今日はロッシーニ風トゥルヌドの話。
ブログではこのお題、2回目になります。
食通の天才作曲家が考え出したこの料理については、新しく語ることなんて何もないくらい、みんなよく知ってますよね。
それにしても面白いのは、イタリアの料理雑誌に載ると、この有名なフランス料理も、見事にイタリア目線のイタリア人向きの記事になります。
まずこの料理は世界中でフランス料理と認識されています。
でも、記事によると、
この料理はロッシーニが亡くなる数年前にパリに住んでいた時代、当時パリで一番のレストランと言われていたカフェ・アングレのシェフにリチェッタのヒントを与えた。
次に、レシピが出版されるとエスコフィエなどによる多少のバリエーションが加えられて世界中に広まった。
この料理は柔らかいヒレ肉とフォアグラの組み合わせに、ロッシーニの故郷の名物で、この天才が昔から慣れ親しんでいたトリュフの香りを加えたもの。
つまりオリジナルのリチェッタは、ロッシーニの故郷、つまりペーザロの食材が不可欠の傑作だった、という結論へと、誘導されていきます。
もっと詳しく言うなら、トリュフはアックアラーニャなどの中央アペニン山地ではよく採れる、タルトゥーフォ・ネロ・ディ・プレジャートが最適だそうです。
アックアラーニャは白トリュフで有名ですが、黒も採れます。
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ロッシーニはトリュフのことをきのこのモーツァルトと呼んでいましたが、それはアックアラーニャのトリュフのことだったのかも。
この料理と組み合わせるワインは、イタリア人ならもちろんイタリアワイン、というか、ペーザロのワイン。
記事で提案しているのは、ヴァルトゥーリオというペーザロ県の造り手のオルモ(サンジョヴェーゼとモンテプルチャーノ)。
おまけの動画はミラノのリストランテ・トゥルヌド。
動画は変な雰囲気ですが、店名にもなってるトゥルヌドが名物の店。
ロッシーニ風を初めとして色んなトゥルヌド料理を出しています。
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ところで、ロッシーニは外食が大好きで、店に入るとメートルやソムリエだけでなくすべてのカメリエーレの腕を取って挨拶し、席に着く前に厨房に入ってシェフに敬意を表したという友人が明かすエピソード、珍エピソードの宝庫のロッシーニにしては、いい話だなあ。
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“ロッシーニ風トゥルヌド”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2015年11月号に載っています。
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