久しぶりにグイド・トンマージの地方料理シリーズの、新作が出ました。
今回はナポリです。
相変わらず空気感がいいんだなあ、このシリーズ。
料理の背景に地元の人たちがちょいちょい写り込んでるという、このシリーズの得意の手法は、今回も絶好調。
まずは表紙の写真、見てください。
ちょっと前に映画『l'oro di Napoli』の動画をこのブログでも紹介したばかりだったので、すぐに思い浮かびましたよ。
女性の胸の谷間があらわになっちゃう、このゆるゆるのワンピース姿。
谷間を見ただけで、自動的に顔はソフィア・ローレンの揚げピッツァ屋の女将さんで補完されていました。
もしナポリの黄金のソフィア・ローレンがパスタをサーブしたら、まさにこの表紙の姿の通りになったはず。
これこそが世界共通のナポリの女性像。
そして2番めに目が行くのは、料理。
どう見てもシンプルなトマトソースのスパゲッティです。
リチェッタは本のP.38にあります。
トマトソースのパスタは、ナポリが、いえイタリアが世界に誇る食べ物。
この本には、
SPAGHETTI AL POMODORO
SPAGHETTTI CON I POMODORI CRUDI
SCARPARIELLO
の3種類のトマトソースのパスタが載っています。
シンプルなトマトソースに3種類ものバリエーション。
最初の2品は、生のトマトが出回る夏の時期と、瓶詰めや干しトマトを使う冬のトマトソース。
季節によってトマトを使い分ける、トマトの産地ならではのこだわりのリチェッタです。
トマトの保存方法は品種によって最適な方法が違います。
ミニトマトの保存方法の一つ、干しトマト、ピエンノロ。
ポモドリーニ・デル・ヴェスビオを干したのがピエンノロ・デル・ヴェズビオ。
生トマトの代表格は、サン・マルツアーノ。
3品目のスカルパリエッロは、本によると、ナポリのスペイン人地区の靴屋の職人(スカルパーリ)が考え出したと語り継がれている料理。
手軽に作れて経済的で美味しいという、ナポリの庶民が生み出した1品。
手軽で経済的で美味しい料理、それはつまり、残り物を有効利用した料理です。
ベースの日曜日のご馳走のソースに、チーズを加えてボリュームアップ。
靴の代金をチーズで払う客もいたので靴屋にチーズはたっぷりあったんだそうです。
ホントかいな。
結局、いつものトマトソースの味をupさせる秘密は、ペコリーノでした。
ナポリのトマトソースにペコリーノを使う発想はなかったなあ。
缶詰のミニトマトを使うので、トマトの産地でない場所では一番現実的なリチェッタです。
パスタはショートパスタを使います。
基本のトマトソースの次は、プッタネスカ、カーチョ・エ・ウオヴァ、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ、ヴォンゴレと続いていきます。
それでもまだほんの冒頭です。
さすがはパスタの街。
ナポリ料理は面白いですねー。
-------------------------------------------------------
「総合解説」
「書籍リスト」
[creapasso.comへ戻る]
=====================================
0 件のコメント:
コメントを投稿