2019年9月16日月曜日

シチリアとフランスのブリオッシュの違いは

シチリアのブリオッシュ・コル・トゥッポはフランスのブリオッシュ・ア・テトとはどこが違うのか。
見てすぐに分かるのが、フランスは型を使うけど、シチリアは使わないということ。
なので、シャキッとしたフランスのブリオッシュに比べて、シチリアのものはやたらテローンとしています。
こ、これは国民性の違い?
出来上がりも、フランスは固くて、シチリアはソフト。
お団子をつけるのはフランスもシチリアも同じで、誰が見ても、フランスのブリオッシュがシチリアの貴族の家庭に広まったのが発端と思いますが・・・

シチリアの人は、シチリア貴族のフランス人料理人が、ご主人の朝食用に考えだした、つまりシチリア独特のものと信じて疑いません。
そもそもクロワッサンのようなパイ生地はシチリアでは人気がなく、
グラニータとホイップクリームやジェラートに添える柔らかいパンのような生地が好まれたのだそうです。
(byこちらのブログ)
バターでなくラードを使うのも違う点として上げています。

型を使わないからテローンとしているのではなく、シチリアの貴族の家庭で、こういうテローンとした形にしようと思って作ったということでしょうか。

フランス

シチリア

シチリアのブリオッシュはグラニータやジェラートに添えるパンとして誕生したと言われると、フランスのブリオッシュとは違うものに思えてくるなー。

グイド・トンマージの地方料理シリーズの『シチリア

を見てみると、確かにバターじゃなくてラードを使っていました。

それではリチェッタを訳してみます。

ノンナ・アデーレのブリオッシュ・コン・イル・トゥッポ
LA BRIOCHE CON IL TUPPO DI NONNA ADELE

約20個分
小麦粉・・1kg
牛乳・・400ml
砂糖・・160g
ラード・・150g
卵・・4個
生イースト・・30g
塩・・小さじ山盛り1
バニラビーンズ(またはバニッリーナ)・・1本
飾り用卵と砂糖・・2個

・ふるった小麦粉と砂糖を混ぜてフォンタナに盛り、中央に軽く温めてイーストを溶いた牛乳を入れる。
・バニラ、塩を加える。最後に柔らかくしたラード(室温で2時間置く)を加えてこね、生地を20回ほど台にたたきつけて弾力のある生地にする。
・ガラスか陶器の容器に入れて布巾で覆い、冷蔵庫で10~11時間休ませる。
・冷蔵庫から出して手早く20個に丸め、お団子部分をつまみ取ってどちらも丸める。
・大きな生地の中央に小さなくぼみを作り、小さな生地をのせる。
・発酵が進むと小さな生地が落ちたり埋没することがあるので気をつける。
・天板に並べて砂糖入り溶き卵を塗り、布巾で覆って2倍になるまで1~1.5時間発酵させる。
・再び砂糖入り溶き卵を塗り、180℃のオーブンで約15~20分焼く。

※ノンナ・アデーレはパレルモに住む本の作者の友人の祖母で、いつも家でジェラートを挟んだブリオッシュを作っていた。

フランス風ブリオッシュにジェラートを挟んでも、シチリアのものと同じにはならないのでした。


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シチリアのブリオッシュは「総合解説」2017年9/10月号に載っています。
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