今月の「総合解説」から、お題はウンブリア料理です。
ウンブリアと言えば“黒トリュフ”というわけで、まずは黒トリュフのパスタ。
イタリア料理の専門的で深い考察が面白い本、『スーゴとソース』には、
・・・古代ローマでは、料理のベースはにんにくと玉ねぎだった。
ウンブリアで、その役目を担っていたのはトリュフだった、とあります。
地中で育つトリュフの強い香りは、にんにくに例えられることもありました。
白トリュフはピエモンテのランゲ地方が本場ですが、黒トリュフならウンブリアです。
ウンブリアと言えば、イタリア中央部の海がない州ですが、その中央を貫いているのはアペニン山脈。
アペニン山脈はポルチーニなど天然キノコの宝庫。
ウンブリアの最上質黒トリュフ、ネロ・プレジャート。
スコルゾーネ、別名サマートリュフとも呼ばれるトリュフは、似ていてもネロ・プレジャートよりは安い。
サマートリュフの大きさは、くるみ大~オレンジ大。
専門家は、これが植物の初期の姿、とも言っている。
地元の食材を使ったシンプルな家庭料理は、地方料理の基本。
ウンブリアの家庭料理には黒トリュフのおいしい食べ方が詰まっています。
白トリュフはサーブする直前に薄く削って料理にかけますが、黒トリュフは加熱する料理に合います。
トリュフは、フレッシュなうちに食べる食材で(購入後1周間以内)、主婦たちは、工夫して保存してきました。その一つがおろした黒トリュフのオイル漬けです。
これは一番シンプルな黒トリュフのソース。
それを使ったパスタもあります。
または、キッチンペーパー数枚で包んで密閉容器に入れ、冷凍庫で保存することもできます。
黒トリュフのスパゲッティ/Spaghetti al tartufo nero
材料/5人分
スパゲッティ・・500g
黒トリュフ・・50g
にんにく・・2かけ、塩
EVオリーブオイル・・40g
・油と潰したにんにくを熱する。
・油が温まったらおろしたトリュフを加えて塩をする。
・これでアルデンテにゆでたスパゲッティをあえる。
黒トリュフのスパゲッティ
「総合解説」p.15のリチエッタ、ノルチャ風スパゲッティは、アンチョビ入り。
スパゲッティのソースなら、あらゆるものがあるナポリ料理にも、トリュフのスパゲッティはなかったなあ。
ベズビオ火山はあっても、ナポリにアペニン山脈はないのでした。
アペニン山脈横断の旅↓
見慣れた地中海とは全く違う世界。
次回は白トリュフのパスタ
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