今日からは「総合解説」2012年11月号の話です。
まず、今月の料理で、一番気になったのは、カルツァガッティcalzagatti。
聞いたことありますか?
こんな料理です。
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見た目はちょっとあれですが、ポレンタにボルロッティ豆とじゃがいもを加えたものという、内容的にも、胃袋にズーンときそうな一品。
翌日、冷めて固まったものをスライスして揚げても美味しいんだそうです。
この料理の名前のガッティというのは、猫のことです。
猫なんて料理の名前にしては珍しいですが、どうやらこの料理の由来には、猫がかかわっているらしいのです。
猫派の人は大喜びしそうですが、主役は別にいます。
それはなんと、ドジっ子メイドです。
モデナのあるお屋敷の不器用なドジっ子メイドが、ゆでたいんげん豆を運んでいる最中、よりによってポレンタの鍋の横を通った時に、猫につまずいて、やっぱりというか当然というか、ポレンタの中に豆を落としてしまいました。
その結果、当然ながら猫は部屋から追い出されました。
猫を部屋から追い出すをイタリア語で言うと、caccia via il gatto。
これがなまってcalzagattiとなったわけです。
つまり、料理の名前を日本語にすると、「猫を追っ払う」という、動物愛護団体から苦情がきかねない名前なんですねー。
でも、ニャンコにしてみればとんだ災難です。
人間の身勝手な八つ当たりですよねー。
しかも、豆が入っちゃったポレンタは、美味しい!とお客様に大好評。
多分メイドは怒られただろうけど、ニャンコが全面的に責任を転嫁されたのでした。
私の中では、ドジっ子メイドと言えば、ダウントン・アビーの厨房メイドのデイジーと料理長のパットモアさん。
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イタリアの伝統料理の約50%は、どうやって生まれたのかが、謎です。
残りのうちの半分は、ドジっ子によって生み出されたといっても過言ではありません。
たいていが見習い職人などの経験値の浅い若者がうっかりドジって、奇跡のような名物料理を生み出しちゃうわけです。
実は今月の「総合解説」には、もう一つ、ドジっ子が作り出したイタリアを代表する銘産品が登場しています。
なんだと思いますか。
ヒントはチーズです。
典型的なイタリアのレジェンドの一つですよ。
答えは次回に。
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“カルツァガッティ”の解説とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2012年11月号に載っています。
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