パスタに独特のこだわりを抱くシチリア人ならではのことがあったのです。
このパスタ、アネッレッティはオーブン焼きのために考え出された形のパスタで、普通のパスタソースをかけて食べることはしない、のでした。
だから、たまたま手に入ったからと言って、トマトソースをかけて食べたりしないように。
まあ、普通はしないよね。
それにしても、このあたりの頑固さや融通のきかなさが、シチリア料理がいまいちマイナーな理由でしょうか。
それでは今日は、『“グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズの『シチリア』
のリチェッタをどうぞ。
イルダッツァのパレルモ風ティンバッロ IL TIMBALLO PALERMITANO DI ILDAZZA
リチェッタの説明文は・・・、
リチェッタを提供したイルダッツァさんは、世界一働き者でいい人なのですが、厳格なシチリア西海岸(パレルモ)派で、リチェッタを少しでも変えると、それは東海岸の作り方で、西海岸ではそんな作り方はしないと抗議したそうです。
作りやすさなどは考慮せず、ひたすらパレルモ風にこだわるとこうなります。
よそ者には理解できない、パレルモの人の譲れないプライド。
アネッレッティのオーブン焼き
シチリア東部
シチリア西部
パレルモ風ティンバッロ
材料8~10人分
アネッリーニ・・1kg
ブラザート用牛肉・・1kg
トマトソース・・1ビン
トマトペースト・・大さじ1(量はソースの濃度による)
厚さ2~3cmのカチョカヴァッロ・フレスコのスライス(小角切りにする)・・3枚
おろしたカチョカヴァッロ・スタジョナート・・1/4個
揚げ油(ピーナツ油)
モルタデッラの薄切り・・9~10枚
粒黒こしょう入りサラミ・・12~15枚
縦に厚さ1~2cmにスライスしたなす・・6~8枚
塩、黒こしょう
EVオリーブオイル、パン粉
玉ねぎ、にんにく、ローリエ
・玉ねぎ、にんにく、ローリエ数枚を油大さじ3でソッフリットにし、肉を入れて表面全体を焼く。
・トマトソースとトマトペーストを加え、最低2時煮る。
・その間にナスは皮をむいて縦に厚さ1cmにスライスし、塩をしてザルに入れ、重石を乗せてアクを出す。
・洗って水気をふき取り、熱した油で揚げる。
・シートにとって油を切る。
・肉を包丁で刻み、ソースに加えて10分煮る。必要なら水少々を加える。
・底の外せる型に油を塗ってパン粉をまぶす。
・底と側面を揚げたナスで覆う。
・アネレッティを硬めのアルデンテにゆでてスーゴと混ぜる。
・型にアネレッティ、チーズ、モルタデッラ、サラミを重ねながらカチョヴァッロを散らす。パスタで覆ってナスで閉じる。200℃のオーブンで20~30分焼く。
・粗熱を取って型から出す。
次はタルト・生地で覆う山猫風ティンバッロ。
これでもかなり簡略化したバージョン。
TIMBALLO DI MACCHERONI
材料6~8人分
パスタ・フロッラ
小麦粉・・300g
バター・・125g
砂糖・・125g
卵・・1個+卵黄2個
マルサラ
塩・・少々
卵・・1個
詰め物
太いマッケローニ・・600g
トマトソース・・200g
ベシャメル・・300g
ゆでたグリーンピース・・200g
鶏のレバーと内臓・・300g
乾燥ポルチーニ・・100g
カチョカヴァッロ・・150g
ハムの細切り・・150g
サルシッチャ・・100g
バター・・大さじ1
マルサラ
ローリエ・・2枚
塩、こしょう
・材料をこねすぎないでパスタ・フロッラを作り、覆いをして冷蔵庫に入れておく。
・べシャメルとトマトソースを作る。
・鶏レバーをバター少々とローリエで炒める。ぬるま湯で戻したポルチーニを加え、マルサラをかけて数分煮る。
・大きなボールでサルシッチャ、ハム、カチョカヴァッロ、グリーンピースを混ぜる。冷めたレバーのラグーを加える。
・パスタ・フロッラの3/4を直径25cm、厚さ1cmの円形に伸ばし、スプーンの背で抑えながら底取れ型に敷き込む。
・マッケローニを固めのアルデンテにゆでて水気を切り、トマトソースとベシャメルであえる。
・型にパスタを詰め、表面をパスタ・フロッラで覆う。縁を閉じ、好みの飾り付けをする。溶き卵を塗り、180℃のオーブンで約1時間焼く。
パスタ・フロッラで覆われたこんなに見事なティンバッロは、この本以外では見たことないです。(P.44~45)
でも山猫のティンバッロはたしか数段重ねで、もっと豪華でした。
ルキノ・ヴィスコンティ監督の『山猫』トレイラー
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「総合解説」
ブランカート・クチーナ・シチリアーナ”シリーズ
『シチリア/クチーナ・ディ・カーザ・プラネタ』
“グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズの『シチリア』
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