アマトリチャーナやカルボナーラには欠かせない、豚の頬肉と喉肉を塩漬けにして熟成させたもの。
三角形に切りそろえた、中央に赤身の肉の層があるレンガ状の柔らかい脂身で、こしょうで薄く覆われています。
豚肉、こしょう、スパイスの風味が特徴。
代表的な産地のアマトリーチェが地震で被害を被って世界的に注目され、グアンチャーレの需要が増して生産が追いつかないほどになったため、一部のメーカーは、熟成期間を早めに終わらせた製品で対応したというから、なんとも皮肉な話です。
アマトリーチェのグアンチャーレメーカー
今回訳したのは『ガンベロ・ロッソ』の各種の製品をテイスティングして点数をつけるという記事。
さて、グアンチャーレはどんな点をどんな風に評価するのでしょうか。
今回1位になったのは、同点で3点でした。
その中の一つ、リミニのコッレマッジョーレというメーカーのもの。
www.collemaggiore.it
↓
自社で飼育した豚肉を使用、熟成は標高650mの丘陵地で130~150日。
味と香りのバランがよく、脂身は白くてかすかにピンク色。
香りは甘くて優しく、スパイスやワイン、カンティーナや煙突のスモーク香も感じられる。
ミルクやバター、生クリーム、ビスコッティ、トーストしたナッツの香りもある。
食べるとジューシーで口の中でとろける。
軽い辛味と脂のクリーミーさが感じられ、強くて持続する味。
豚の脂身の甘さを、こんなに豊富な言葉で例える時代がやって来ようとは、変わるもんだなあ。
『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ/1巻』で、
アマトリチャーナを紹介しているのは、サン・チェーザレのオステリア・ディ
サン・チェザーリオのシェフで、真っ赤なコック帽がトレードマークのアンナ・デンテシェフ(P.398)。シェフのwebページ
アマトリチャーナの女王と呼ばれている人です。
食材にこだわるのがこのシンプルな料理のポイント。
パスタは、トスカーナのピチによく似た地元のパスタ、コーダ・テゾーロ。
グアンチャーレはシンプルな味のもので熟成は中程度。
ペコリーノはラツィオ産のペコリーノ・ロマーノ。
トマトはコルバリーニかピエンノロ。
カンパーニア産でナンバー1と信頼しているもの。
・小さく切ったグアンチャーレを熱した鍋で炒め、ちぎった生唐辛子とローリエを加える。
・白ワインをかけてアルコール分を飛ばす。
・裏漉ししたトマトを加えて弱火で1.5~2時間煮る。
・パスタをゆでる。
・ソースから唐辛子とローリエを取り除き、パスタを入れる。
・おろしたペコリーノを加えてマンテカーレする。
・皿に盛り付けてペコリーノを散らす。最近では炒めて脂を溶かした後のグアンチャーレを散らすシェフも多い。
ソラマメとパンチェッタまたはグアンチャーレ
・グアンャーレ200gは皮を取って小角切りにする。
・小さく切ったトロペアの赤玉ねぎ1個と一緒にフライパンに入れてオリーブオイルを加える。
・さらにソラマメ、塩と水少々を加える。
・蓋をして10~15分煮る。
・仕上げに余分な水気を飛ばす。
アスパラガスとグアンチャーレのパスタ
・アスパラガス500gの軸の硬い部分は取り除いて穂先を切り離し、残った軸は15分蒸す。
・アスパラガスの軸と蒸し汁少々をミキサーにかけてクリーム状にし、保温する。残りの蒸し汁は取っておく。
・エシャロット1個のみじん切りをオリーブオイルでソッフリットにする。
・グアンチャーレ120~140gの小角切りを加える。
・脂身が溶けて透き通ったら生のアスパラガスの穂先を加えてソッフリットにする。
・塩・こしょうで調味する。
・アスパラガスのクリームを加えてなじませる。
・アルデンテになる2~3分前までゆでたパスタを加えて好みの硬さまで火を通す。必要ならパスタのゆで汁ではなくアスパラガスの蒸し汁を加える。
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“グアンチャーレ”の記事の日本語訳は「総合解説」2017年1/2月号に載っています。
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