネーゼ↓

並べてみると、リゾットの黄色は鮮やかですねー。
この料理は、16世紀にミラノのドゥオモのガラス工がガラスの色付けのために使っていたサフランをうっかりお米のミネストラの中に落としてしまったのがきっかけで生まれた、という伝説が知れ渡っています。
ただもっと現実的な説もあって、それによると、1370年に作られたフランス料理が元になっているそうで、牛乳や生クリームで米を煮たサフラン入りリゾットの一種で、1789年にこれを元にして作られたサフランライスが19世紀にミラノ風リゾットと呼ばれるようになったというもの。
ちょっと夢がない話だなー。

クチーナ・ミラネーゼ
によると、ミラノ風リゾットによく使われたサフランは、スペインのラ・マンチャ産のサフランだそうです。
イタリア産のサフランはスペイン産より3、4倍高いという事情があったそうです。

サフランはスパイスの一種ですが、古代エジプトから現代に至るまで、サフランの薬効はよく知られています。
サフランには鎮静、排痰、食欲増進、消化促進効果があるそうです。
古代ローマでは風や胸の病気の薬として使われ、中世にはペストの薬としても使われました。人を陽気にする効果もあると信じられて、はしゃいでいる人のことを「サフランの枕で寝た」と言ったそうです。

サルデーニャだけでなく、シチリア料理もサフランをよく使います。
例えばパスタなら、イワシのブカティーニ↓

乾麺のパスタの本、『スパゲッティ・アモーレ・ミオ


には、サフラン風味のパスタのリチェッタが数点あります。ズッキーニと組み合わせるケースが多いようです。白い素材とサフランは相性抜群。
例えば、真っ白いドルチェ、パンナ・コッタもサフランで薄く着色します。

サフラン入りパンナコッタ↓


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