本当のトスカーナを知っているのは自分たちだという、世界的トップワイナリーのプライドが詰まったちょい難しい本ですが、頑張って読んでみると面白い。
メソポタミアから始まるご存知のパスタの歴史ですが、トスカーナのトップワイナリーの視点で見ると、別の歴史が見えてきます。
ナポリや南イタリア中心で語られることが多いパスタが、トスカーナではこう見えていたんですね。
フィレンツェでは、中世には職業組合が誕生し、その中でも最も信頼されていたのが「料理人とラザニャーリ職人」の組合でした。
ラザニャーリは古代ローマのラザーニャのラガーナのこと。
16~17世紀頃、フィレンツェにパスタ職人と初期のパスタメーカーの組合が出来ました。
ナポリとその周辺のグラニャーノやトッレ・アンヌンツィアータといった町が、マカロニで有名になりつつありました。
トッレ・アンヌンツィアータ
グラニャーノ
ジェノヴァ
ナポリ港
港湾都市のジェノヴァはパスタ・ルンガの貿易港でした。
ナポリとジェノヴァの2つがイタリアのパスタ産業を牽引した都市になりました。
パスタはイタリア中の家庭に広まり、国民食になります。
もちろん各家庭に受け継がれた、愛された自慢のリチェッタがありました。
パスタへの情熱は国境を超えて世界共通のものになっていきます。
パスタの章で最初に取り上げたパスタは、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノAGLIO OLIO PEPERONCINOです。
シンプルで質素なパスタですが、地中海料理のベースが詰まっています。
パスタは硬質小麦粉のスパゲット。さらにEVオリーブオイル、にんにく、イタリア料理ではあまり多用されないが栄養が豊富な唐辛子。
唐辛子はアメリカから伝わって南イタリアの名物食材にまでなりました。
次のパスタはトマトとハーブのソースのセミ・インテグラーレのスパゲットーニGLI SPAGHETTONI SEMI INTEGRALI AL POMODORO ED ERBE AROMATICHE。
トマトとバジリコのソースは典型的なスパゲッティのソース。さらに、古代小麦や特殊な穀物の全粒粉(インテグラーレ)やセミインテグラーレの粉がイタリアでは常に人気が高かった。
この料理は太いスパゲットーニを、蜂蜜を加えて甘みを足し、バジリコも隠し味ではなくたっぷり使ったトマトソースであえる。
トスカーナの田舎屋の特徴は、みじん切りにして乾燥させたハーブの香りが部屋中に満ちていることだった。
徐々にトスカーナのパスタの姿が浮かび上がってきました。
次は白肉のラグーのフジッリ・ルンギです。
フジッリは南イタリア(カンパーニア、モリーゼ、シチリア)で誕生した初期の人気パスタです。
鉄の棒(編み棒やつむぎ棒のフーゾ)に巻きつけてカールさせます。
ソースはトマトが入らない白肉(豚・家禽など)のソースで、仕上げにパルミジャーノを散らします。
フジッリ
スバゲットーニ、フジッリときて、次はピチの話。
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「総合解説」
『ルフィーノのトスカーナ』
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