イタリア料理で子羊肉のラグーと言えば、キタッラ。
そしてキタッラはアブルッツォのパスタ。
でも、アブルッツォ料理を語ろうとしてアブルッツォのことを何も知らないことに気が付きました。
こんなに素晴らしいのに外国人はほとんどこないって言ってます。
アブルッツォ料理
イタリアの各地方のスーゴやサルサの本、『イタリア料理アカデミー『スーゴとソース』には、こうあります。
アブルッツォはパスタイ(pastai/パスタ製造業者)の土地と呼ばれていた。
製造所で造られる製品だけでなく、各家庭でのパスタ作りも盛んだった。
アブルッツォ料理は歴史が古く、ハーブ(マジョラム、セイボリー、ローズマリー、セージ、バジリコ、唐辛子など)の香りが特徴の、人間と自然の関わりを重視した優しい味の料理だ。
羊の飼育も盛んで、植物だけでなく、動物との関わりも深い地方だった。
サルサやスーゴは、なにか一つの味が突出することなくバランスよく混ざり合って、家の畑で栽培したハーブ(セージ、クロガラシ、イタリアンパセリ、キャラウェイ、ミント、ディル、フィノッキオ)をたっぷり使い、
地主や貴族たちの宴会で使ったラードや、オリエントからのスパイス(黒こしょう、シナモン、クミン、ナツメグ、しょうが、サフラン、クローブなど)、アメリカから届いた新しい発見品で、料理を根本から変えることになるトマトやピーマンといった食材が使われた。
なるほど、新大陸の食材も、オリエントの高価なスパイスもなしで料理を作ろうとしたら、家の周りに生えているハーブを栽培して使うのでした。
家にあるもので料理を作った、トスカーナやラツィオあたりの大貴族が大勢いた地方の貧しい料理とはちょっと違って、大地と結びついた農民の発想で食材を手に入れて料理を作ったのですね。
それは、シンプルな料理でしたが、貧しい料理ではなかったのでした。
例えば、祝日の料理、“フィント・ラグー(ラグー風)”は、季節のハーブと唐辛子のみじん切りを、聖なるオイルと呼ばれる一番搾りのオリーブオイルに数日間浸しておき、これを肉や魚や豆にかけた。
アブルッツォでも歴史の古いソース、“アダッチャータadacciata”は、ハムの脂身と粗挽きこしょう、にんにく、イタリアンパセリ、唐辛子、塩、こしょうをすり潰し、腸に詰めて保存した。
なるほど、イタリアの地方料理が誕生する過程を見るよう。
祝日の料理の定番、ラグーは、羊のもも肉で作りましたが、この場合の羊は、肉を柔らかくするために(つまり脂肪が多い)若いうちに去勢した羊や山羊、カストラートcastratoでした。
最近では数が少なくなっているそうです。
カストラートのスーゴ
アブルッツォのラグーは、子羊、カストラート、豚、鶏、山羊などすごい種類があります。
リチェッタは次回。
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「総合解説」
『イタリア料理アカデミー『スーゴとソース』
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