ピッツァの第3の流派として、マルケ風、というのがあるなんて、『サーレ・エ・ぺぺ』で読むまで知りませんでした。
とりあえず、マルケの地方料理でピッツァと言えば、パスクアの朝にサラミと一緒に食べるチーズ入りのパンのような、パネットーネ形の食べ物、別名クレッシャとも呼ばれるものがあります。
クレッシャという名前は発酵によって生地が膨らむ(crescereクレッシェレ)ところからつけられました。
イタリア中部には、パスクアのピッツァという名前のこの種のパンが他にもあります。
中世の修道院で生まれたので、ナポリのピッツァとは何の関係もなさそう。
この他、クリスマスにもクリスマスのピッツァと呼ばれる甘いパンを食べます。
この場合のピッツァとは、トルタtorta/ケーキの意味があるのかも。
ピッツァ・ディ・パスクア
材料/直径22cmのピッツァ2台分
00番の小麦粉・・1.05kg
卵・・7個
塩・・15~20g(ペコリーノの塩分によって加減する)
ペコリーノ・・105g
パルミジャーノ・・105g
オリーブオイル・・225ml
ドライイースト・・3個(水1/2カップ強で溶く)
・材料を混ぜる。
・台に移して10分こねる。
・ボールをかぶせて30分休ませる。
・ガス抜きして半分に切り、バターを塗って小麦粉をまぶした型に入れて約3時間発酵させる。
・型一杯に膨らんだら180℃のオーブンで50分焼く。
・型から出し、アルミ箔をかぶせてオーブンで約10分休ませる。
一般的にイメージするチーズのピッツァとは全然違いますね。
サラミがよく合いそうです。
生地に硬質チーズを入れてこねるタイプ。
チーズが美味しいパンはまだあります。
リグーリアのレッコのフォカッチャは、フレッシュチーズを挟んだ薄焼きフォカッチャ。
材料/6人分
00番のマニトバ粉・・600g
水・・300ml
リビエラDOPのEVオリーブオイル・・100g
フレッシュチーズ・・1kg
塩
・マニトバ粉、水、塩、オリーブオイルをこねた生地を麺棒で薄く伸ばす。
・油を塗ったオーブン皿にかぶせる。
・フレッシュチーズの小片を並べる。
・その上に薄く伸ばした生地をかぶせて押さえる。ところどころ穴を開けて空気を抜く。
・余った生地を切り落とし、塩少々とオリーブオイルをかける。
・薪のオーブン(または300~350℃になるオーブン)で約6分焼く。
いわゆる典型的なフォカッチャとは違うけれど、フレッシュチーズを美味しく食べるために考え出された形。
ロマーニャ地方のピアディーナは、コンロで焼く薄焼きパン。
チーズやハムをはさむのに最適。
piadinaの材料は
小麦粉・・500g
ラード・・100g
塩・・8g
重曹・・3~4g
水・・200~240ml
ルーコラ、生ハム、クリームチーズ、パルミジャーノかグラナ・パダーノ、ミニトマト
・材料をこねて100~120gにカットし、布巾で覆って約15分休ませる。
・厚さ3mmのできるだけ正確な円形に伸ばす。打ち粉は必要ない。
・生地をピケし、熱した鉄板かフライパンで片面2~3分ずつ焼く。
・クリームチーズを塗り、生ハムとルーコラをのせて削ったパルミジャーノを散らす。半分に折って半分に切る。
マルケのチーズのピッツァは、今ではパスクアだけでなく一年中作られているので、ズッパ・ディ・ペッシェのついでに忘れずに味見を。
おまけの動画。
イタリアンのレストランが舞台のこんなPVありました。
『ジプシー・クイーンズ/イタリアーノ』
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