今日は恒例、ガンベロ・ロッソの食材ベスト10。
今回取り上げたのは、ジャンドゥイア・クリームです。
そう、イタリア人に溺愛されている、あのヌテッラも、このタイプのクリームです。
ヌテッラおしのローマのジェラテリーア。
↓
もちろん日本のスーパーにも必ずあるし。
ヌテッラがどれだけ愛されているかが分る映画のワンシーン。
ナンニ・モレッティ監督の『Bianca/僕のビアンカ』(1983)のワンシーン、バケツで裸でヌテッラ。
いったい何を言い表しているのか・・・。
↓
というか、ヌテッラ以外にもこんなクリームあるんだけっけ?
というくらい、ヌテッラしか思い浮かばない。
ベスト1から10位まで、ヌテッラで決まりじゃないの、と思ったら、なんと、他にもいっぱいありました。
しかも、どれもみーんなヌテッラより美味しそう。
こんなにジャンドゥイアクリームがあったなんて、知らなかったなあ。
あ、そうだ、順位の発表の前にちょっとアドバイス。
スーパーや近所のお店で、上位に選ばれたものと同じ製品名のものを見つけて、値段は格安だからお得、と思ったあなた、それは大きな勘違いです。
ここでベスト10に選ばれているのは、いわゆる工場で作る大量生産品じゃありません。
職人が手作りする、アルティジャナーレの製品です。
だから、今回選ばれた製品は、そもそもヌテッラとは土俵が違う製品です。
値段が桁違いなのは当たり前。
特にイタリアのドルチェの世界では、こういう二重構造の勘違いがありがちなので、要注意です。
専門店で有名になって、大量生産品をスーパーで売って儲ける。
この仕組みを知らないと、ガンベロ・ロッソで美味しいって言ってたのに、全然美味しくないじゃん、てことになりかねません。
ガンベロ・ロッソのベスト10に選ばれるような製品は、多分、近所の店では簡単には手に入りません。
それでは、まず最初に、そもそもジャンドゥイア・クリームとは、どんなクリームでしょうか。
答えは、ヘーゼルナッツペースト入りのチョコレート。
その誕生には、『ガンベロ・ロッソ』によると、ナポレオンが関わっています(通説とはかなり違いますが)。
そこらへんの詳しい話は「総合解説」に載せましたが、イタリアにとってナポレオンは、征服の戦争を度々繰り返して国の中をめちゃくちゃにしていった人物ですが、その置き土産に、ヌテッラをイタリアにプレゼントしていったのだと思うと、ちょっと和みますねー。
なぜイタリアでヌテッラが生まれたのか、その理由も解決です。
そもそもの発端は、ナポレオンがトリノで行った経済封鎖。
イギリスの植民地からの物資が届かなくなって、カカオが足りなくなった。
その代用品とされたのが、ランゲのヘーゼルナッツでした。
これがジャンドゥイアです。
そしてこれをペーストにしたのがフェッレーロ家。
つまり、ヌテッラの製造元の会社。
現オーナーのミケーレ・フェッレーロ氏は、イタリアで一番の大金持ち。
フォーブスの世界の大富豪番付で23位。
イタリアで一番の資産家は、チョコレート職人の一族だなんて、イタリアらしいなあ。
そんな彼でしたが、2015年のバレンタインデーに亡くなりました。
葬儀の様子
↓
私はフェレロ・ロシェが大好きで、イタリアの免税店に行くと条件反射的に買ってしまいます。
ヌテッラはちもちろん常備しています。
フェッレーロ家の莫大な資産のご~く一部に、私も貢献していたんだなあ。
RIP。
あ、ジャンドィゥィアクリーム・ベスト10の話は、次回です。
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“ジャンドゥイア・クリーム”の記事の日本語訳は「総合解説」2012年10月号に載っています。
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2015年3月30日月曜日
2015年3月26日木曜日
トリッパとワイン
今日のお題はトリッパとワインです。
トリッパにはどんなワインが合うと思いますか?
一見簡単そうな質問ですが、実はこれがかなりの難問なんです。
その理由は、現在発売中の「総合解説」2012年10月号をご覧いただくと、よ~く分ります。
実は、この号の最初の記事“トリッパ”と、最後の記事“トリッパとワイン”はつながっています。
トリッパ料理は、煮込み、サラダ、フリットの3種類に大別されますが、料理の仕方や使う部位によって、合うワインは、赤、白、ロゼ、スプマンテと、実に幅広いのです。
大雑把に言うなら、室温のサラダにはロゼか白、煮込みにはボディーのある赤、パン粉揚げのフリットはスプマンテ。
なぜこうなるかというと、トリッパは、調味料を完全に吸い込まないので、その味は使う調味料によって左右されます。
加熱によってゼラチン質が溶け出たとろみが加わります。
トリッパは脂肪分が少ないので、強い味付けの料理でも、油やタンニンを洗い流す効果は必要としません。
最初の記事では、トリッパの種類ごとの特徴や地方料理の説明、ワインとの組み合わせの基本的な情報の説明があります。
そして最後の記事では、これらをふまえて、論理的に最適なワインを紹介しています。
かなり複雑ですが、頑張って訳しました。
トリッパ料理に最適のワインを勧められるソムリエさんは、かなり優秀なのでは・・・。
下の写真はミラノのアンティカ・トラトリーア・デッラ・ペーザ(webページ)のミラノ風トリツパ。
組み合わせたワインは、ヴァルテッリーナ・スーペリオーレ・インフェルノですね。
ミラノ風やローマ風、トスカーナ風トリッパには、同じ産地のワインを組み合わせるという大原則をあてはめて、さらに、油に対抗できる酸味やしっかりしたアルコール度のあるワインが最適、なんだそうです。
デッラ・ペーザのPV
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“トリッパ”と“トリッパとワイン”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2012年10月号に載っています。
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トリッパにはどんなワインが合うと思いますか?
一見簡単そうな質問ですが、実はこれがかなりの難問なんです。
その理由は、現在発売中の「総合解説」2012年10月号をご覧いただくと、よ~く分ります。
実は、この号の最初の記事“トリッパ”と、最後の記事“トリッパとワイン”はつながっています。
トリッパ料理は、煮込み、サラダ、フリットの3種類に大別されますが、料理の仕方や使う部位によって、合うワインは、赤、白、ロゼ、スプマンテと、実に幅広いのです。
大雑把に言うなら、室温のサラダにはロゼか白、煮込みにはボディーのある赤、パン粉揚げのフリットはスプマンテ。
なぜこうなるかというと、トリッパは、調味料を完全に吸い込まないので、その味は使う調味料によって左右されます。
加熱によってゼラチン質が溶け出たとろみが加わります。
トリッパは脂肪分が少ないので、強い味付けの料理でも、油やタンニンを洗い流す効果は必要としません。
最初の記事では、トリッパの種類ごとの特徴や地方料理の説明、ワインとの組み合わせの基本的な情報の説明があります。
そして最後の記事では、これらをふまえて、論理的に最適なワインを紹介しています。
かなり複雑ですが、頑張って訳しました。
トリッパ料理に最適のワインを勧められるソムリエさんは、かなり優秀なのでは・・・。
下の写真はミラノのアンティカ・トラトリーア・デッラ・ペーザ(webページ)のミラノ風トリツパ。
組み合わせたワインは、ヴァルテッリーナ・スーペリオーレ・インフェルノですね。
ミラノ風やローマ風、トスカーナ風トリッパには、同じ産地のワインを組み合わせるという大原則をあてはめて、さらに、油に対抗できる酸味やしっかりしたアルコール度のあるワインが最適、なんだそうです。
デッラ・ペーザのPV
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“トリッパ”と“トリッパとワイン”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2012年10月号に載っています。
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2015年3月23日月曜日
フィレンツェ風トリッパ
今日は、観光客にもなじみの深いイタリアのトリッパ料理、というわけで、フィレンツェ風トリッパの話。
トスカーナ料理の権威と言われる人、パオロ・ペトローニの料理書、『リチェッテ・デッラ・クチーナ・トスカーナ』のリチェッタを訳してみます。
ネット上には様々なフィレンツェ風トリッパのリチェッタがあふれていますが、これは、一番シンプルなタイプ。
クローチェは第一胃、クッフィアは第二胃の別名です。
ちなみに、「総合解説」で紹介しているモンタルチーノ風トリッパは、基本はフィレンツェ風と同じで、使うトリッパの部位も同じですが、サフランを加えるので黄色いトリッパになります。さらに、生ハム、ヴィン・サント、バター入り。
ナポリ風はレモンの皮とレモン汁入り。
ローマ風は、もちろんペコリーノ・ロマーノ入り。
ミラノ風のブゼッカは第三胃を使い、野菜たっぷりで白いんげん入りの濃厚なスープ。
他の地方のトリッパ料理とは、ちょっと趣が違います。
ミラノのトリッパは飲み物だった?
↓
趣が違うといえば、バニーノが有名なフィレンツェのランプレドット。
そもそもランプレドットとは、牛の第四胃の一部のこと。
これは、写真が秀逸な“Gli Illustri”シリーズの本、『ラ・クチーナ・トスカーナ』のリチェッタを訳してみます。
アルノ川沿いのサン・ニッコロ地区で息子と一緒に惣菜店を営むジュゼッピーナのリチェッタです。
大手スーパーが進出してきて、生き残るために、小さな商店からズッパとボッリートを出す店に変えたんだそうです。
ランプレドットの屋台はフィレンツェ名物。
↓
上の動画、屋台で注文を受ける時、ランプレドット・イン・ジミーノin ziminoかノルマーレかと聞いていますね。
パオロ・ペトローニ氏によると、ノルマーレ(イン・ビアンコ)は白ワイン煮、イン・ジミーノは、ワインの代わりにトマトとビエトラを加えて煮ます。
ランプレドット・イン・ジミーノのリチェッタは、“ラ・グランデ・クチーナ・レジョナーレイタリアーナ”シリーズの『トスカーナ』にも載っています。
さて、次は、トリツパとワインの話。
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“トリッパ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2012年10月号に載っています。
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トスカーナ料理の権威と言われる人、パオロ・ペトローニの料理書、『リチェッテ・デッラ・クチーナ・トスカーナ』のリチェッタを訳してみます。
トリッパ・アッラ・フィオレンティーナTrippa alla fiorentina |
材料/4人分 ゆでたトリッパ(クローチェかクッフィア)・・800g 玉ねぎ・・1個 ホールトマト・・400g オリーブオイル 塩、こしょう おろしたパルミジャーノ |
・十分柔らかくゆでたトリッパを幅1㎝の細切りにする。 ・鍋に玉ねぎのみじん切りを入れて油大さじ6で炒める。しんなりしたらトリッパを加える。 ・5分炒めてトマトを加える。塩、こしょうをして蓋をし、水気が出なくなってトリッパがクリーム状になるまで約30分煮る。 ・火を止めてパルミジャーノ大さじ2を散らし、なじませて5分休ませる。 ・皿に盛り付けてパルミジャーノとこしょうを散らす。 ※時間がたつと美味しくなるので数時間前に作っておき、温めなおしてサーブする。 |
ネット上には様々なフィレンツェ風トリッパのリチェッタがあふれていますが、これは、一番シンプルなタイプ。
クローチェは第一胃、クッフィアは第二胃の別名です。
ちなみに、「総合解説」で紹介しているモンタルチーノ風トリッパは、基本はフィレンツェ風と同じで、使うトリッパの部位も同じですが、サフランを加えるので黄色いトリッパになります。さらに、生ハム、ヴィン・サント、バター入り。
ナポリ風はレモンの皮とレモン汁入り。
ローマ風は、もちろんペコリーノ・ロマーノ入り。
ミラノ風のブゼッカは第三胃を使い、野菜たっぷりで白いんげん入りの濃厚なスープ。
他の地方のトリッパ料理とは、ちょっと趣が違います。
ミラノのトリッパは飲み物だった?
↓
趣が違うといえば、バニーノが有名なフィレンツェのランプレドット。
そもそもランプレドットとは、牛の第四胃の一部のこと。
これは、写真が秀逸な“Gli Illustri”シリーズの本、『ラ・クチーナ・トスカーナ』のリチェッタを訳してみます。
アルノ川沿いのサン・ニッコロ地区で息子と一緒に惣菜店を営むジュゼッピーナのリチェッタです。
大手スーパーが進出してきて、生き残るために、小さな商店からズッパとボッリートを出す店に変えたんだそうです。
ジュゼッピーナのランプレドット・ボッリートLampredotto bollito di Giuseppina |
材料/4~5人分 ランプレドット(第四胃の黒ずんだ部分)・・1.5㎏ にんじん・・1本 玉ねぎ・・1個 セロリ・・2本 トマト・・2~3個 塩 付け合わせのサルサ・ヴェルデ |
・ランプレドットを水ですすいで香味野菜と一緒に深さのある鍋に入れて水で2~3㎝上まで覆う。 ・塩を加えて、生のランプレドットの場合は弱火で約3時間ゆでる。下ゆでしたものの場合は約1時間。 ・ランプレドットを切り分けてサルサ・ヴェルデを添える。サルサ・ヴェルデはイタリアンパセリ、セロリ(葉ごと)、にんにく少々、EVオリーブオイル、塩、こしょうで作った軽くてやや甘口のもの。 |
ランプレドットの屋台はフィレンツェ名物。
↓
上の動画、屋台で注文を受ける時、ランプレドット・イン・ジミーノin ziminoかノルマーレかと聞いていますね。
パオロ・ペトローニ氏によると、ノルマーレ(イン・ビアンコ)は白ワイン煮、イン・ジミーノは、ワインの代わりにトマトとビエトラを加えて煮ます。
ランプレドット・イン・ジミーノのリチェッタは、“ラ・グランデ・クチーナ・レジョナーレイタリアーナ”シリーズの『トスカーナ』にも載っています。
さて、次は、トリツパとワインの話。
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“トリッパ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2012年10月号に載っています。
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2015年3月19日木曜日
ヴェネチア風トリッパ、ルメガル
地方料理のトリッパについて「総合解説」の補足説明をしています。
今回はヴェネトのトリッパについて。
リグーリアのトリッパと同じくらいあまりお馴染みじゃないと思いましたが、記事によると、どうやらそうではなさそう。
ヴェネトのトリッパ料理の代表は、“ルメガルrumegal”です。
ルメガルとは、ずばりヴェネチアの方言で牛の第一胃のこと。
ヴェネチアと言えば、グラスワインを飲みながらつまみを立ち食いするイタリア版タパスことバーカロbàcaroが有名ですよね。
ルメガルは、このバーカロで出すつまみ、チケーティcichéti(ストゥッツィキーニ)の一種です。
ヴェネチアのチケーティと言えばイワシのイン・サオールとかバッカラ・マンテカートとかゆでダコとかに目が行きますが、内臓類のメニューもあるんですねー。
チケーティの盛り合わせ。
↓
新入荷の本、『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』で紹介しているのは、1896年創業のオステリア・ダ・コドローマ。
チケーティのリチェッタも載っていますが、この本、食べ歩きガイドとしても使えますねー。
ダ・コドローマ
↓
スプリッツ飲んでますねー。
時間帯のせいか、カオスのようなヴェネチア中心部のバーカロと比べると、天国のような落ち着いた雰囲気。
ここ行きたーい。
店のwebページはこちら。
ちなみに、ルメガルは、標準語ではルミーネrumine。
ルメガルは、第一胃の一番厚くて脂肪がある部位をゆでて塩とオイルで調味したもの。
残念ながら写真は見つからず。
第二胃は蜂の巣状の胃袋、レティコロ。粉をつけて揚げると美味しい部位だそうです。
第三胃は剥片が重なり合ったようなオマーゾ。
もっとも脂肪が少ない部位で、ミラノ風ズッパに使います。
第四胃、アボマーゾは黒ずんで脂肪分が多い胃。
フィレンツェのランプレドットになります。
地方料理のトリッパは、様々な個性があって、並べてみると面白いですねー。
「総合解説」では、ナポリ、ローマ、モンタルチーノ、ミラノ、リグーリアのリチェッタを紹介しています。
あれ、イタリアのトリッパの代表ともいえるファレンツェ風とランプレドットがないなあ。
では、次回は、トスカーナのトリッパの話です。
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“トリッパ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2012年10月号に載っています。
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今回はヴェネトのトリッパについて。
リグーリアのトリッパと同じくらいあまりお馴染みじゃないと思いましたが、記事によると、どうやらそうではなさそう。
ヴェネトのトリッパ料理の代表は、“ルメガルrumegal”です。
ルメガルとは、ずばりヴェネチアの方言で牛の第一胃のこと。
ヴェネチアと言えば、グラスワインを飲みながらつまみを立ち食いするイタリア版タパスことバーカロbàcaroが有名ですよね。
ルメガルは、このバーカロで出すつまみ、チケーティcichéti(ストゥッツィキーニ)の一種です。
ヴェネチアのチケーティと言えばイワシのイン・サオールとかバッカラ・マンテカートとかゆでダコとかに目が行きますが、内臓類のメニューもあるんですねー。
チケーティの盛り合わせ。
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新入荷の本、『ストリート・フード・アッラ・イタリアーナ』で紹介しているのは、1896年創業のオステリア・ダ・コドローマ。
チケーティのリチェッタも載っていますが、この本、食べ歩きガイドとしても使えますねー。
ダ・コドローマ
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スプリッツ飲んでますねー。
時間帯のせいか、カオスのようなヴェネチア中心部のバーカロと比べると、天国のような落ち着いた雰囲気。
ここ行きたーい。
店のwebページはこちら。
ちなみに、ルメガルは、標準語ではルミーネrumine。
ルメガルは、第一胃の一番厚くて脂肪がある部位をゆでて塩とオイルで調味したもの。
残念ながら写真は見つからず。
第二胃は蜂の巣状の胃袋、レティコロ。粉をつけて揚げると美味しい部位だそうです。
第三胃は剥片が重なり合ったようなオマーゾ。
もっとも脂肪が少ない部位で、ミラノ風ズッパに使います。
第四胃、アボマーゾは黒ずんで脂肪分が多い胃。
フィレンツェのランプレドットになります。
地方料理のトリッパは、様々な個性があって、並べてみると面白いですねー。
「総合解説」では、ナポリ、ローマ、モンタルチーノ、ミラノ、リグーリアのリチェッタを紹介しています。
あれ、イタリアのトリッパの代表ともいえるファレンツェ風とランプレドットがないなあ。
では、次回は、トスカーナのトリッパの話です。
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“トリッパ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2012年10月号に載っています。
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2015年3月16日月曜日
ジェノヴァ風トリッパ
「総合解説」2012年10月号の最初の記事は、“トリッパ”です。
イタリア人が大好きで、今では食通の食材とみなされているトリッパ。
これを地方料理という視点で調べ上げた、なかなか興味深い記事です。
まずは記事の追加解説をどうぞ。
ジェノヴァで(そしておそらくリグーリアで)一番古いトリッペリアと紹介されている店、ラ・カザーナTripperia La Casana。
店のショーウインドーにゆで上げたトリッパを吊るしてあるのがイタリアのトリッペリアの正しい姿。
でも、何をどう注文すればいんだか・・・。
ジェノヴァでトリッパを食べるという発想にはなかなかならないかもしれませんが、トリッパはジェノヴァの伝統料理の一つでもあります。
50年ほど前までは、トリッパのスープは朝のカップッチーノの代わりだったとか。
旧市街には、20年前は約20軒のトリッパ専門店がありましたが、今ではこの界隈に残っているのはわすが4軒だそうです。
記事にもありましたが、イタリアのトリッパ専門店は確実に減っているようです。
若者のトリッパ離れの原因は、高カロリーなイメージ、調理時間が長い、など。
でも、この店は土曜の朝には行列ができるんだそうですよ。
トリッパの主な調理方法は、アッコモダータ(またはイン・ウミド、煮込みのこと)、インサラータ、フリット。
トリッパには、4つの胃ごとに分ける方法と、ビアンカとロッソという分類の仕方があります。
アッコモダータにはトリッパ・ビアンカと呼ばれる脂肪やゼラチン質の少ない部位を使い、インサラータにはトリッパ・ロッサを使います。
ちなみに、上の店の動画で、店の奥に大鍋が2つあることが分りますが、これは、ビアンカとロッサを別々にゆでるため。
トリッパ・アッコモダータ、ジェノヴァ風
店の評判は上々のようです。
細い路地が入り組んだ旧市街にあるので、行く前に行き方のチェックをお忘れなく。
次に、トリッパのことならおまかせのトリッパアカデミーのwebページはこちら。
今日はこのくらいで。
次は、ヴェネトのトリッパ料理の話でも。
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“トリッパ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2012年10月号に載っています。
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イタリア人が大好きで、今では食通の食材とみなされているトリッパ。
これを地方料理という視点で調べ上げた、なかなか興味深い記事です。
まずは記事の追加解説をどうぞ。
ジェノヴァで(そしておそらくリグーリアで)一番古いトリッペリアと紹介されている店、ラ・カザーナTripperia La Casana。
店のショーウインドーにゆで上げたトリッパを吊るしてあるのがイタリアのトリッペリアの正しい姿。
でも、何をどう注文すればいんだか・・・。
ジェノヴァでトリッパを食べるという発想にはなかなかならないかもしれませんが、トリッパはジェノヴァの伝統料理の一つでもあります。
50年ほど前までは、トリッパのスープは朝のカップッチーノの代わりだったとか。
旧市街には、20年前は約20軒のトリッパ専門店がありましたが、今ではこの界隈に残っているのはわすが4軒だそうです。
記事にもありましたが、イタリアのトリッパ専門店は確実に減っているようです。
若者のトリッパ離れの原因は、高カロリーなイメージ、調理時間が長い、など。
でも、この店は土曜の朝には行列ができるんだそうですよ。
トリッパの主な調理方法は、アッコモダータ(またはイン・ウミド、煮込みのこと)、インサラータ、フリット。
トリッパには、4つの胃ごとに分ける方法と、ビアンカとロッソという分類の仕方があります。
アッコモダータにはトリッパ・ビアンカと呼ばれる脂肪やゼラチン質の少ない部位を使い、インサラータにはトリッパ・ロッサを使います。
ちなみに、上の店の動画で、店の奥に大鍋が2つあることが分りますが、これは、ビアンカとロッサを別々にゆでるため。
トリッパ・アッコモダータ、ジェノヴァ風
店の評判は上々のようです。
細い路地が入り組んだ旧市街にあるので、行く前に行き方のチェックをお忘れなく。
次に、トリッパのことならおまかせのトリッパアカデミーのwebページはこちら。
今日はこのくらいで。
次は、ヴェネトのトリッパ料理の話でも。
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“トリッパ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2012年10月号に載っています。
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2015年3月12日木曜日
グルテン過敏症とセリアック病
現在発売中の「総合解説」(2012年10月号)で、訳すのにすごーく大変だった記事がありました。
それは「グルテン過敏症とセリアック病」という記事です。
最初は、グルテンフリーの食材の話だと思って、ダイエットのヒントでもあるかなあなんていう軽い気持ちで訳し出したのですが、冒頭から、いきなり超本気の病気の話。
アレルギーだの免疫疾患だのの話を訳すのは、もう大変。
でも、必死で訳したので、この病気にちょっとでも興味のある方は、ぜひ読んでください。
そもそも、イタリアの料理書には、かなり頻繁にセリアック病という言葉が出てきます。
ネットで調べれば、基本的なことは分ると思いますが、この病気は、グルテンに対する自己免疫疾患なんだそうです。
腸を覆っている組織が破壊されてビタミンや鉄の吸収が阻害される病気で、下痢、体重減少、疲労感、骨粗鬆症、貧血、腫瘍などの症状が出るそうですが、グルテンを排除すると治まります。
遺伝的な要因で発症するそうで、日本人の罹患率は欧米人より少なめです。
パンにパスタと、主食を小麦に依存する食生活のイタリアで、セリアック病の罹患率は100人に一人の割合だそうです。
現在、122000人の患者がいるそうです。
グルテンは、小麦だけでなく、ファッロ、大麦、オーツ麦、ライ麦、カムット小麦などにも含まれます。
イタリア人の場合、グルテン過敏症は腹腔の血液中の特殊な抗体が不足する病気で、突然症状(腹痛、片頭痛、口内炎、下痢、腹部膨満感)などが現れて、最初は多くのケースでストレスのせいだと診断されるそうです。
深刻ではないのですが、複雑に重なったり長期間続くと疲労感から思考、仕事、生活にも影響が出る場合が。
でも、小麦アレルギーだと分ったら、グルテンを含まない食事をすればいいのです。
ちなみにお米にはグルテンは含まれていません。
良かった~。
イタリアでは、セリアック病の認定患者にはグルテンフリーの食品を購入するための給付金が出るそうです。
州によって違いますが、女性は約100ユーロ、男性は約150ユーロ。
イタリアの医療制度は手厚いですねー。
グルテンフリーをダイエット食なんてとらえることは、セリアック病やグルテン過敏症で苦しんでいる人たちに失礼ですね。
記事にはダイエットという言葉は一度も登場しませんでした。
とは言え、ダイエットのためにグルテンフリーの食材を利用する人の多さは数字が証明しています。
アメリカでは1700万人が食生活に取り入れているそうです。
ヨーロッパのグルテンフリーメーカーのリーダーは、アルト・アディジェのドクター・シェアーDr. Schä(webページはこちら)だそうですが、2006年には7800万ユーロだった売り上げを、2011年には17500万ユーロにまで伸ばしています。
ドクター・シェアーUSAの、グルテン・フリー・ライフの始め方。
↓
なんと醤油にもグルテンが含まれるんですねー。
徹底的にグルテンを排除しようとすると、食べられるものがない!
そこで登場するのがグルテンフリーの食品。
グルテンを含む穀物の粉を米やとうもろこしの粉で代用したのがグルテンフリー食品。
アメリカのスーパーのグルテンフリー食品売り場の充実ぶりは驚き。
↓
セリアック病かもと疑っている人は、診断には血液検査によって遺伝因子を調べる必要があるので、さらに自己診断は他の病気を見逃すことになりかねないので、専門の病院で診断してもらいましょう。
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“グルテン過敏症とセリアック病”の記事の日本語訳は、「総合解説」2012年10月号に載っています。
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それは「グルテン過敏症とセリアック病」という記事です。
最初は、グルテンフリーの食材の話だと思って、ダイエットのヒントでもあるかなあなんていう軽い気持ちで訳し出したのですが、冒頭から、いきなり超本気の病気の話。
アレルギーだの免疫疾患だのの話を訳すのは、もう大変。
でも、必死で訳したので、この病気にちょっとでも興味のある方は、ぜひ読んでください。
そもそも、イタリアの料理書には、かなり頻繁にセリアック病という言葉が出てきます。
ネットで調べれば、基本的なことは分ると思いますが、この病気は、グルテンに対する自己免疫疾患なんだそうです。
腸を覆っている組織が破壊されてビタミンや鉄の吸収が阻害される病気で、下痢、体重減少、疲労感、骨粗鬆症、貧血、腫瘍などの症状が出るそうですが、グルテンを排除すると治まります。
遺伝的な要因で発症するそうで、日本人の罹患率は欧米人より少なめです。
パンにパスタと、主食を小麦に依存する食生活のイタリアで、セリアック病の罹患率は100人に一人の割合だそうです。
現在、122000人の患者がいるそうです。
グルテンは、小麦だけでなく、ファッロ、大麦、オーツ麦、ライ麦、カムット小麦などにも含まれます。
イタリア人の場合、グルテン過敏症は腹腔の血液中の特殊な抗体が不足する病気で、突然症状(腹痛、片頭痛、口内炎、下痢、腹部膨満感)などが現れて、最初は多くのケースでストレスのせいだと診断されるそうです。
深刻ではないのですが、複雑に重なったり長期間続くと疲労感から思考、仕事、生活にも影響が出る場合が。
でも、小麦アレルギーだと分ったら、グルテンを含まない食事をすればいいのです。
ちなみにお米にはグルテンは含まれていません。
良かった~。
イタリアでは、セリアック病の認定患者にはグルテンフリーの食品を購入するための給付金が出るそうです。
州によって違いますが、女性は約100ユーロ、男性は約150ユーロ。
イタリアの医療制度は手厚いですねー。
グルテンフリーをダイエット食なんてとらえることは、セリアック病やグルテン過敏症で苦しんでいる人たちに失礼ですね。
記事にはダイエットという言葉は一度も登場しませんでした。
とは言え、ダイエットのためにグルテンフリーの食材を利用する人の多さは数字が証明しています。
アメリカでは1700万人が食生活に取り入れているそうです。
ヨーロッパのグルテンフリーメーカーのリーダーは、アルト・アディジェのドクター・シェアーDr. Schä(webページはこちら)だそうですが、2006年には7800万ユーロだった売り上げを、2011年には17500万ユーロにまで伸ばしています。
ドクター・シェアーUSAの、グルテン・フリー・ライフの始め方。
↓
なんと醤油にもグルテンが含まれるんですねー。
徹底的にグルテンを排除しようとすると、食べられるものがない!
そこで登場するのがグルテンフリーの食品。
グルテンを含む穀物の粉を米やとうもろこしの粉で代用したのがグルテンフリー食品。
アメリカのスーパーのグルテンフリー食品売り場の充実ぶりは驚き。
↓
セリアック病かもと疑っている人は、診断には血液検査によって遺伝因子を調べる必要があるので、さらに自己診断は他の病気を見逃すことになりかねないので、専門の病院で診断してもらいましょう。
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“グルテン過敏症とセリアック病”の記事の日本語訳は、「総合解説」2012年10月号に載っています。
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2015年3月9日月曜日
お魚奮闘記
今日はイタリア便りです。
では、どうぞ。
私の住むロンバルディア州には、海がありません。
ですから、魚は値段が高い上に鮮度が良くなく、なかなかこれというものに巡り合えません。
イタリアのいいものは金持ちミラネーゼの元に集まるというけれど、私のような庶民にとって、魚は高嶺の花。
ついつい、お魚よりお値段手頃なお肉を選んでしまいます。
でも、魚は大好きなんです。
日本にいた頃は、瀬戸内海で育った母の目利きで食卓に上がった調理済みのものしか見たことがなかったし、実家を出た後は切り身で買うことが多かったから、どの魚がどんな顔をしているか定かではなく、ましてや、自分でさばいたことなどありませんでした。
食べたいけれど、イタリア語の魚名を見てもチンプンカンプンだし、私にとって魚の購入は賭けのようなものです。
サンマが食べたいと思っていたある日、魚屋さんの店頭で、サンマによく似た魚を見つけました。
わくわくしながら購入し、早速焼いて食べてみると小骨が多いうえ、骨が鮮やかな青色でびっくり。
青色は、食欲を減退させるって本当ですね。
イタリア語でagugliaと表示されていたこの魚、anguillaアングイッラはウナギだけど、アグーリアって何?
調べてみると、地中海沿岸で春によく獲れる魚だそうで、日本語ではダツでした。
私が食べたアグーリアは確かに少し口が長かったけれど、ダツほど長くはなかったし、本当にサンマによく似ていたんです。
辞書をひくと、サンマはイタリア語でcostardella。 ネットでコスタルデッラを検索すると、こんな写真がでてきました。
日本のサンマとは違う気がしますが、私が食べた魚はこれにとても似ていました。
コスタルデッラは、シチリアとカラブリアに挟まれたメッシーナ海峡でよく獲れる魚だそうで、フリットしたものをマリネにしたり、インヴォルティーニにしたりするのがお勧めなんだそうです。
またある日は、シラスによく似たpesce ghiaccioという魚を購入。
けど、なんか違う。
後日、魚屋のおじさんに尋ねたところ、イワシの稚魚ではなく淡水魚とのこと。
中国産のシラウオでした。
確かに安かったものね・・・。
イワシの稚魚は、bianchettiだと学びました。 イタリアでは、というかヨーロッパでは、シラス漁は乱獲のため生態系を崩してしまう恐れがあるとのことで、現在は、禁止されていたり厳しい制限があったりするようです。
ここにいる限り、大根おろしにちりめんじゃこの夢は叶わないのかも。
今となっては、実家のラミちゃんが食べていた日本のニャン缶、まぐろ&シラスがとても羨ましく思えます。 新鮮な魚は諦めて、塩漬けニシンの燻製を購入したら、これは当りでした。
クリスマスが近くなると、大きな木箱に詰められたニシンが北欧からやってきて、メルカートで買えるんです。
イタリア語でニシンはaringaアリンガ。
卵入りが欲しいと言うと、乾物屋の兄ちゃんは、指でお腹を触って数の子入りを選んでくれました。
数の子入りでもナシでも、量り売りだから値段は同じです。
燻製だけど、イタリアで数の子が食べられるなんて嬉しいー。
友人アッスンタに聞くと、オイル漬けにするといいよ、とのこと。
ネットでレシピを調べてみると、燻製ニシンのオイル漬けは、ロンバルディアの家庭の味だと書いてありました。 やっぱり、ロンバルディアの庶民が手頃でおいしい魚を食べるには、保存食が一番なんだわ。
早速アッスンタのところへ行き、教えてもらう・・・というか、いつものごとく、ほとんどやってもらいました。
三枚におろして骨と皮を取り、ハーブや胡椒、にんにくと一緒にオリーブ油に漬けるだけ。
食べ頃は最低10日後~とのこと。
身はパンに載せて、オイルはパスタに使うとおいしいのだそうです。
卵はデリケートだからと、身とは別に漬けました。
3匹購入しましたが、1匹分の数の子はお礼にアッスンタの元へ。
ニシンの身は好きじゃないけど、卵は大好きなんですってー。
いつか、日本のおいしい数の子を食べてもらいたい! さて、今週はこんなお魚がお買い得になっていました。
珍しく脂がのっていそうだし、ハンサムな顔付きだし、泳ぎの速そうなカッコイイ尾びれだし、なんだかおいしそうな予感がして、早速購入。
こんな表示がしてありました。
イタリア語でパラミータ、又はサルダサルダ。
地中海西方のバレアレス諸島(スペイン)にて、トロール網で獲れた天然魚。
ほほう、Allevata養殖のお魚じゃないのね。
これはますます期待が膨むぞー。
最近ではカタクチイワシを買って、なんちゃって煮干しを作るようになった私。
今度はみりん干しにできる魚を探していたんです。
これ、いいんじゃない?
魚屋のおじさんによると、お腹にハーブを詰めて、ミニトマト、オリーブ、ケッパーと一緒にオーブンで焼いて食べるのがお勧めなんだとか。
生でカルパッチョもいいよ、とのこと。
日本風にみりん干しにしようと思っている、と言うと、せっかく脂がのっているのに干すなんてもったいないって言われてしまいました。
いやいや、脂がのっているからこそ、おいしいものができるはず。
でも、おじさん、日本食に興味があるみたいで、みりん干しができたら、どんなものだか写真見せてくれ、ですって。
パラミータ、切ったらこんな感じでした。
切れはしを恐る恐る生で食べたら、ツバスが少し大味になったような感じ。
これは、久しぶりに当りです。やったね。
パラミータはSgombroサバ科の魚で、地中海沿岸ではよく獲れるのだそうです。
日本語では、歯鰹(ハガツオ)。
確かにしっかりした鋭い歯をしていました。
念願のみりん干し、ついに完成です。
ないものはないなりに工夫し、なんちゃって日本食作りがライフワークの一部になってきました。
魚屋のおじさんに、そのうち写真を見せに行こうっと!
青魚は日本でも庶民の味方ですが、イタリアでも貧しい食卓に上ると言われ、お料理レシピにも登場回数が少ないような気がします。
が、近年ではその良さが見直されつつあるようです。
トスカーナ州リボルノ県のエトルスキ海岸沿いにあるサン・ヴィンチェンツォという町では、10年ほど前から毎年5月にパラミータ祭りが開催されているそうです。
去年は不況や選挙の影響で中止になってしまったようですが、今年はどうかな。 歳を経るにつれて私、ますます青魚が好きになっているかも。
あぁ、日本のお寿司が食べたーい!
Grazie Segnalibroさん。
ニシンのオイル漬けにハガツオのみりん漬けですか!
ロンバルディア暮らしも大分本格的になってきましたねー。
それにしても、ニシンは卵入りでもなしでも同じ値段とは、衝撃の真実。
前から疑問に思っていたのですが、タラコもそうなのですか?
それと、ちょっとだけつけたし解説。
Palamitaはイタリアの料理雑誌にもたまーに登場する魚ですね。
産地はトスカーナ群島あたりが有名で、スローフードの保護食材にもなっています。
sarda sarda は、この魚のイタリア語の名前ではなく、学名(ラテン語)です。
カツオと似てるけど、カツオはお腹に縞模様があって、ハガツオは背中に縞模様があるんだって。
ハガツオはサバ科の魚だけど、ひょっとしたら青魚じゃなくて赤身に分類されるかも。
青魚は、イワシ、アンチョビー、サバ、を筆頭に、イタリア料理には頻繁に使われます。
私の印象では、最近では、経済的で栄養価も優れていると、家庭料理の本で取り上げられる頻度が益々アップしているなーと思っていました。
南の人にはもっと身近なのかも。
イタリアの食材の中でも、魚の情報を正確に伝えようと思うと、難しいですよー。
ハードルは高いけど、そのうちパラミータが得意料理になるかもね。
カラブリア風にも興味あります。
がんばってー♪
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では、どうぞ。
私の住むロンバルディア州には、海がありません。
ですから、魚は値段が高い上に鮮度が良くなく、なかなかこれというものに巡り合えません。
イタリアのいいものは金持ちミラネーゼの元に集まるというけれど、私のような庶民にとって、魚は高嶺の花。
ついつい、お魚よりお値段手頃なお肉を選んでしまいます。
でも、魚は大好きなんです。
日本にいた頃は、瀬戸内海で育った母の目利きで食卓に上がった調理済みのものしか見たことがなかったし、実家を出た後は切り身で買うことが多かったから、どの魚がどんな顔をしているか定かではなく、ましてや、自分でさばいたことなどありませんでした。
食べたいけれど、イタリア語の魚名を見てもチンプンカンプンだし、私にとって魚の購入は賭けのようなものです。
サンマが食べたいと思っていたある日、魚屋さんの店頭で、サンマによく似た魚を見つけました。
わくわくしながら購入し、早速焼いて食べてみると小骨が多いうえ、骨が鮮やかな青色でびっくり。
青色は、食欲を減退させるって本当ですね。
イタリア語でagugliaと表示されていたこの魚、anguillaアングイッラはウナギだけど、アグーリアって何?
調べてみると、地中海沿岸で春によく獲れる魚だそうで、日本語ではダツでした。
私が食べたアグーリアは確かに少し口が長かったけれど、ダツほど長くはなかったし、本当にサンマによく似ていたんです。
辞書をひくと、サンマはイタリア語でcostardella。 ネットでコスタルデッラを検索すると、こんな写真がでてきました。
日本のサンマとは違う気がしますが、私が食べた魚はこれにとても似ていました。
コスタルデッラは、シチリアとカラブリアに挟まれたメッシーナ海峡でよく獲れる魚だそうで、フリットしたものをマリネにしたり、インヴォルティーニにしたりするのがお勧めなんだそうです。
またある日は、シラスによく似たpesce ghiaccioという魚を購入。
けど、なんか違う。
後日、魚屋のおじさんに尋ねたところ、イワシの稚魚ではなく淡水魚とのこと。
中国産のシラウオでした。
確かに安かったものね・・・。
イワシの稚魚は、bianchettiだと学びました。 イタリアでは、というかヨーロッパでは、シラス漁は乱獲のため生態系を崩してしまう恐れがあるとのことで、現在は、禁止されていたり厳しい制限があったりするようです。
ここにいる限り、大根おろしにちりめんじゃこの夢は叶わないのかも。
今となっては、実家のラミちゃんが食べていた日本のニャン缶、まぐろ&シラスがとても羨ましく思えます。 新鮮な魚は諦めて、塩漬けニシンの燻製を購入したら、これは当りでした。
クリスマスが近くなると、大きな木箱に詰められたニシンが北欧からやってきて、メルカートで買えるんです。
イタリア語でニシンはaringaアリンガ。
卵入りが欲しいと言うと、乾物屋の兄ちゃんは、指でお腹を触って数の子入りを選んでくれました。
数の子入りでもナシでも、量り売りだから値段は同じです。
燻製だけど、イタリアで数の子が食べられるなんて嬉しいー。
友人アッスンタに聞くと、オイル漬けにするといいよ、とのこと。
ネットでレシピを調べてみると、燻製ニシンのオイル漬けは、ロンバルディアの家庭の味だと書いてありました。 やっぱり、ロンバルディアの庶民が手頃でおいしい魚を食べるには、保存食が一番なんだわ。
早速アッスンタのところへ行き、教えてもらう・・・というか、いつものごとく、ほとんどやってもらいました。
三枚におろして骨と皮を取り、ハーブや胡椒、にんにくと一緒にオリーブ油に漬けるだけ。
食べ頃は最低10日後~とのこと。
身はパンに載せて、オイルはパスタに使うとおいしいのだそうです。
卵はデリケートだからと、身とは別に漬けました。
3匹購入しましたが、1匹分の数の子はお礼にアッスンタの元へ。
ニシンの身は好きじゃないけど、卵は大好きなんですってー。
いつか、日本のおいしい数の子を食べてもらいたい! さて、今週はこんなお魚がお買い得になっていました。
珍しく脂がのっていそうだし、ハンサムな顔付きだし、泳ぎの速そうなカッコイイ尾びれだし、なんだかおいしそうな予感がして、早速購入。
こんな表示がしてありました。
イタリア語でパラミータ、又はサルダサルダ。
地中海西方のバレアレス諸島(スペイン)にて、トロール網で獲れた天然魚。
ほほう、Allevata養殖のお魚じゃないのね。
これはますます期待が膨むぞー。
最近ではカタクチイワシを買って、なんちゃって煮干しを作るようになった私。
今度はみりん干しにできる魚を探していたんです。
これ、いいんじゃない?
魚屋のおじさんによると、お腹にハーブを詰めて、ミニトマト、オリーブ、ケッパーと一緒にオーブンで焼いて食べるのがお勧めなんだとか。
生でカルパッチョもいいよ、とのこと。
日本風にみりん干しにしようと思っている、と言うと、せっかく脂がのっているのに干すなんてもったいないって言われてしまいました。
いやいや、脂がのっているからこそ、おいしいものができるはず。
でも、おじさん、日本食に興味があるみたいで、みりん干しができたら、どんなものだか写真見せてくれ、ですって。
パラミータ、切ったらこんな感じでした。
切れはしを恐る恐る生で食べたら、ツバスが少し大味になったような感じ。
これは、久しぶりに当りです。やったね。
パラミータはSgombroサバ科の魚で、地中海沿岸ではよく獲れるのだそうです。
日本語では、歯鰹(ハガツオ)。
確かにしっかりした鋭い歯をしていました。
念願のみりん干し、ついに完成です。
ないものはないなりに工夫し、なんちゃって日本食作りがライフワークの一部になってきました。
魚屋のおじさんに、そのうち写真を見せに行こうっと!
青魚は日本でも庶民の味方ですが、イタリアでも貧しい食卓に上ると言われ、お料理レシピにも登場回数が少ないような気がします。
が、近年ではその良さが見直されつつあるようです。
トスカーナ州リボルノ県のエトルスキ海岸沿いにあるサン・ヴィンチェンツォという町では、10年ほど前から毎年5月にパラミータ祭りが開催されているそうです。
去年は不況や選挙の影響で中止になってしまったようですが、今年はどうかな。 歳を経るにつれて私、ますます青魚が好きになっているかも。
あぁ、日本のお寿司が食べたーい!
Grazie Segnalibroさん。
ニシンのオイル漬けにハガツオのみりん漬けですか!
ロンバルディア暮らしも大分本格的になってきましたねー。
それにしても、ニシンは卵入りでもなしでも同じ値段とは、衝撃の真実。
前から疑問に思っていたのですが、タラコもそうなのですか?
それと、ちょっとだけつけたし解説。
Palamitaはイタリアの料理雑誌にもたまーに登場する魚ですね。
産地はトスカーナ群島あたりが有名で、スローフードの保護食材にもなっています。
sarda sarda は、この魚のイタリア語の名前ではなく、学名(ラテン語)です。
カツオと似てるけど、カツオはお腹に縞模様があって、ハガツオは背中に縞模様があるんだって。
ハガツオはサバ科の魚だけど、ひょっとしたら青魚じゃなくて赤身に分類されるかも。
青魚は、イワシ、アンチョビー、サバ、を筆頭に、イタリア料理には頻繁に使われます。
私の印象では、最近では、経済的で栄養価も優れていると、家庭料理の本で取り上げられる頻度が益々アップしているなーと思っていました。
南の人にはもっと身近なのかも。
イタリアの食材の中でも、魚の情報を正確に伝えようと思うと、難しいですよー。
ハードルは高いけど、そのうちパラミータが得意料理になるかもね。
カラブリア風にも興味あります。
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2015年3月5日木曜日
『ディーレ・ファーレ・ブラザーレ』の使い方
カルロ・クラッコの『ディーレ・ファーレ・ブラザーレ』から、今日は、序文に続く章、「この本の使い方」を訳してみます。
「私は料理書でも、あちこちつまみ読みするのではなく、最初から最後まで読めるような本が好きだ。
だから、この本もこの基準で書こうと思った。
そこで、この本をもっと便利に使えるお手伝いをしてみよう。
“Le tecniche(テクニック)”の章では、“Le ricette(リチェッタ)”の料理を作る時に使える料理のテクニックについて書いている。
リチェッタは、必要となるテクニックの数をベースに並べている。
最初のリチェッタ、“Tonno di coniglio in vaso”に必要なテクニックはたった2つだが、最後の“Risotto con asparagi bianchi e polvere di prezzemolo”は9つ必要だ。
リチェッタの本文は、2つの部分からなっていて、後半は、料理をよりよく学ぶためのガイドとなっている。
巻末の目次欄は便利なように2つつけた。
1つはリチェッタで使っているテクニックを分類した“Indice delle tecniche(テクニックの目次)”
もう1つは“Indice degli ingrdienti(材料の目次)”。
一方で、リチェッタは読者が自由にメニューを組み立てられるように、アンティパスト、プリーモ、セコンドという分類は敢えてしなかった。
すでにご承知のように、料理人の情熱によってどんな料理も、最後には無比のものに仕上がるのだから」
と言うわけで、次のページから『テクニック』にいての詳細な解説が始まります。
最初はarrostire。
料理の基本とも言える焼くという動作とメイラード反応についての、7ページに渡る考察です。
基本的なだけに、知らないで済ますわけにはいかない、大切なテクニック。
辞書を片手にじっくり読み解いてください。
ちなみに、最初のリチェッタ、“Tonno in coniglio in vaso”に必要なテクニックは、「lessare」と「filtrare」。
なるほど、これは、カルロ・クラッコがもし料理人のためにレッスンをするとしたら、そっくりそのまま立派な教科書になりますよ。
これほど惜しみなく、自分が学んできたことを次に伝えようとする人は、滅多にいないのでは。
彼の3冊の著書を通して、彼が世界中でこれほど高く評価されている理由の一つには、その人間性があることは間違いない、と納得しました。
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「私は料理書でも、あちこちつまみ読みするのではなく、最初から最後まで読めるような本が好きだ。
だから、この本もこの基準で書こうと思った。
そこで、この本をもっと便利に使えるお手伝いをしてみよう。
“Le tecniche(テクニック)”の章では、“Le ricette(リチェッタ)”の料理を作る時に使える料理のテクニックについて書いている。
リチェッタは、必要となるテクニックの数をベースに並べている。
最初のリチェッタ、“Tonno di coniglio in vaso”に必要なテクニックはたった2つだが、最後の“Risotto con asparagi bianchi e polvere di prezzemolo”は9つ必要だ。
リチェッタの本文は、2つの部分からなっていて、後半は、料理をよりよく学ぶためのガイドとなっている。
巻末の目次欄は便利なように2つつけた。
1つはリチェッタで使っているテクニックを分類した“Indice delle tecniche(テクニックの目次)”
もう1つは“Indice degli ingrdienti(材料の目次)”。
一方で、リチェッタは読者が自由にメニューを組み立てられるように、アンティパスト、プリーモ、セコンドという分類は敢えてしなかった。
すでにご承知のように、料理人の情熱によってどんな料理も、最後には無比のものに仕上がるのだから」
と言うわけで、次のページから『テクニック』にいての詳細な解説が始まります。
最初はarrostire。
料理の基本とも言える焼くという動作とメイラード反応についての、7ページに渡る考察です。
基本的なだけに、知らないで済ますわけにはいかない、大切なテクニック。
辞書を片手にじっくり読み解いてください。
ちなみに、最初のリチェッタ、“Tonno in coniglio in vaso”に必要なテクニックは、「lessare」と「filtrare」。
なるほど、これは、カルロ・クラッコがもし料理人のためにレッスンをするとしたら、そっくりそのまま立派な教科書になりますよ。
これほど惜しみなく、自分が学んできたことを次に伝えようとする人は、滅多にいないのでは。
彼の3冊の著書を通して、彼が世界中でこれほど高く評価されている理由の一つには、その人間性があることは間違いない、と納得しました。
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2015年3月2日月曜日
『ディーレ・ファーレ・ブラザーレ』序文
カルロ・クラッコの最新本、『ディーレ・ファーレ・ブラザーレ』。
その内容は、彼の著作全3冊の中で、一番レベルが高いかもしれません。
彼の料理に対する思いがあふれていて、とにかく読め、という本なのですが、写真が少ないので最初はちょっととっつきにくいような印象です。
イタリアを代表するカリスマシェフの名声を手に入れて時代の寵児となった彼が、この本で何を伝えたかったのか、手っ取り早くわかる方法などないとは思いますが、そのへんのことがなんとなくでも分ればと、とりあえず「序文」を訳してみます。
「この本の根底には、シンプルなコンセプトがある。
料理の能力を高めるには、とにかくテクニックを学んで実践する必要がある、ということだ。
テクニックは調理場で知識と経験を積み重ねた結果身につくものだ。
しかし、料理を語る時、テクニックと言いう言葉は美しくない。
この言葉には、冷たくて、無菌で機械的なマニュアルのような響きがある。
ところが調理場には、無菌で機械的なものなど何もない。
人を興奮させる料理を作り出すために何時間もコンロの前に立ち続けるには情熱が必要だ。
テクニックはそのための基本的な道具の一つで、そのことを意識して使うものだ。
テレビのおかげで料理はファッションになり、コンロ1個と2、3の食材があれば、誰でもが(または多くの人が)料理をすることができる。
しかし、それだけではない。
料理は、文化で、発見で、情熱、芸術、共有なのだ。
料理は、知識や古い行いを伝えて、私たちの歴史を生きたものにいていくための機会であり、大地を耕す人とその果実を食べる人とを結ぶ貴重な糸なのだ。
ここで二つの世界は出会い、料理する人と耕す人は、どちらが上とは言えない大きな責任が課せられる。
料理に使う食材の価値は?
どこから来たのか?
一番重要な特徴は?
どうやったらその価値を高めることができるのか?
これらの問いかけに答えを見つけたら、あなは料理する価値を知っていることになる。
これこそが、能力を高めるための秘訣だ。
例えば、にんじんがあるとする。
生産者が多大な手間をかけて常識を覆すような品質のものにしたとして、あなたがそれを知らなかったら、その食材は虐げられて、生産者も消費者も裏切ってしまうことになる。
一方で、そのにんじんが注目に値してどのように調理するかを知っていたら、あなたの料理は完璧になる。
食材の背景には、大地からその食材の利点を引き出す人がいるということを自覚することは、あなたの料理も最高にしてくれる。
この考えを、私は常に意識している。
1冊目の『Se vuoi fare il figo usa lo scalogno』でも、2冊めの『A qualcuno piace Cracco』でも、強調してきた。
私はテクニックを説明して、実践するためのリチェッタを書いた。
今年もいつものように、この本のための料理を考えだした時に、クラッコというレストランの歴史と
人のことが頭に浮かんだ。
開業当初とメンバーは少し変わったが、みんな経験を積み、偉大な情熱を持ったパスティッチェーレの若者がスーシェフになるなど、成長していった。」
この後、もう少し序文は続きますが、大体こんな内容です。
さらにこの後、念には念を入れたのか、「この本の使い方」という章があります。
これは次回に。
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その内容は、彼の著作全3冊の中で、一番レベルが高いかもしれません。
彼の料理に対する思いがあふれていて、とにかく読め、という本なのですが、写真が少ないので最初はちょっととっつきにくいような印象です。
イタリアを代表するカリスマシェフの名声を手に入れて時代の寵児となった彼が、この本で何を伝えたかったのか、手っ取り早くわかる方法などないとは思いますが、そのへんのことがなんとなくでも分ればと、とりあえず「序文」を訳してみます。
「この本の根底には、シンプルなコンセプトがある。
料理の能力を高めるには、とにかくテクニックを学んで実践する必要がある、ということだ。
テクニックは調理場で知識と経験を積み重ねた結果身につくものだ。
しかし、料理を語る時、テクニックと言いう言葉は美しくない。
この言葉には、冷たくて、無菌で機械的なマニュアルのような響きがある。
ところが調理場には、無菌で機械的なものなど何もない。
人を興奮させる料理を作り出すために何時間もコンロの前に立ち続けるには情熱が必要だ。
テクニックはそのための基本的な道具の一つで、そのことを意識して使うものだ。
テレビのおかげで料理はファッションになり、コンロ1個と2、3の食材があれば、誰でもが(または多くの人が)料理をすることができる。
しかし、それだけではない。
料理は、文化で、発見で、情熱、芸術、共有なのだ。
料理は、知識や古い行いを伝えて、私たちの歴史を生きたものにいていくための機会であり、大地を耕す人とその果実を食べる人とを結ぶ貴重な糸なのだ。
ここで二つの世界は出会い、料理する人と耕す人は、どちらが上とは言えない大きな責任が課せられる。
料理に使う食材の価値は?
どこから来たのか?
一番重要な特徴は?
どうやったらその価値を高めることができるのか?
これらの問いかけに答えを見つけたら、あなは料理する価値を知っていることになる。
これこそが、能力を高めるための秘訣だ。
例えば、にんじんがあるとする。
生産者が多大な手間をかけて常識を覆すような品質のものにしたとして、あなたがそれを知らなかったら、その食材は虐げられて、生産者も消費者も裏切ってしまうことになる。
一方で、そのにんじんが注目に値してどのように調理するかを知っていたら、あなたの料理は完璧になる。
食材の背景には、大地からその食材の利点を引き出す人がいるということを自覚することは、あなたの料理も最高にしてくれる。
この考えを、私は常に意識している。
1冊目の『Se vuoi fare il figo usa lo scalogno』でも、2冊めの『A qualcuno piace Cracco』でも、強調してきた。
私はテクニックを説明して、実践するためのリチェッタを書いた。
今年もいつものように、この本のための料理を考えだした時に、クラッコというレストランの歴史と
人のことが頭に浮かんだ。
開業当初とメンバーは少し変わったが、みんな経験を積み、偉大な情熱を持ったパスティッチェーレの若者がスーシェフになるなど、成長していった。」
この後、もう少し序文は続きますが、大体こんな内容です。
さらにこの後、念には念を入れたのか、「この本の使い方」という章があります。
これは次回に。
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