今日は、真偽はともかく、うっかりが原因で生まれたという話が広く信じられているイタリアを代表するチーズの話です。
詳しくは「総合解説」に書いてありますが、そのチーズは、ズバリ
ゴルゴンゾーラです。
正確には、いつ、どこで、誰が考え出したかは謎に包まれているチーズですが、民間では、例によってすっと納得できるような、もっともで愉快な話が伝わっています。
それによると、主人公のうかっり者は、牛の群れを放牧しながらストラッキーノチーズを作っていた牧童です。
ストラッキーノのCM
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なので、ゴルゴンゾーラの前に、まず、ストラッキーノがどうやって作られるのかを知っておく必要があります。
下の写真は、ストラッキーノの一種。
カビの生えていないゴルゴンゾーラそのものですね。
ストラッキーノ作り
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ストラッキーノは加熱しないチーズです。
なので、基本は搾りたての温かい牛乳にレンネットを加えて固め、砕いてホエーを切るという作業。
搾乳は朝晩の2回行うので、固めてホエーを切る作業も2回行います。
前の日の晩の冷めて乾いたカードと当日の朝の温かくて柔らかいカードを1つの容器に入れて混ぜることによって、両方がつながって固まります。
これを塩水に浸けて12~20日程度の短期間熟成させます。
ストラッキーノはロンバルディアの様々なのチーズの原型とも言える基本のチーズ。
ゴルゴンゾーラだけけでなく、クレッシェンツァ、タレッジョ、ロビオーラも、ルーツはストラッキーノです。
熟成させないストラッキーノのクレッシェンツァ。
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クレッシェンツァもタレッジョも、どうやってストラッキーノから変形していったかを調べれば、きっと楽しい言い伝えが出てくると思いますが、ゴルゴンゾーラの場合は、2日分のミルクから作る、というのがうっかりポイント。
つまり、結論から言ってしまうと、濃さが違うカードが層になって重なることで、空気の入るすきまができて、その結果カビが生えた、というものです。
ところが、さすがは民間伝習。
話の上手いおじさんやおばさんが、みんなに話して聞かせるうちに、どんどん盛られていって、最終的にはかなり出来上がった話になりました。
ゴルゴンゾーラのコムーネのwebページにも載っています。
次回は、この話を訳してみます。
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“ゴルゴンゾーラ”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年11月号に載っています。
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