ロマーニャとサルデーニャと、発祥地は違いますが、どちらも筋つきのショートパスタです。
見た目から受ける印象は、大きく違いますが、この2つのパスタには意外な共通点がありました。
パスタ・フレスカの教科書とも言える本、スローフードの『パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ』によると、
ガルガネッリは軟質小麦粉と卵の生地を綿棒で薄く伸ばしてからカットし成形する、パスタ・リッシャpasta liscia。
他のパスタ、つまり硬質小麦粉のパスタや、軟質小麦粉と水のパスタ・リッシャと比べると、締まっていて細工しにくい生地です。
そのため、唯一とも言える加工が、生地を薄く伸ばすこと。
タリアテッレやパスタ・リピエーナにすることが多い生地です。
タリアテッレやトルテッリーニなど、ボローニャ名物のパスタが多いですが、このタイプのパスタは北イタリアで発達しました。
煮崩れしにくくアルデンテを保ち、香りが強く、卵の味がして、麺棒で伸ばすとパスタマシンで伸ばすより表面がざらざらになるのでソースがからみやすいのが特徴。
このタイプのパスタ・リッシャを整形する道具は、パスタ・マシン、パスタカッター、ペッティネpettine(櫛)、グラットゥージャgrattugia(おろし器)がありますが、ガルガネッリはペッティネを使います。
木でできた細かい筋をつける道具と生地を巻きつける鉛筆のような太い棒を使い、ニョッキに筋をつけるリーガニョッキragagnocchiに似ています。
ガルガネッリの他に、マッケローニ・アル・ペッティネmaccheroni al pettineという呼び方もします。
この土台用の型が、マッロレドゥス(ニョッケッティ・サルディ)にも使えそうです。
マッロレッドゥスは硬質小麦粉のニョッキの一種。
ガルガネッリ
ぺッティネがあればマッロレッドゥスもできるか
生地の向きを変えればマッケローニ・アル・ペッティネに
この3つのパスタは、どれも名前が形を表しています。
ペッティネは櫛ですが、髪の毛をとかすものではなく、機織りに使う道具です。
ガルガネッリは鶏の気管のロマーニャ地方の呼び方。
いかにも農家で生まれたパスタって名前です。
一節によると、トルテッリーニのような豪華な詰め物パスタの代用品として考え出されたのだそうです。
ソースを吸った姿が詰め物パスタのようになったという訳。
トルテッリーニ用のパスタの切り落としを有効利用したという説もあります。
マッロレッドゥスも一風変わった名前ですが、以前、このブログで由来を紹介したことがあります。(こちら)
小さな子牛という意味でした。
長くなってきたので、今回はこのへんで。
次回はリチェッタを探してみます。
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今回紹介した料理の記事“クチーナ・イタリアーナのリチェッタ”は「総合解説」2017年9/10月号P.8,9に載っています。
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