今月の「総合解説」の“ストリートフード”の記事(P.30、『サーレ・エ・ぺぺ』より)は、イタリアで、ストリートフードがブレイクしたこれまでの歴史や、今後どこへ向かうかが、よく分かる記事でした。
21世紀は、ストリートフードと言えど、食材にこだわり、添加物や大量生産と戦いながら進化していくようです。
リチェッタの最初の料理はその象徴のようなタコのパニーノ。
パニーノは、バールで食べる定番の軽食でした。
バールの軽食と言えば、まずはトラメッジーノ(サンドイッチ)。
命名者は作家のダンヌンツィオ。
下の動画は、イタリアのトラメッジーノ発祥の店と信じられているトリノのムラッサーノ。
1926年に誕生したそうです。
当初はホットサンドだったようですね。
最初はバターとアンチョビ、パプリカとアンチョビ、サラミのようなシンプルな具をはさんでいました。
それが次第に、ロブスターのサラダ、サーモンとトリュフクリームとマカルポーネ、ヴィテッロ・トンナートと豪華になっていきました。
パンも特製です。
店の人はこのパンがポイントだと言っていますね。
一番人気はロブスターのサラダだそうです。
次に革命を起こしたのは、ピッツァです。
20世紀に広まりました。
ピッツァの最大の特徴は、仲間と食べるもの、ということ。
家族や友人たちと、イベントの前後にワイワイ賑やかにつまむ食べ物でした。
ピッツァの歴史
この動画によると、
ナポリのピッツァは17世紀に、パンのスキアッチャータをもっと美味しくしようという職人の工夫から生まれました。
最初は、にんにく、ラード、粗塩、またはカチョカヴァロ、バジリコで調味していました。
新大陸からトマトが伝わると、新しいピッツァが生まれます。
トマトとモッツァレッラのピッツァが初めて作られたのは19世紀でした。
公式には1889年となっています(ヴェーラ・ピッツァ・ナポレターナ協会)。
なんでこれだけはっきりしているかと言うと、
イタリア王のウンベルト1世と王妃のマルゲリータがナポリを訪れた際に、当時の最高のピッツァイオーロと言われたラファエレ・エスポジトが3種のピッツァを作り、
ちなみにpizza Mastunicola(マストゥニコラ/ラード、チーズ、バジリコ),
alla marinara(マリナーラ/トマト、オリーブオイル、にんにく、オレガノ) 、
イタリアの国旗と同じ3色で後に王妃の名前をつけたpizza margherita(マルゲリータ/トマト、モッツァレッラ)
の3種でした。
この3番目のピッツァがナポリで大流行し、第二次大戦後に北イタリアにも広まり、その後の移民の増加に連れて世界へと波及していったというわけです。
そして今や、天然酵母や小麦粉の研究が進み、ナポリ派、ローマ派、マルケ派などが生まれています。
ピエンノロのトマト、チェターラのイワシ、アジェロラのフィオルディラッテと、食材へのこだわりも強くなっています。
ティレニア海のチェターラのイワシはアドリア海のイワシより脂肪分が少なく、塩漬けに適しているのだそうです。
下処理も塩漬けも手作業、熟成は3~6ヶ月。
アジェロラはソレント半島のアマルフィの近く。
水牛のミルクではなく牛乳から作るモッツァレッラ、フィオルディラッテ作りの中心地です。
こんな村。
世界中が憧れる地中海式ダイエットの地ですね。
締めはピエンノロトマトとアジェロラのフィオルディラッテのピッツァ
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“ストリートフード”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2017年3/4月号P.30に載っています。
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