「総合解説」2月号発売しました。
まずは今月の食材。
今月は、ラ・メランヌルカです。
いったい何でしょう。
ヒントは、果物です。
産地はカンパーニア。
別名メーラ・アンヌルカ・カンパーナ(Melannurca Campana)というカンパーニアIGPのりんごです。
りんごというと北国のイメージがありますが、カンパーニアには少なくとも2000年以上前からあった品種で、西暦79年にポンペイと一緒に噴火で廃墟になった街、エルコラーノの遺跡にも描かれているそうです。
下の動画にもその壁画がちらっと登場しています。
家庭の壁画には身近な果物が描かれたので、このりんごもかなり普及していたと考えられます。
一般的なりんごより小型で、ヘタも短くて柔らかい品種。
収穫後に皮が赤くなるように(80~90%)、水はけを良くするための切り屑や松の葉の上に広げて熟成させます。
手作業で摘み取り、1個ずつ手作業で裏返すという、手間のかかる作業で熟成させます。
カンパーニアの沿岸部一帯に広まった、地中海に愛されたりんごです。
イタリアで最も人気のある品種とか、通好みという人もいて、別名りんごの女王様。
ミルクの次に人間が口にするのはりんご、というわけで、その優れた栄養価も注目されています。
イタリアの代表的りんごの産地の一つ、アルト・アディジェ。
カンパーニアとは全く違う環境です。
北の山のりんご比べると、カンパーニアのアンヌルカは、かなり特殊な環境で栽培されているのですね。
アンヌルカの収穫量は、イタリア全体のりんごの5%。
でも、その割には料理書に登場する機会はかなり多いです。
アンヌルカのオーブン焼き。アマレット詰め。
“ラ・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズの『カンパーニア』には、
「アンヌルカとトマトはカンパーニアのシンボル」と紹介されています。
『1001スペチャリタ・デッラ・クチーナ・イタリアーナ』には、
「イタリア南部で栽培されている唯一のりんごで、
カンパーニアの5つの県すべてで栽培されている。
もっとも伝統的な産地はヴェスヴィオ山のふもと。
長期間保存できるのでカンパーニア土産としてもお勧め」
と書かれています。
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“メーラ・アンヌルカ”の説明は「総合解説」2016年2月号に載っています。
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