エンツォ・コッチャの『ピッツァ・フリッタ』
の内容を訳してみます。
この本は、“piccoli spuntini”シリーズの1冊で、手軽に読めるピッコロな本のシリーズです。
エンツォ・コッチャ氏はピッツァ・ナポレターナの大使と呼ばれている人で、ピッツァ・ナポレターナを世界中に広めるために精力的に活動しいているナポリのピッツァイオーロの親方の一人。
この本によると、ピッツァ・フリッタが初めてナポリの書物に登場するのは16世紀末。
19世紀始めのナポリは、ヨーロッパで人口が3番めに多い都市でした。
揚げ物屋、フリッジトリアfriggitoriaは17軒あったそうです。
当時はオリーブオイルはとても高価だったので、ラードで揚げていたそうです。
有名なキャッチフレーズは「oggi a otto(オッジ・ア・オット)」
今日ピッツァ・フリッタを買っても、支払いは1週間(8日)後でいいよ、ということです。
こういう方式が当たって、ピッツァ・フリッタはナポリ中に広まります。
ナポリを不景気が襲った時、ピッツァを買いに行った少年が強盗に会ったことに心を痛めてオッジ・ア・オットを再現したナポリの有名ピッツェリア・ソルビッロ。
元々1枚3.3ユーロとお手頃な値段だが、
この店は他にも、ピッッァ代を寄付して互いに助け合う、などのシステムを考え出しています。
さて、ピッツァ・フリッタですが、本によると、ピッツァ・フリッタには
モンタナーラとピッツァ・フリッタの2種類があります。
ピッツァ・フリッタは伸ばした生地に具をのせたら半分に折って揚げますが、モンタナーラMontanaraは生地を小さく丸く伸ばして揚げ、具(一般的なのはトマトと日曜のラグーの残り)をのせます。
エンツォ・コッチャのピッツァ・フリッタ
エンツォ・コッチャのナポリ・ピッッァのベースの生地
材料/
室温の水・・1L
塩・・50g
生イースト・・約1g弱(イーストの温度は4℃を保つ)
小麦粉・・適量(今日はとても暑いので生地の発酵は室温で10~12時間)
・マディエmadie(生地をこねるための容器)に室温(冷やさない)の水を入れる。塩を加えて溶かす。
・乾いた手でイーストを取って水で均一に溶く。
・小麦粉を少しずつ振り入れて約30分混ぜ、強い粘りの生地になったら空気が入るようにこねる。
・空気が入っているのでなめらかで柔らかくて軽く、コシの強い生地になる。
・生地を切ってみると気泡がよく分かる。
・生地を少量ずつ丸くまとめて約10時間発酵させる。
モンタナーラの生地impasto perle montanare
・マーディエに水1/2Lを入れて海塩25gを溶かす。さらに生イースト3gを溶く。
・小麦粉800gを少しずつ加えて弾力のある締まった生地にし、湿らせたコットンの布巾で覆って約30分休ませる。
・1個約50gずつにまとめ、覆いをして約18~22℃の室温で約10時間発酵させる。
・指の腹で抑えるナポリ方式で生地を伸ばし、190℃のひまわり油で1分揚げる。
・仕上げに具材をのせる。
ピッツァ・フリッタの生地(8~10枚分)impsto per le pizze frite
・マディエに水1/2Lを入れて海塩25gを溶かす。さらに生イースト3gを溶く。
・小麦粉800gを少しずつ加えて弾力のある締まった生地にし、湿らせたコットンの布巾で覆って約6~8時間休ませる。
・1個約150gずつにまとめ、覆いをして約2時間発酵させる。
・指の腹で抑えるナポリ方式で生地を丸く伸ばし、両手を使って回転させる。中央が薄くなりすぎないように、完全に均一に伸ばす。薄すぎると油に入れると穴が開く。打ち粉を使いすぎて油にデンプンが溶け出さないようにする。
・生地の片側に具材(水気が少ないものが適している)を中央にのせる。半分に折って上下の生地の端をしっかり閉じる。
・両端を持って揚げる。
ナポリのピッツァ・フリッタ
「総合解説」
『ピッツァ・フリッタ』
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