今日は今月の「総合解説」で紹介している2人のシェフについて。
まずは、アブルッッォのホテル・レストラン、ヴィッラ・マイエッラのペッピーノ・ティナーリシェフ。
ヴィッラ・マイエッラはシェフの両親が始めた店で、現在は妻や2人の息子たちも一緒に、3世代で働いています。
店のwebページはこちら。
2代目のペッピーノさんはシニョーレ・デル・アニェッロと呼ばれる子羊肉の巨匠。
元々、子羊は地元の名物でしたが、塊肉のポルケッタかぶつ切りのフリカッセアぐらいしかバリエーションはありませんでした。
それを見直して、各部位ごとの特性を活かした料理を考え出したのが、彼の料理の特徴です。
例えば、すねはゼラチン質が多いのでグリルだと粘ついてしまうが、長時間の煮込みに適している。
首や骨は、ソースやフォンドに最適、内臓はパデッラータやスカロッパ。
といった具合で、子羊は豚肉と同じで捨てるところがない、と語っています。
「総合解説」に載せたリチェッタの中には、すね肉のサフラン煮やレバーのスカロッパなどがあります。
ちなみにレバーのスカロッパのソースは、首の小骨のブロードを煮詰めたものです。
肉のほうはキタッラのラグーに使っています。
もう一人は、プーリアのペッペ・ズッロシェフです。
プーリアを代表する有名シェフ。
店の名前は、リストランテ・ペッペ・ズッロ。
レストラン、農場、料理学校と多角的にビジネスを展開しています。
彼の料理は地元の食材にとことんこだわっているので、リチェッタを訳すのも大変です。
でも、どんな食材が使われているか知ったうえで、プーリアの彼の店で料理を食べると、感激もひとしおだと思います。
彼の料理には地産地消精神が溢れています。
料理のルーツはプーリアのダウニア地方。
↓
ダウニアはフォッジャを中心とする地方。
長靴形のイタリアの蹴爪にあたる部分です。
おいしい食材、その活かし方を知っている職人たち、
まさに地産地消の精神がDNAに刻まれている地方ですね。
都会のイタリア料理と田舎のイタリア料理は、根本的に別のものだなあ。
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“ペッピーノ・ティナーリの子羊料理”と“ペッペ・ズッロの地産地消”のリチェッタの日本語訳は「総合解説」13/14年4月号に載っています。
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