2020年10月19日月曜日

質素で素朴なリグーリア料理の主役、野草のミックス、プレボジョン。

今月の「総合解説」、地方料理の2箇所目はジェノヴァです。

ジェノバの旧市街のストリートフード

ジェノバ料理の定番の形容詞は質素、庶民的。
総合解説」のジェノヴァ料理の1品目は、“野草のリゾット”です(P.18)。
主役は野草。
季節の野草のミックスのことをリグーリアでは“プレボジョンpreboggion”と呼びます。
野草なので、そこらへんに生えている草です。

プレボジョン↓

野草はイタリア中でお馴染みの食材でしたが、次第に知識を持つ人が減り、有毒なものもあることから姿を消しつつあります。
それが伝統料理の食材として受け継がれているのもすごい。
どんな野草のミックスかというと場所によって違うし、名前を上げても聞いたこともない草ばかりなので、地元の人以外、聞いてもわからないと思うのですが、一応、こちらのページのメジャーなものを揚げてみると、ビエトラ・ディ・プラート、ボッラジネ、チコーリア、タンポポ、オルティーカ、ラディッキオ・セルバディコなどです。
そんな野草だらけの緑色のリゾットですが、さすがに質素な食材から美味しい料理を作り上げることにかけては誰にも負けないジェノヴァ料理。
ペースト・ジェノベーゼと鶏のブロードで、立派なリゾットに仕上げています(リチェッタはP.18)。

余談ですが、ジェノバの観光ガイドを少々。
ジェノバの観光の中心地、旧港地区の美しくて印象的なサン・ジョルジョ館↓

この建物の牢獄に捕らえられていたマルコ・ポーロが語った話が、後にベストセラーになった『東方見聞録』。
この近くに、昼時になると行列ができる店、アンティカ・フリッジトリア・カレーガがあります。
揚げ物には炭火を使いますが、かまどでは薪をくべてファリナータを焼いています。
ファリナータはローマ軍の兵士が長い遠征の間にすり潰したチェーチと水を混ぜた生地を盾を使って焼いたのが始まりと言われている食べ物。

アンティカ・フリッジトリア・カレーガ↓

ファリナータ↓


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総合解説
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