2019年2月4日月曜日

鶏の悪魔風のルーツを探して


今日のお題はポッロ・アッラ・ディアヴォラです。
鶏の悪魔風。
そう言えば、この料理がどこの地方のものなのか、ご存知ですか?
『サーレ・エ・ペペ』誌によると、パダナ平野からラツィオに至る一帯には、この料理の発祥地を名乗る町がたくさんあるそうですが、決定的な記録は何も残っていないそうです。

悪魔風という名前の由来も不明で、唐辛子の辛さが悪魔級だからとか、平らに潰して強火で焼かれる姿が地獄の業火で焼かれているみたいだからとか、諸説あるようです。
でも、現代では唐辛子やスパイスの量は少なくなる傾向があり、全く使わない人もいるようです。

さらに、フライパンで焼くのはこの料理のいくつかある調理方法の一つでしかありません。
パン粉で包んで網で焼いたり、下の動画のようにオーブンで焼いたり、色々ありますがフライパンで焼くのは現代的なリチェッタのようです。



ですから当然、これが正解というリチェッタもありません。
リチェッタが残っている古い本はいくつかあるようですが、50年代にオステリアの王様と呼ばれたHostaria Romanaオスタリア・ロマーナの開業時のシェフ、ジージ・ファッツィのリチェッタが、フライパンで焼き、レモン汁をかけるという、現代のものに一番近いそうです。
この店、経営者が変わっても同じ名前でローマにあるようですが(webページ)、メニューに鶏の悪魔風はないですね。


フライパンで焼くリチェッタ
 ↓

フライパンで焼く場合、鶏を平らにする方法は各種あるようですが、「総合解説」の方法はお手頃で簡単。

おすすめの店の1軒。
アッピア街道のそばのソーラ・ローザ。
 ↓

そう言えば、トスカーナ料理に鶏にレンガを乗せて焼くPollo al mattoneというのがあります。
鶏のレンガ焼き。
悪魔風との違いがよくわからなかいのですが、トスカーナではこの料理を悪魔風とは呼ばないんですね。



トスカーナ料理のおすすめ本、“グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズの『トスカーナ』にもレンガ焼きは載っています。



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“ポッロ・アッラ・ディアボラ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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