2019年8月2日金曜日

ナポリの赤い金ことトマトは、やばすぎる火山に挟まれた火山の落とし子でした

夏の食材の続きです。
「総合解説」P.2を御覧ください。

まずはポモドリーノ・デル・ピエンノロ・デル・ヴェズヴィオ。

7月に収穫して、こうして干すと6~7ヶ月保存できます。
何度見ても飽きないなあ。

イタリア料理の基本中の基本、トマトソースのパスタですが、これにはいくつかバリエーションがあります。

以前、ナポリ料理のお勧め本、『クチーナ・ディ・ナポリ

を紹介したときにも触れました。こちら

トマトソースの基本その1は、生トマトで作るトマトソース。
バリエーションその1は、生のトマトが出回らない季節、つまり夏以外の、干しトマトや瓶詰めトマトで作るトマトソース。

このバリエーションその1の中でも、地元にどれだけ近いかによって、手に入るトマトが違います。
ほぼ地元でのみ作ることができるのが、このポモドリーノ・デル・ピエンノロ・デル・ヴェズヴィオのトマトソース。

今月の「総合解説」P.3の記事、“編集長のメニュー”は、『サーレ・エ・ぺぺ』の編集長のエッセイを交えた料理の記事ですが、今月は、トマトソースへの考察から始まりました。

「・・・私たちは食べたものでできている。
つまり、イタリア人はトマトソースのパスタでできているのだ」

さらに言えば、ナポリ人の何%かは、この干しトマトのソースのパスタでできている訳です。
地元ではとても人気のあるトマトですが、地元以外では殆ど知られていません。

このトマトは、ヴェズヴィオ山麓の火山性土壌でのみ路地栽培されています。
春に種を巻いて7~8月に熟します。
6月20日から8月31日の間に手作業で房ごと収穫して、冬~春まで、温度と湿度が適切な場所に吊るして干します。

ピエンノロは房という意味。
トマトはポモドリーニ・デル・ヴェズヴィオ
ヴェズヴィオ山はヨーロッパで一番危険な火山と言われています。
ナポリは西に、カンピ・フレグレイという超巨大火山もあります。

スーパー火山、カンピフレグレイ、怖すぎる。
山じゃなくてカルデラ。


1001スペチャリタ』によると、

火山性土壌はカリウムや微量元素を豊富に含む豊かな土壌で、上質なフルーツや野菜ができるのだそうです。
野菜の代表がトマトです。
ヴェズヴィオの火山性土壌は、山から麓を通って海まで続いています。

ひょっとしてナポリって超危険な火山2つに挟まれた、超やばい場所なのでは。



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“今月の食材”は「総合解説」2017年7/8月号P.2に載ってています。
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