ランゲ地方は、ワインと白トリュフを目当てに世界中から舌の肥えたグルメが集まる場所。
料理人も才能に溢れた優秀な人材が集まります。
今月の「総合解説」(P.16)で紹介しているランゲの若手料理人の一人、フランチェスコ・オベルトシェフは、クーネオ県ケラスコのリストランテ・ダ・フランチェスコのシェフ。
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店内は18世紀の素晴らしいフレスコ画で覆われています。
料理はランゲ地方の伝統とシェフのモダンなインスピレーションを活かしたもの。
今回、興味を引いたのは、「総合解説」で彼が披露した料理。温泉卵の白トリュフ、フォンドゥータ、カルドン添え。
温泉のある国イタリアで、温泉卵の料理はないのか、一度探したことがあるのです。
その時は殆ど見かけなかったのですが、今回始めて、イタリアのアルタ・クチーナのシェフが作る温泉卵のリチェッタに出会いました。
組み合わせたのは地元の特産品。
ラルバの白トリュフとニッツァ・モンフェッラートのカルド・ゴッボ。
ゴッボはせむしのこと。
折って土をかぶせる独特の軟白栽培で、白くて柔らかくてシャキっとして甘いカルドンになります。
ピンツィモーニオには欠かせない野菜。
手間がかかるせいか生産量が少なく、地元以外にはあまり出回っていない。
ランゲ地方に行ったら味わうのを忘れずに。
オベルトシェフの温泉卵は、温泉卵がミシュラン1つ星の料理になるとこうなる、というお手本のような料理。
まずは温泉卵はイタリア語でなんて言うのか。
ウオヴォ・テルマーレuovo termale だそうです。
記事では低温で卵をゆでる日本のテクニックと紹介していました。
その卵に散らすのは、昨日のブログで紹介したジャンニのトリュフ犬学校を卒業したトリュフ犬が探しだしたトリュフ。
アルバの白トリュフの定番の組み合わせは卵とタヤリン。
そのパスタのソースにもなるトリュフと組み合わせる定番のソースはフォンドゥータ。
定番のパスタはタヤリン。
目玉焼きもアルバの有名シェフたちには独自のリチェッタがある。
アルバのピアッツァ・ドゥオモのエンリコ・クリッパシェフの卵は、ベースは目玉焼きだが、そこにかなり手をかける。
まず、にんにくとセージ風味の焦がしバターにアンチョビ入り生クリームを加えたソースにタピオカの粉を加えてつなぐ。
これをシルパットに薄く広げてオーブンで5、6時間乾かしてパスタのような生地にする。
地元の特産品をいかに美味しく、特別な料理にするか、アルバのシェフたちは腕を競っています。
オベルトシェフは温泉卵という、イタリアでは殆ど知られていないテクニックと、カルド・ゴッボ、ラスケーラという地元の食材を組み合わせました。
ラスケーラは、標高900m以上で作られているクーネオの高原の赤カビチーズ。
溶けやすくて甘く、デリケートで強すぎない味が特徴。
今回の料理では、フォンティーナと一緒に溶かしてフォンドゥータにしました。
ラスケーラのフォンドゥータFonduta di raschera。
・小角切りにしたラスケーラを鍋で溶かし、牛乳と卵黄を加えてよく混ぜる。弱火にかけてかき混ぜながら溶かす。
・溶けたら器に流し入れ、クロスタータを添えて、またはタルトゥーフォを散らしてサーブする。
次回は、トリュフと組み合わせるランゲ地方の定番パスタ、タヤリンについて。
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