ナポリのジェノヴェーゼも、そんなナポリ人気質がよく表れたソースです。
まず、世界中の人にとっての常識、バジリコのソースのジェノヴェーゼと、ナポリのジェノヴェーゼは違うものです。
ジェノヴェーゼ・ナポレターナというネーミングは、多少意地張ってるような気もしますが、外見からして全然違います。
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ナポリのサルサ・ジェノヴェーゼは、玉ねぎと香味野菜のソッフリットで肉を煮た煮汁のパスタ用ソースです。
パスタには煮汁を使って肉はセコンド・ピアットにします。
何やらナポリ風ラグーとよく似ています。
そもそも、ナポリ以外ではラグーと言えば挽肉を煮込んだボローニャ風、というのが世間の常識ですが、ナポリでは違う料理です。
ナポリ風ラグー
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なぜナポリでジェノヴェーゼという名前の伝統料理が生まれたのか、文書としての記録は何も残っていません。
ただ、かつてジェノヴァが海洋共和国として栄え、ナポリも港で栄えた大都市だったことを考えると、ナポリにジェノヴァ人が大勢暮らしていても不思議ではありません。
彼らが作っていた料理がナポリで広まったという説は、根拠は見つかっていませんが、広く信じられているようです。
ただし、これはあくまでもナポリの人たちの間でだけ通じる話で、普通のイタリア人にとってサルサ・ジェノヴェーゼといえば緑のバジリコのソースのことです。
なぜかイタリアでも知られていないようです。
こちらの動画でも、ナポリのサルサ・ジェノヴェーゼとは、と説明しています。
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ラグー・ビアンコとの説明も。
イタリアでも、ラグーはボローニャ派とナポリ派に分かれるようです。
ナポリのジェノヴェーゼが広まらなかったのは、塊肉を2~3時間かけてじっくりコトコト煮るという調理方法が、現代の生活に合っていなかったからではないかと考えます。
ところが、実は、じっくりコトコト煮る料理はイタリア中にあるのです。
ただし、暮らしがモダンになるにつれて、調理器具が進化し、昔ながらの調理器具や調理方法を名前にした料理が、現実とそぐわなくなってきています。
このテーマ、追求していくと、とても深いのです。
来月の「総合解説」に続きます。
各種のラグーを始めとする南イタリアのレストランのパスタのリチェッタのお勧め本
『パスタ ; サポーリ・エ・プロフーミ・ダル・スッド』
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“サルサ・ジェノヴェーゼのジーティ”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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