ポレンタについて、もう少々。
“グイド・トンマージ”の力作地方料理シリーズの『ヴェネチア』に、ポレンタについてこんなことが書いてありました。
ポレンタは単なる食べ物以上の食べ物で、伝統と習慣と愛が詰まっている。
特にベネチア人にとっては、空腹で食べるものがない時に、たっぷり食べてお腹を満たす食べ物がポレンタだった。
ベネチアではポレンタは白だ。
黄色よりも軽くて栄養がある、と信じられていた。
魚料理だけでなく、肉料理にも合う。
なるほど、育ち盛りのベネチアの子供は、ポレンタを食べて育ったんですね。
空腹を満たすポレンタには、家族の愛情を感じる優しい思い出もたっぷり添えられて、ソールフードへとなっていったのでしょう。
確かに、ベネチアのオステリア料理の本を見ると、ポレンタが添えられた料理ばかり。
バッカラ・マンテカートだけじゃないですねー。
でも、欠かせないのはやっぱりこの料理。
バッカラ・マンテカートBaccalà manecato
材料/
戻したストッカフィッソ・・800g(バッカラは塩漬けの干しダラ、ストッカフィッソは塩漬けしていない干しダラ)
イタリアンパセリのみじん切り・・1房
牛乳・・200ml
EVオリーブオイル・・200ml
にんにく・・1かけ
塩、こしょう
・ストッカフィッソを粗く切って鍋に入れ、水で完全に覆う。
・牛乳150mlと塩を加える。
・沸騰してから柔らかくなるまで20~30分煮る。表面に浮かんだ泡は取り除く。ストッカフィッソは戻すと元の重さの2倍になる。
・ストッカフィッソを取り出して皮と骨を取り除き、ミキサーに入れる。油を少しずつ加えながら撹拌して身が少量残ったクリームにする。または木べらでマンテカーレする。必要なら牛乳少々を加える。
・塩、こしょう、イタリアンパセリ、潰したにんにくを加えて仕上げのマンテカーレし、グリルした黄色いポレンタか、定番の白いポレンタを添えてサーブする。
ストッカフィッソを戻す。
ストッカフィッソとバッカラ↓
・表面の塩をブラシでざっと落として流水で洗う。
・皮を取りながら容器に合わせて筒切りにして水で完全に覆い、冷蔵庫に入れる。
・8時間ごとに水を替えながら最低48時間戻す。
ホテル学校の授業のイカのトマト煮とポレンタ
・バターと塩を加えた湯でポレンタを作って型に詰める。
・玉ねぎをみじん切りにする。
・イカを細く切る。
・玉ねぎとローリエ数枚をオリーブオイルでソッフリットにし、イカを加えてよく混ぜる。
・白ワインを加えてアルコール分を飛ばし、トマトペーストを加えて40分煮る。
・塩味を整える。
・ポレンタを皿にあけてイカを添える。皿の縁にトマトの粉を散らし、イカにイタリアンパセリを散らす。
入門編イタリア料理の教科書、
『クチーナ・レジョナーレ・ソフィー・ブレイムブリッジ』によると、
ポレンタの調味はバリエーション豊か。
唐辛子やパルミジャーノを加えたり、水の代わりに牛乳やブロードで煮てもよい、とあります。
魚や肉の付け合わせとしても万能ですが、きのこも定番です。
この本の著者はイギリス人なので、ポレンタをしばしばじゃがいものピューレに例えています。
この料理はきのこ狩りして集めた野生のきのこのこの料理。
料理の説明には、きのこ狩りは丘陵や山に住むイタリア人には趣味みたいなものとも・・・。
確かに。
ポレンタときのこpolenta e funghi
材料/6人分
塩・・大さじ1
ポレンタの粉・・300g
オリーブオイル・・60ml
ポルチーニなど生のワイルドフンギ・・400g
潰したにんにく・・2かけ
タイムのみじん切り・・大さじ1
マスカルポーネ・・150g
バター・・50g
おろしたパルミジャーノ・・50g+少々
・底の厚い鍋に水1.5Lと塩を入れて沸騰させ、強くかき混ぜながらポレンタの粉を振り入れる。
・すぐに火を弱めてダマにならないようにかき混ぜながら最低30秒煮る。
・時々かき混ぜながら40分煮る。固まって腰が出て、木べらから固まって落ちるようになったら煮上がり。
・その間に大きめのフライパンに油を熱し、表面を覆う程度のきのこを入れて強火でかき混ぜながらきのこの水分が完全に飛ぶまで炒める。
・にんにくとタイムのみじん切りを加えてさっと炒める。
・きのこをフライパンから取り出し、残りのきのこを炒める。
・きのこを戻してさっとなじませ、塩味を整える。
・ポレンタが煮上がったらきのこを再び熱してマスカルポーネを加え、ゆっくり溶かす。
・ポレンタにバターとパルミジャーノを加えて必要ならこしょうを加える。
・皿にきのこを盛り付けてポレンタを添え、残りのパルミジャーノを散らす。
ポレンタのリチェッタは探すと次から次へとおもしろそうなのが出てきます。
「総合解説」
グイド・トンマージの『ヴェネチア』
0 件のコメント:
コメントを投稿