アブルッツォの要チェックレストラン。
その1、ヴィッラ・マイエーラ。
地方料理とアルタ・クチーナが出会ったティナーリ一家の店。
14室のエレガントな客室付きのホテル・レストランです。
アブルッツォと言えば、ディ・チェッコ。
ディ・チェッコが企画した各州の有名なシェフのパスタを紹介する本、『パスタ・ヴィアッジョ・イン・イタリア』
で、アブルッツォのシェフとして紹介されているのが、このヴィッラ・マイエーラのシェフのペッピーノ・ティナーリ。
アブルッツォの魅力的なもてなしを体験できる素敵な店。
昔ながらの懐かしさのある伝統の味を、現代の最先端の食材で再現しています。
本のリチェッタを訳してみます。
“子羊のラグー・ビアンコ、セイボリー風味のキタッラ”
chitarra al ragù bianco di agnello al profumo di santoreggia
材料/6人分
マッケローニ・アッラ・キタッラ・・500g
子羊の肩か首肉・・600g
子羊の首の骨・・200g
葉玉ねぎ・・80g
セロリ・・50g
ローリエ・・1枚
セイボリー・・2枝
にんにく・・1/2かけ
EVオリーブオイル・・150ml
白ワイン
野菜のブロード・・1L
塩
完熟トマト・・3個
にんにく・・1/4かけ
EVオリーブオイル・・100ml
削ったペコリーノ
・ソテーパンに油を熱し、骨をじっくり焼く。葉玉ねぎとセロリのみじん切り、潰したにんにくを加えて炒める。
・次に1cm角に切った肉、ローリエを加えてワインをかけ、アルコール分を飛ばす。野菜のブロード少々をかけながら45分煮る。
・骨を取り除いて塩味を整え、セイボリー少々を加える。
・にんにくと油を熱し、皮と種を取って小さく切ったトマトを加えて10分煮る。塩味を調え、裏漉ししてクリーム状にする。
・パスタをゆでて子羊のソースであえる。
・皿にトマトのクリームを注ぎ、その上にパスタを盛り付ける。セイボリーとペコリーノの薄片で飾る。
コロコロの子羊肉の存在感があるパスタです。
子羊のフォンドで作るソースも濃厚そう。
子羊というと、ローマのアバッキオが有名ですが、ローマのアバッキオはほとんどがサルデーニャ産。
ペコリーノ・ロマーノもサルデーニャ産、という厳しい現実がありました。
ところが、山を挟んで反対側は、子羊料理のパラダイスがまだ現存していそうです。
スローフードの『オステリエ・ディ・イタリア2017』
によると、ラクイラのオステリア・ディ・アンティカ・ムーラの子羊料理はこんな料理。
“子羊のカーチェ・オーヴェ”
Agnello cac'e ove
材料/4人分
子羊のももか肩肉・・1kg
卵・・3個
ローズマリー・・1枝
レモン・・1個
ペコリーノ・スタジョナート・・50g
EVオリーブオイル
塩、こしょう
・肉を小さく切る。油とローズマリーで焼いて塩、こしょうする。
・卵を溶き、おろしたペコリーノとレモン汁を加える。
・これを子羊のソテーパンにかけて全体が固まるまで素早くマンテカーレする。
・熱した皿に盛り付けてすぐにサーブする。
※別名“子羊のブロデッタート”とも呼ばれるアブルッツォの(復活祭の)名物料理。
ソッフリットににんにくを加えたり、肉に白ワインをかけるなどのバリエーションがある。
これはフリカッセのアブルッツォ版。
アブルツォではカーチェ・オーヴェ(cac'e ove)と呼ぶのですね。
チーズと卵ですね。
カーチェ・オーヴェの話、次回にづきます。
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